★感動的なお話を発見!→強盗のボスだって?→名著「夜と霧」&名作映画「ショーシャンクの空に」 | 遥かなる冒険の旅人@朝やん渡辺の幸福戦略A to Z

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<冷酷強盗団のボスが信頼された>
(子どもたちへ聞かせたいお話)

長文ですが、貴方(女)の心にずっと残るお話

 

 


 アメリカで南北戦争が終わった後、たいへんな強盗団が出没しました。ペンシルバニアの山の中に、、、、です。これは本当にあったお話です。

 ある青年が一生懸命働いてお金をいっぱいためて婚約者がいる故郷に向かってペンシルバニアの山を超えようとしていました。途中雨が降ってきてどしゃぶりになって、道に迷ってしまいました。幸い、山小屋があって、これ幸いと馬をつないでドンドンとドアをたたいたら、中から大男がヌッと出てきました。顔に傷がある、おっかなーい顔をした人でした。「何だ!」と聞くから、「道に迷ったから泊めてくれ」って言いました。そしたら大男、ジロッと見て「入れ!」って言いました。

 しばらくして馬のひずめの音がして、外からドンドンドンと戸をたたく音がしました。すると女の格好をした強盗団の連中でした。その旅人の青年は、「もうだめだ、、、殺される」と思いました。彼は、強盗団の親方のところへ宿をとってしまっていたのでした。

 親方は、「おめえは何者だ!」「こんなところどうしてきたんだ」と怖い顔で聞くので、旅人は「婚約者がいて、小さな雑貨屋の店を買って、彼女と結婚して二人で生活する」というお話をしてしまいました。それを黙って聞かれてしまい、相手は平気で人を殺す強盗団の親方、、、、もう一巻の終わりだと思いました。

 その時、旅人は自分が「クエーカー教徒」であることを思い出しました。クエーカー教徒は南北戦争の時も絶対に戦争に参加しなかったこと、どんな仕打ちを受けても、どんな罰を受けても相手のことを憎んだりしないで信じなさいという教え、自分を殺すような人間に対してもその人を認めて信じなさいという教えが頭に浮かびました。

 そして旅人はちょっと震えながらも、こう親方に話したのでした。


「わたしは、なんてラッキーで幸せ者なのでしょう!」

強盗団の親方は、びっくりしました。すぐにでも殺そうと思っている旅人が、

「わたしは、最高にラッキーで幸せ者、、、、」と言うのです。

なんだそりゃ?という思いで、そのわけを聞いてみました。

     旅人はこう話したのです。

「わたしは今とても不安で、眠くて、心細い気持ちでいました。こんな雨の中、山道を一人で歩いていたら、熊に襲われるかもしれません。そして大事なお金をなくしてしまうかもしれないと不安で仕方がなかったのです。、、、しかし、わたしはなんとラッキーなのでしょうか、、、
この国で一番強い親方がすぐそばにいてくれるからです。あなたはとても強そうだし、信頼がおける人です。これで今晩は一緒にいて安心して眠れます。お金ですけど、あなたがこれを守ってください!」

お金をさしだして預けたのでした。

親方は、黙ってうなづくと、「早く寝ろ」とだけ言いました。



 
 しかし、旅人は眠れませんでした。いつ背中からナイフがつきささってくるか考えると寝ったふりをせざるをえませんでした。チラッと親方を見ると、たき火の光をあびて目をしっかり開けていました。もう婚約者とも会えないかもしれない、、、。

 殺して金取るか、、、どうするのか、、、そう考えているうちに旅の疲れもあってか、さすがに疲れがどっとでて眠ってしまいました。

 朝早く、明るい声で「おい、起きろ起きろ!」という声を聞いてびっくりして起きると、ちゃんと朝ご飯もつくってくれて「さあ、食べろ!雨もあがったし、早く食べろ!うまいか、どうだ?
長旅だから気をつけろ!おまえからあずかった金はここにちゃんとある。落とさないようにしっかりもっていくんだぞ!」と言われました。

 昨日までの怖い顔だった泥棒の親方の顔が、晴れ晴れしていました。

 親方は約束通りに旅人を一晩守り通したのでした。
 


 このお話から私たちは何を学んだらいいのでしょうか?

 実は、その親方は、生まれてからこのかた、人から信用されたことがなかったのです。だらかはじめ面くらったのだと思います。生まれてはじめて信頼された喜びが、パーッと出て全身に満ちあふれたのでした。そういうどうしようもない泥棒でさえも、この旅人の信仰の力かもしれませんが、理屈じゃなくて、信じることなのだと思います。

 相手にどのような心理的なストロークを投げかけるかは日常生活の中でとても大切だと思います。相手の納得のいくような「承認欲求」を満たしてやることが大人でも子どもでも、問題児でも、どんな人間にとっても大切だということを教えてくれるお話でした。


 愛情もそうです。信じることに理屈はありません。そう思うだけでいいのです。

 私たちは神様も仏様も霊界も見たことはありません。でも信仰することはできます。信じることには理屈はありません。ただ無心に信ずることの行為そのものが尊いのです。

 この青年の旅人も極限の状況の中で、自分はどんな態度をとったらよいのかを自分の信仰する教えに従って行動にうつしたことが結果的には相手を信頼し、信頼することのストロークを相手に与えることによって信頼関係を築き、助けられたのかもしれません。

 

 

映画「ショーシャンクの空に」

 

 話は飛びますが、ドイツの強制収容所で生死をさまよったユダヤ人の心理学者 ヴィクトール・フランクルは、人間の生きる意味を説明するのに大切な要素が3つあることに過酷な環境の中で発見したそうです。

 


(高校生以上に聞かせたいお話)

 

  1 創造価値
  2 体験価値
  3 態度価値


  の3つです。今日のお話は、3つめの態度価値に通ずるものだと思います。
 
創造価値とは、人間が行動したり何かを作ったりすることで実現される価値である。仕事をしたり、芸術作品を創作したりすることがこれに当たる。
 
体験価値とは、人間が何かを体験することで実現される価値である。芸術を鑑賞したり、自然の美しさを体験したり、あるいは人を愛したりすることでこの価値は実現される。
 
 

 

 

態度価値とは、人間が運命を受け止める態度によって実現される価値である。病や貧困やその他様々な苦痛の前で活動の自由(創造価値) を奪われ、楽しみ(体験価値)が奪われたとしても、その運命を受け止める態度を決める自由が人間に残されている。

       

 フランクルはアウシュビッツという極限の状況の中にあっても、人間らしい尊厳のある態度を取り続けた人がいたことを体験した。自分の生きる意味は、「この過酷な状況を生きて外の世界の人に伝えること、、、、」

フランクルは人間が最後まで実現しうる価値として
 態度価値を重視している。

 東日本大震災で災害にあい、打ちひしがれた方々だけでなく、私たち全員がいつどんな境遇に中に放り込まれ、「生きる意味」を見失うことかもしれません。それは鬱や自殺の種にもなりかねません。そんな時に、この著者の本「夜と霧」に記された人間の生きる意味をもう一度考えてみる価値はあるとわたしには思えます。
 

 

 

 

 


 
 

 

私の尊敬する心理学者 板東義教先生

 

 

死ぬまでに絶対2回以上、観たほうがいい映画!

(ネタバレあり)