今日の例会に出席していた人が、先週は誕生日と結婚記念日で出席できませんでした、なんて話をしていました。そしてさらに酒を飲んでいたころは、この時に旅行を計画して、その旅行のために酒の準備もしていたものです、という話にまで繋げていました。
それでそういえば私も、断酒するようになってから、旅行に行くこともなくなったなあと、思い返したのでした。学生になったころから、いろいろなところに行って見分を広げたいという意欲を抑えらせず、各地に旅行に行ったものです。沖縄には延べ数か月は滞在しましたし、北海道も周遊券を目いっぱい活用して回ったものです。
就職してからは、楽しむための旅行はほとんどなかったものの、出張には散々出かけました。日本国内ならばどこでも場所を支持されたら、そこに行って仕事をすることに不安は感じません。そしてたかが東京出張でも、新幹線で飲むビールをこよなく愛していたのも事実です。
結局自分としては、楽しみであっても、出張でも、どこか遠くの地に行くという事を楽しめるようになっていました。だから、引退後に自由な時間ができたら、あちらこちらに旅行をする、という事を当然考えていたのです。
しかし、それを想定したのは、まだ酒を飲んでいる頃でした。というのも旅行をするという事の大きな楽しみは、その地の名産を食べそれに合う地元のお酒を飲むとか、電車や列車や船など移動の際に車窓の眺めを肴に酒を飲むことです。つまり、旅行と酒は切り離して考えられないほどだったのです。
断酒を始めたのは57歳でした。定年よりま少し早いけど、もう断酒に専念して、引退生活を送ることにしようと決断したのです。そこで、引退生活と思ったとき先に書いたかつての引退後のビジョンを思い出したのですが、そこに酒はないことを前提とすると、旅行を外さざるを得ないという事になり、現実に、その後ほぼ旅行らしい旅行をすることもなく13年が過ぎてしまったのでした。
まあ妻と別居になってしまって、引退後の旅行のパートナーであるべき妻がいないというのも大きいですが、旅行となると、現地のごちそうとそれに合わせた現地の酒、そして、移動ので車窓からの風景を眺めながらの酒がないことを思うと、旅行する気持ちがわかないのが現実です。
旅行と酒、それが切っても切り離せない、そんな意味での酒への執着がまだ私にはあるのだと感じます。