デスティニー 【第2章 16話】 | 『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』という小説を書いています。
どうぞ御気軽にご覧下さい♪

2014/12/01
多忙でしたがやっと余裕ができました!
まだ忙しい生活が続きますが
休み休み更新していけたらと思います!
忘れ去られているとは思いますが
またよろしくお願いします♪

☆速水綾

「ん・・・・っ」

朝・・・?

背中に重みを感じて、昨日の夜の事を思い出した。

・・・そっか。

あのまま泣いて、寝ちゃった・・・のか・・・

私は輝の膝に、輝は私の背中に寝ていた。

私には、肩まで布団がかかっている。

輝も布団がかかっていたけど、背中の真ん中くらいではだけていた。

箱根の朝は寒くて、少し肩がふるえた。

「ふぇ・・・っ、ふぇっくしょんっ!!」

しまったぁぁぁ―っ!!

輝の事、起こしちゃうかな・・・・?

「・・・・ん・・・・」


あああああもうっ!!私はなんて馬鹿なの!?

「こ、輝?」

「・・・・おはよ、綾・・・くぁぁぁ・・・・」

眠たそうに欠伸をして、んー、と伸びする輝。

可愛いなぁ・・・

「はい、起きて」

「え?う、うん?」

私は輝の膝に乗せていた上半身を起こした。

すると、輝がいきなりキスしてきた!

「・・・・・へっ、っ・・・・?」

「昨日考えたんだけどなー、今日はお別れの時間まで100回くらいはキスしようかなって・・・」

「!?」

私の顔が、ぼんと赤くなる。

「冗談だよ(笑)」

「はぁ・・・もう、最後の最後でキス魔になるとか・・・」

「はは、でも油断するなよ?」

・・・へ?

「隙をついてちゅーするから」

「・・・・・・へぇぇっ!?」

「はっはっは、覚悟しときなさい(笑)」

「~~~!!!」

何にも言えなくなった・・・。

・・・・そっか。



・・・・今日が、


最後の日――――――・・・・。


***


☆津川輝


「・・・・」

綾が寒いと言ったので、着替えることに。

「・・・あのさあ、俺・・・どっち向いてりゃいいの?」

「・・・・へっ?」

普通に浴衣の紐を解き始めていた綾が、そうだった・・!とでも聞こえてきそうなリアクションをした。

ちなみに俺は目のやり場がないので、片手で顔を覆っている。

それは赤面してるせいでもあるんだけど・・・綾に気付かれたくない。

「・・・べ、別に・・・昨日の夜、輝、私の浴衣・・・」

「・・・・・いや、でも昨日とは明るさが違うだろ・・・!」

「そ、そんな違う事・・・?」

綾には分かんねーだろうけどなぁ・・・

本当に明るさ違うんだぞ!?

昨日は暗かったから少ししか見えなかったからいいけど!

今日丸見えだからな!?

「・・・・じゃあ分かった。なるべく見えないように・・・」

「ああもういい!俺あっち向いて着替えるから、お前はあっち向いて着替えろ!」

「うっ、うん」

はぁー・・・と、朝一番のため息がここで漏れた。


***


「・・・・」

沈黙の時間、再び・・。

「・・・・・っと、っと・・・」

ごん!

「お、おい・・・大丈夫か?」

「だいじょ・・・うぶ。いったった・・・」

「ちょ、―――――」

とっさに振り向いてしまった。

・・・俺はもう着替え終っていたものの、

「・・・・・ぁ」

「・・・・ちょ、」

「・・・・・ご、ごめんなさ・・・」

「お前は悪くないけど!!」

悪いのは確かにこっち向いちゃった俺だよ!!

だけど

だけどです!!

今の綾の格好を、説明しにくいけど説明すると――――


上半身、下着一枚。

下半身、ショートパンツのみ。(これを履こうとしてバランスを崩したっぽい)

「ふつう、浴衣羽織って着替えねー・・・?」

「と、途中までは・・・!!さすがに、浴衣羽織ってないとちょっと・・・アレな時もあったし!

 今バランス崩して、はおってたんだけど浴衣落ちちゃって・・!」

「あああああもう・・・」

俺は浴衣を拾って、半裸の綾に羽織らせた。

「・・・・」

耳まで顔を真っ赤にする綾。

「ほら、着替えろ」

「・・・・・え・・・」

「見ねえよ!」

「・・・・え、いや・・・いいの?」

「いいよ!ほら早く!」

「う、うん・・・」

「・・・なあ、髪の毛・・・どうする?」

「・・・・あ!」

「切ってやろうか?」

「・・・え、いいの?」

「いや、別にかまわねーよ。時間もあるしな」

腕時計を見てみると、まだ6時半だった。

朝食の時間まで、2時間はある。

「うん、じゃあ・・・これ着終わったら、お願いしようかな・・」


あの時は、失親だとかなんだとか変なこと言ってたけど、

今となっては、こいつが髪を切りたがった理由が分かる。

俺と離れるため、フッ切るためだろう。

だから、なんとなく・・・・、なんとなくだけど。

こいつは、本当に大人になってからしか、俺に会わない覚悟をしているんだろうな、

と。

そんなことを考えたりした――――。


「はい、着替え終わった!遅くてごめんね」

「いや、別に・・・」

「ちょっと着替えるの大変だったからさ」

そう言い、綾は羽織っていた浴衣をとった。

「・・・・!?」

綾が着ていたのは、

昨日来ていた白いワンピースとはまた違う、もっと・・・眩しいくらいに白いキャミソールワンピースで、

肩ひもはではなく、首の後ろで蝶々結びにするものだった。

その上には白いボレロを着ている。

さっき下にはいていたショートパンツが見えるか見えないかくらいに丈が短く、

上から見ると胸元が見えるか見えないkげふっ・・・


「・・・・ちょ、お前・・正気?」

「・・・・えっ!?え、この格好・・・おかしかった!?」

「いや、いやいやいや・・・お前さあ、俺より背の高い奴に上から見られたら、服ん中丸見えになるっての!!」

「ええええっ!?ど、どうしよ・・・」

「どうしようもねぇだろ!・・・・・・あ」

「ふぇぇ・・・?」

「ううん、そのままでいい。いい方法思いついた」

「・・・え」

「覚悟しろよ。そんな可愛い服着てきた罰だからな」

「・・・・・えっ」

「・・・・・あ」

か、可愛いとか・・・・!

何を言ってんだ俺は!

でも、・・・・可愛いって言って何が悪いんだ!

「・・・うん、マジでかわいいから・・ほんとのこと言っただけだし」

「・・・・・・」


真っ赤になった綾に、

「ハサミどこだっけ?買ってたよね」


と、冷静なふりをして聞く俺だったが、


綾が鋏を出しに鞄のほうに振り向いた途端に俯いて赤面していた・・・ことは、


どうか秘密にしてほしいところだった・・・。



***



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