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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ベリンガム、サカ、ラシュフォード…!ゴールがほしかったイングランド、期待通りの6発圧勝!

UEFAネーションズリーグ2022-23では、ハンガリー、イタリア、ドイツと当たって3分3敗。6試合で4ゴールしか決められず、リーグBに降格となりました。優勝候補に推されるはずだったイングランドが、最悪のタイミングで迎えたワールドカップ。イランとの初戦でほしいのは、2ヵ月前までの停滞を忘れさせてくれるゴールラッシュです。

サウスゲート監督が選んだ布陣は、オーソドックスな4-2-3-1です。GKピックフォード、DFトリッピアー、ジョン・ストーンズ、マグワイア、ルーク・ショー。センターにベリンガムとデクラン・ライスが並び、2列めはサカ、メイソン・マウント、スターリング。最前線にプレミアリーグ15戦12発のハリー・ケインという顔ぶれです。

キックオフから8分、イランにアクシデント。FKを右に流れて受けたハリー・ケインが高速クロスを入れると、飛び出したGKベイランヴァンドがマジド・ホセイニと真正面から激突しました。治療を受け、何とかゴールマウスに立ったGKは、すぐに座り込んでしまいリタイア。過去のワールドカップで20分以内に交代となったGK4人のうち、3人はイングランド戦だったそうです。

一方的に攻めていたイングランドが、決定機をつかんだのは30分。トリッピアーからスターリングにつながり、ダイレクトで右に流したボールにサカが反応しました。右足でニアに転がすと、走り込んだメイソン・マウントのシュートはポストの右にアウト。32分のCKを叩いたマグワイアのヘッドは、クロスバーに阻まれました。

押し続けたイングランドが先制したのは35分。メイソン・マウントの落としを受けたスターリングが外のルーク・ショーに転がすと、完璧なクロスが中央へ。フリーだったベリンガムのヘッドが右隅に吸い込まれました。2000年以降に生まれた選手がワールドカップで決めた初ゴール。リードしたイングランドは、前半のうちに2発を追加しました。

43分の2点めはCK。マグワイアが頭で落とすと、サカが美しい左足ボレーをゴール右に収めました。さらに追加タイム1分、ピックフォードのキックをハリー・ケインが後ろに落とし、サカが粘って始まったカウンター。ドリブルで上がったベリンガムが右のハリー・ケインに預け、エースがクロスを中に入れると、飛び出したスターリングが右足アウトでプッシュしました。

前半は3-0、イランのパス本数は前半の大会ワーストとなる46本。ゲームの興味は、イングランドが何点決めるかにシフトしています。スターリングのパスをボックス右でもらったサカが、カットインから2人かわしてGKの足元を抜いたのは62分。3分後、右サイドから攻めたイランは、ゴール前に出したゴリサデのラストパスをタレミがダイレクトで蹴り込み、3点差に戻しています。

サウスゲート監督は、残り20分を切ったところで4枚代えを敢行。マグワイア、サカ、メイソン・マウント、スターリングを下げ、エリック・ダイアー、ラシュフォード、グリーリッシュ、フォーデンをピッチに送り出しています。交代策の50秒後、ハリー・ケインのパスを右でもらったラシュフォードがマジド・ホセイニを切り返しでかわし、左足で5点めをゲットしました。

イングランドの最後のゴールは90分。相手を自陣に引き寄せ、ベリンガムのスルーパスが右に通った「偽装カウンター」です。途中出場のカラム・ウィルソンがGKと向き合い、打つと見せかけて中央に転がすと、フリーのグリーリッシュが右足で押し込みました。

ベイランヴァンド、ハジサフィ、マグワイアの治療で試合が止まり、前半の追加タイム表示は14分、後半は10分。FKからの混戦でのファールを巡り、残り5秒からオンフィールドレビューが行われたため、タレミがPKを右に流し込んだのは103分でした。彼が自ら倒れたように見えたあのシーンは、プレミアリーグではスルーでしょうね…。

かくして6-2、イングランド圧勝。厳しいバッシングに耐えたマグワイアがハリーファのピッチに立てたことと、ラシュフォードのワールドカップ初ゴールが印象深い一戦でした。オーウェンに次ぐイングランド史上2番めの若さで、最高の舞台のゴールを記録したベリンガムと、ユーロ決勝のPKミスから前を向いて進んできたサカにも、拍手を送りましょう。

アメリカとウェールズが引き分けたので、次のアメリカ戦に勝てばノックアウトラウンド進出が決まります。初戦は2アシストだったエースのゴールと、ヤングスターたちの躍動を期待したいと思います。


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