自然の一部と化すグリーン建築: Mercatorスポーツプラザ | グリーンライフ カフェ

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Mercatorスポーツプラザ


Mercatorスポーツプラザは、オランダ・アムステルダムにあるDeBaarsjesエリアに建設されたスポーツセンターです。もともと敷地が公園の一部であったため、設計事務所のVenhoevenCSは、人々が慣れ親しんだ景観と同じ雰囲気をかもし出すために建物全体を花・植物で完全にカモフラージュしました。DeBaarsjesの街は、アムステルダム街の一角にある多国籍人種が住まうコスモポリタンなエリアで、市がそのコミュニティの生活を豊かにするためこのMercatorスポーツプラザを2006年に建設しました。2012年には、グリーンビルディング・アワードにノミネートされるなど、グリーンなビルディングとして注目を浴びています。


この施設は、スイミングプール、ジム、サウナ、パーティルーム、保育所、カフェ、レストラン、とあらゆるコミュニティ機能が満載されており、DeBaarsjesの住人に健康と生活の質を提供します。施設は完全に植物によって埋め尽くされ、自然の山のような風格を持っています。この山のような緑の壁には、色とりどりの植物や花が一面に植えられ一見したところ建物のように感じられません。建築もやればここまで人工的に自然を作り出すことができるのですね。このサイズのグリーンを養うためにおそらく自動灌漑システムも完備してることでしょう。いい感じです。山が作られてしまっています。多くの花も植えてあるので、季節になれば花で多い尽くされた人口の花の山にもなります。“山の中に集う”、だなんて新しい近代性を持ち備えていて知的なおしゃれに満ちています。


このようなグリーンビルディングが周囲にもたらす影響や環境的貢献などエコな建物として すばらしいことはたくさんありますが、その中でもグリーンビルディング企画・設計に対するその考え方・姿勢が特に大切です。市と建築家が、そこに住む住民 の大切にしているものを細やかに扱いそれを大きな予算と行動力をもって実現する、そのような高貴な思想がこうしたグリーンビルディングから窺い知ることが 出来ます。自然を大切にする、緑を愛する、花を貴重に感じる、このような感情は私たち人間に備わる大切な美徳です。そうした美徳は、実践され多くの人がそ の実践を目撃することにより、更に社会・コミュニティとしての一体性をつくりだしモラルの向上に繋がります。


設 計事務所のVenhoevenCSは、環境循環型の建築設計を長年行ってきました。ヘッドアーキテクトのトム・ヴェンホーベンさんは言います。


建築は静 止した孤立したものではなく、生きた生命体のようにその置かれた環境と互いに交流します。デザイナーは自然界からインスピレーションを受け我々のテクノロ ジー進化のためにそれを使います。そのような
バイオミミックリー(生体模倣)、は新しいタイプの機能主義の基礎を作り出します。現在世界中で生まれつつある新しいタイプの機能主義、エコ機能主義、は、機能と使用の多様性を繋ぎ、知的なエネルギー発電を分散化させ、自然との関係を最適化します。このアプローチは、低価格でローテックな手法を利益率の高い高度なテクノロジーの利点を繋ぐことを可能とします。」 


正にそのとおり、惚れ惚れとする分析です。


Mercatorスポーツプラザ


こうした人間味あふれる建築・都市計画・デザインっていいですよね。やれ水をやるのが大変だとか、落ち葉はどうする、掃除が大変だとか、すぐ官僚的にデザインを批評してしまってはなりません。日々時代は進化し、その時代に住む私たちも更に人間的に進化し、人の大切にしているもの、自然を大切にする細やかな美徳、そうした文化高い高貴な人間味ある考え方に優先順位をつける時代になってもらいたいものです。お金や組織の運営のために人間性が無視される時代にはもう幕を閉じていただきたいものです。そういった時代遅れの感覚にはもううんざりですよね。


写真コピーライト:VENHOEVEN CS
参照:DEZEEN, VENHOEVEN CS



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