(28)でもタイトルにした先読みの別話である。
どうせ物事をするなら、先読みをしておいた方が賢明だろう。アレコレと思慮しておけば、後々(あとあと)になって後悔することは、まずない・・という寸法だ。この場合の考えを巡らせる内容は雑念とは呼ばない。雑念は、思わなくてもいい雑事を巡らせるから雑念と言われる訳である。
月宮(つきみや)はようやく芽吹き出した庭の木々を愛でながら、先読みをしていた。
『明日は雨が降ると天気予報が言ってたな…。よしっ! やるかっ!』
やる‥とは殺菌剤の散布である。展着剤+希釈した溶液を噴霧器に入れ、月宮は消毒を始めた。そして数十分後、事を終えた月宮は、フゥ~っと、し終えた安息の息を漏らした。
その次の朝は小雨が降っていた。月宮の先読みは見事、的中したのである。
『どれどれ、今日はチョコでも買いに出るか…』
明日はバレンタインデーだったが、毎年、義理チョコも手に出来ない月宮とすれば、先読みして買いに出るのが常套手段となっていた。
こういう場合の先読みは、間違いなく雑念です。^^
完
最新の画像[もっと見る]