鍼灸師「おおしたさん」のブログです

東京都港区南青山で開業20年 / 6月から広島に帰る予定です

悲しきかな人間の性(類人猿から考える)

2023年03月16日 | 考えていることとか思っていることとか

 

多産を義務付けられ、何時でも誰彼とも無く性欲を発揮できるようになった人間のオス、『「ゴリラの森、言葉の海」(山際寿一・小川洋子著)』を読んで色々と考えてしまった。特に人間の貪欲なまでの性への欲望、性欲を理性が抑える事ができない嘆かわしさ、後先考えずに不倫をしてしまう愚かさ等々、なんと悲しい性なのだろう。

弱い個体の人間はサバンナを追われ、厳しい自然環境に身を置かざるを得なかった。常に命の危険にさらされ続けたため、子どもをたくさん産む事が第一義となり、敵のコミュニティーに所属するメスに対しても性交ができるまでに進化してしまった。敵と交わるだなんて、自らのコミュニティが最優先される類人猿には考えられない行為らしい。そんな人間のオスは多産を維持するためにメスの発情を待たずに性行動ができる。そしてサルはメスが発情して初めてオスはその行為に及ぶ。だからサル社会において強姦はあり得ない。

しかし農耕を覚えて一定の場所に定住し、衣食住が安定すると、当然子どもの死も少なくなる。だから多産も考えたらいいものを、その名残を捨てることができず、その本質的な部分、誰彼構わず性欲をむき出しにできる男性性は、当然の如く集団の中での足かせとなっていく。

社会的には男尊女卑と叫ばれる世の中が続く。特にイスラムのそれはひどいと思っていた。でも一夫多妻と言えども家の中では男性は肩身が狭いと聞く。それらイスラムのイメージはある本を読んで全く変わってしまったので、その本をいつか紹介したい(今は名前を思い出せないので)。

案外オスはメスに利用されているだけなのかもしれない。射精の快楽のために、色々な女性に手を出してしまう男性性のおぞましさ。前立腺がんで性欲を抑える事ができた日の幸せときたら、みたいな話を患者さんがして(1)、男性もなかなか大変なのだと世に言いふらしたい。この性欲というすべての男性に課せられたおぞましき十字架に、思うところしきりである。

※ ゴリラのメスが何を基準にオスを選ぶか等、もうちょっと書きたい事があるので多分続きます。


先日近所のおじさんと、、

前立腺癌になって本当によかった!
ホルモン治療して本当によかった!
女性への欲望が減って、本当に楽になった!

そんな話で小一時間、、、

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