カテゴリ:絶対存在論
神の存否-208
スピノザの活躍年代には定常宇宙論が一般的には物理科学理論の主流であり、宇宙=世界(自然)=実体を神として捉えても其の事自体、哲学的には不条理や誤謬が顕現せず、識者にもあまり抵抗がなかったでしょう。ところが、ハッブルの法則、宇宙が膨張していることを示すもので、1922年にすでにA・A・フリードマンが、一般相対性理論に基づいて宇宙の膨張を理論的に予言していたもので。この宇宙膨張の発見は、宇宙が最初は非常に小さく高密度の状態から出発したことを意味することとなり、1946年、G・ガモフがビッグ・バン宇宙論を提唱することとなります。1965年、ペンジアスとウィルソンは宇宙背景放射(Cosmic Microwave Background Radiation/CMB、宇宙マイクロ波背景放射、宇宙黒体放射、3K放射ともいう)を発見し、ビッグ・バン宇宙論を定着させたことにより、常恒であるとも思われた宇宙が変幻することが認識され、宇宙=世界=実体を「神=有」と等式化することに疑問を呈することになりました。とは云え「神=有」とすることに別の道が開かれます。それが量子重力理論です。 哲学・思想ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年10月23日 06時09分37秒
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