カテゴリ:霊魂論
「神秘学概論」読解
24 土星紀4:神秘学概論」土星紀の進化過程2- 3 前半 記:シュタイナーの神秘学の世界の宇宙進化の過程では、各種各段階のヒエラルキアに位置する元々から霊的世界に住する霊存在が、人間の霊的存在に働きかけるのであるが、此のことは神秘体験からの認識の神秘学と、神の啓示体験における宗教との微妙な差異があるのですが、なかなかに判別は難しいものがあります。此処に登場する霊的世界に住する各段階のヒエラルキア、元来、ヒエラルキー(独語: Hierarchie、英語: hierarchy、)とは、階層制や階級制のことであり、主にピラミッド型の段階的組織構造のことを指し、元々は、聖職者の支配構造であり、かつてのカトリック教会や正教会などが、この言葉の現代的意味において「階層的な」組織を持っていたことに起源があります。シュタイナーが神秘学の世界において此のヒエラルキアの霊体を共用していることには、彼の基礎的自我の奥底に西欧キリスト神学があり、それを離脱し得なかったことが伺えますが、彼の神秘体験である以上、門外漢がとやかく問いただすものでもないでしょう。例えば仏教における観世音菩薩、観自在・観世自在などとも云われる如く、世間の出来事を自在に観察する意を持ち救いを求める者の心に応じ、相手により千変万化するという観音菩薩は「観音」と表記される如く其の各々の人間に両面の大太鼓の皮が響くがごとくに其の姿を變化します。それ故、ヒエラルキアの霊体の姿を取ることも有り得、シュタイナーの神秘体験をヒエラルキアの霊的世界に住する霊存在の形姿を厳密に差別化するのかどうかには疑義があります。 それはさておき、各段階のヒエラルキアに属する元々から霊的世界に住する霊存在、第一ヒエラルキアがむしろ低次のものであるとされる物質的なものに働きかけ、第三ヒエラルキアが高次のものであるとされるアストラル体に働きかけている、ということを見てもわかるように、いわば「最も高きもの」と「最も低きもの」というのはもっとも互いに働きかけあっているということがいえる。つまり、低次の要素であるから軽視するというのは、もっとも認識の欠如をあらわしているということでもある。「肉体は汚れているから常に高次のもののほうに目をやらなければならない」というふうに考えるとしたら、そこにはルシファー的な認識の陥穽がある。 哲学・思想ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年02月04日 06時01分20秒
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