ついに、心理学講座の日がやってきた。




私は、どきどきしながら

でも期待を胸に感じながら

会場へ行った。




会場には、

もの凄く沢山の人がいた。




100人くらいはいそうだった。




人見知りの私は、

早く来すぎた事を後悔した。




当然ながら、

知らない人ばかりなので、

あまり他の人と顔を合わせたくなかった。




「こんにちは」と言った後、

いつも何を話していいか分からないのだ。




開始時間迄人気が無い所で

時間をつぶしたかったけれど

どこに行っても人ばかりだった。




そんな時、

タバコを吸うのはいい時間つぶしだった。




昔から顔に似合わないとも言われたし、

吸って美味しいと思った事も無かったけれど、

手持ち無沙汰の時には

好都合だった。




タバコを吸えば、

吸っている間は話す必要もない。




その内に、

開場のアナウンスが流れ、

いよいよクラスがスタートした。




最初に1人ずつ

オラクルカードの様なものを引き

講師がそのカードの意味をそれぞれに伝えていた。




カードを引く時に

私達の潜在意識が手を動かし、

その人の今現在の問題点や課題に関係するカードを

何故か引いてしまうらしい。




「まさか~」と思ったが、

反面興味新々だった。




自分の番になってカードを引いた。

私が引いたカードは、




「無価値観」




どきっとした。

あまりにも今の自分の気持ちにピッタリで

気持ちを見透かされた様な気がした。




その後、

グループになって、

自己紹介やここに来た目的、

さっき引いたカードの事などを

話し合った。




同じ班の他の人は、

「両親が離婚したトラウマ」や

「今現在大病を抱えていて怖れがある」とか

「家族の〇〇が死んで・・・」とか

色んなトラウマを抱えていた。




そんな話を聞きながら、

「私は場違いだ」

と思った。




私にはそんな悩みは無い。

家族は全員五体満足の健康体。

恋愛が上手くいかないから来たなんて、

なんだかバカみたいで言えなかった。




後になって分かった事だが、

私はそんな気持ちを受けれいてくれる場所でさえ

「自分の無価値観」

を感じていた。




私には何の価値もない。

私の持ってる悩みさえ人に言う価値もない。

その場所にいる価値がない。

場違いだ。




そんな気持ちが

私をいつも占領していた。




それは恋愛の中でもそうだった。



例え誰かが好きになってくれても

「この人は私にいったい何の価値を見てるの?」

「私を好きになるなんてこの人には価値がないに違いない」




そんな気持ちでいっぱいだった。




私はどこにいっても居場所が無かった。

「私は自分の場所を持つ価値も感じられなかった。」




でもその時は、

無価値観の海のど真ん中にいたので

自分の無価値観から、

悩みも言えないでいるという事に

気がついていなかった。




だから私は、

「何も悩みはありません」

「ただ、心理学に興味があったんです」

とそれからずっと言い張りつづけたのだった。




でも、私は心の中では、

私はこの中で一番問題を抱えていると

思い続けていたのだった。




私はいつも、

「きっかけ」と「助け」を

求めていた。




(続く)




良かったら

ポチッと押していただけると嬉しいです

ご協力ありがとうございます



デート ブログランキングへ