旧皇族の宗家・伏見宮家に生まれて 伏見博明オーラル・ヒストリー 伏見博明 著/古川江里子/小宮京 編

 

 を読みました。おすすめです。

 

 中央公論新社(左をクリックしてください。)

 

 出版社のWebSiteをご覧いただいてわかる通りですが、旧皇族である伏見博明さまの口述を青山学院大学の先生がまとめてくださったものです。

 

 まずはWebSiteの紹介部分を。

 

 皇族から一民間人へ。それは「二重の人生」だった――。祖父で軍令部総長を務めた伏見宮博恭王の家庭での姿、広い邸と家族一人ずつの別荘、親と離ればなれの教育、幼い頃からの公務、皇太子(現上皇)との日光疎開、皇籍離脱、米ケンタッキーへの留学、外資系企業の営業、菊栄親睦会、そして「皇族」への思い……。鮮明な記憶が紡ぎ出す数奇な物語。

 

 ものすごく興味深く読むことができました。しかも、読みやすくわかりやすく書かれているため、購入→電車乗車→読書開始→電車降車→用事→電車乗車→読書→電車降車→帰宅→読書→就寝→電車乗車→読書→電車降車という感じの2日間で読み終えるほど面白かったです。

 

 私は、竹田恒泰先生の旧皇族方の男系男子の後続との養子縁組という論を支持するものでして、近視眼的なものの考え方ではなく、竹田先生もおっしゃっていたと思うのですが、戦後皇籍離脱を余儀なくされた旧皇族の中で男系男子がお誕生になった場合に、そのお子様を養子縁組するという考え方です。

 

 簡単にいうと、「物心ついたお子様」などの養子縁組をいうのではありません。

 

 この本を読み進めると、まさに戦後「『連合国最高司令官総司令部の実質的な指令』による皇室離脱」をしなければならなかった「旧皇族」の皆様は、皇統を綿々と続けるためにいらしたのであることがよくわかりました。

 

 もっというと、「そういう育ち方」でありかつ「そういう考え方」をしっかりと身につけさせられていたということであり、何処の馬の骨かもわからないような「輩」を「皇族」にすることよりも雲泥の差があるというか、越えられないほどの壁とも言える違いがあると思うのです。

 

 兎にも角にも、お読みいただきたい意義のある本です。