今日の深夜は日本中が大きなため息に包まれたのではないでしょうか。
私も大きな期待をよせてTV観戦していました。
あんな真央ちゃんは見たくはなかったですが、
勝負事でありますし、力を出せる精神状態に持っていくこともスポーツです。
今回の写真ではありませんが、滑る前に大きく息を吐く真央ちゃんがテレビに映っていました。
何気なくやってしまいますし、心を落ち着かせる行為として深呼吸をする方は多くいると思われます。
しかし、私はオススメしません。
真央ちゃんは、
『心を落ち着かせていつも通りの滑りをしたい。』
と思って深呼吸をするのではないでしょうか。
たぶん多くの方もそのつもりで深呼吸をすると思います。
しかし、深呼吸をすることで『非日常』が作られてしまいます。
普段の力を発揮させたくて深呼吸しているのに、
深呼吸をすることで『非日常』を作り上げ普段とは違う環境を作ってしまっているのです。
毎日深呼吸をしてから滑り始めているのなら話は変わってきますが、
多分していないでしょう。
試合前の練習で深呼吸をしているところは見たことが無いので・・・。
イチローは毎日毎日同じことを繰り返す生活をしているそうです。
これも普段の力を発揮させるためなんです。
しかし、今回の真央ちゃんは大きな息を吐くことで普段と違う空気を作ってしまった。
そして、ソチオリンピックの重圧と日本からの大きく重たい期待を吸い込んでしまい、身体に緊張と『非日常』を作り上げてしまったのではないでしょうか。
これは真央ちゃんやスポーツをやっている選手だけに言えることではありません。
日常生活を普段通り行えるようにしたい、主婦など一般の人にも言えるのです。
これはどういうことかというと、ストレッチや運動でも『非日常』を作らず、普段の状態で行うことで日常に力を発揮することが出来ます。
ストレッチで『息を吐きながら行いましょう!』
とかです。
確かに息を吐きながら行うことで、力を抜いたり入れたりすることが出来ます。
しかし、ストレッチで伸ばした筋肉や関節が日常生活において柔らかくなってもらわないと意味がありません。
ではどうするのか?
普段通りの呼吸でストレッチしたらいいと思います。
普段と違う呼吸で行った行為は、普段と違う呼吸の時に反応してくれるはずなので。
ストレッチをする時、運動する時も自然の呼吸でいいのではないでしょうか?
自然体になれなければ力が発揮できないですし。
自然体で力を発揮できる練習をするべきです。
たぶんこの自然体が難しいのです。
普段息をするのに意識していますか?
物を取る時にこの筋肉を動かしてなど考えてから動かしますか?
人間の身体は意識しなくても勝手に動いてくれます。
そして自然な動きはとても力を発揮してくれます。
自分の最大限の力を自然な状態で発揮する練習
これが大切だと考えています。
意拳という拳法を創始した王郷斎先師の言葉であり、意拳の精髄であるといえる二つの誤りに対する指摘があります。
「一用力便是錯(少しでも力を用いれば誤りである)」
「一具体便是錯(少しでも具体的になれば誤りである)」
拳法とは人を殴り倒す武術なはずですが、王郷斎先師は『少しでも力を用いれば誤りである』と表現しています。
無駄な力を入れない自然体の状態が最高の力を発揮するということではないでしょうか。
スポーツでも普段の生活でも『非日常』を作ると自然体になることが出来ず、最高の力を発揮することが出来ません。
自分の自然体を理解し、普段通り力を発揮すること。
自然体になれる練習してみてはどうでしょうか?
まだ真央ちゃんにはフリーが残っています。
『メダルを取らなくてはいけない。』という重圧はもうどこかに行っているはずです。
真央ちゃんの自然体で最高の演技を見たい。
プレッシャーがかからないように、今夜もひっそりと応援しています。