楽になるには"コツ"がある

広島県東広島市にある「すじと骨の けんびきや」のブログです。

【ひとりごと】なんのお店でしたっけ?

 この仕事をしていると、色々な営業電話・営業メールが来ることがある。
 営業メールで多いのが、技術関連だ。『○○するだけで』とか『業界騒然』とか、派手な謳い文句で興味を引きつける。
 中には変わりダネの営業メールもあった、僕が経験したのは情報商材の営業メールだった。それも施術の技術ではなく『儲かる』系の。
 それを送って来たのは、なんと同業他社。よく情報商材アフィリエイトが流行っているが、その類だ。
 そのメールに関しては色々思うところもあって、こことは別のブログに書いていたのだけど、今はそのブログの公開は辞めている。気が向いたら、その時のブログを再録しようかな。

 営業電話だと、ダントツに多いのがIT関係。webサイトの作成や検索上位に載せますビジネス。口コミ系のポータルサイトの有料会員案内等々。
 近年だと「Google Mapのストリートビューに店内の写真を載せないか?」というものがあった。
 その場合、営業マンは「Googleの代理店」を名乗ることが多い。確かに「ストリートビュー認定フォトグラファー」というのがあり、google側もそれをブランドとして宣伝に使ってもいいと認めている。まぁ、Google から委託を受けた「代理店」ではないのだけど。
 そもそも代理店契約なんてのはあり得ない。だってストリートビューに普通の写真を載せたり、360°写真を載せたりすることは誰でもできるのだから。なのでITの知識(ストリートビューに投稿する)に自信があり、かつ写真も得意というのであれば、自前で行うことも可能だ。もっと言うと、規定枚数載せれば、「ストリートビュー認定フォトグラファー」の申請はできる。
 まぁ素人では上手くいかないことが多いから、こういうビジネスが成り立つわけだけど。

 あと、昔多かったのが「取材広告」というタイプの広告営業だ。僕は電話でしか営業を受けたことはないが、メールでもあるんじゃないかなと思う。
 この取材広告とは文字通り〝取材〟という形で〝有名人〟がお店にやってくるというものだ。その取材の内容を専用のwebサイトやビジネス誌(ホテルに置いてある無料で読めるアレ)とかに掲載するのだ。
 もちろん取材〝広告〟だから、広告料を取材先に〝支払わなければ〟ならない。別に、普通にメディアが取材に来たわけではないのだ。
 僕が知っている限りだと、〝有名人〟はいわゆる芸能人で、最終的にその人とツーショット写真を撮るようになっている。そしてそのツーショット写真を宣伝に使っていいという許可が貰えるのだ。
 だから治療院のホームページやチラシに「○○さんとツーショート」みたいな写真が載っていた場合、「○○ 整体」みたいにgoogleで検索をかけてみるといい。
 その芸能人に「取材を受けて」、更には「一緒に写真を撮った」サイトが沢山出てくるようなら、それは間違いなく取材広告だ。

 そしてついこの間のこと、なかなか面白い営業電話が来た。
 なんと「セルフホワイトニング」の機械の営業だ。最初聞いた時は、何のことを言っているのか分からなかった。
 セルフホワイトニング? ナニソレ、オイシイノ?
 要は歯を白くするアレなんだけど、まさか整体をやってる自分の店に営業電話がかかるなんて思わないでしょ? エステサロンとかならまだ分かる。或いは美容関係を前面に押し出している整体院とかならね。
 でもウチは美容関係で広告なんて出してないし(美容効果が期待できる施術はあるけど)、ましてやホワイトニングの機械があるからついでにやっていこうなんてお客さんはウチには来ない。
 歯が白くなることよりも先に、痛みや痺れなどの差し迫った不調を改善して欲しいというお客さんがほとんどだ。
 どうもこれ、機械でのホワイトニングだけでなく自分でも口腔ケアをしてもらうというものらしい。ビジネスモデルとしては、店舗で機械によるホワイトニングを行い、その上で自分でやる口腔ケア用のキット(専用の歯磨きやブラシ)を販売するということのようだ。

 こんなの治療院を標榜するような店舗じゃ導入しないだろ……と思ったのだけど、案外導入しているところがあるのに驚いた。
 整体院はもちろん、鍼灸院や整骨院など。営業努力が実を結んでいるのか、調べた限りだと営業をかけて来た会社経由で導入してるとこが結構あるのだ。
 そういうを見て、僕はふと思う。「そちらは、なんのお店でしたっけ?」っと。
 もちろん、ビジネスチャンスを広げるのは間違っていない。コロナ禍で今後の生活様式が変わろうとする今、様々な収益化の方法を持っているのは非常に強い。
 だからセルフホワイトニングに誘導できる何か(美容系など)を軸に別部門を立ち上げるとか、新規事業として新店舗を作るというのなら分かる。
 でも殆どは、単に今あるものに継ぎ接ぎのように足しているだけだ。
 〝治療〟院を標榜しているのに、そんな付け焼き刃のビジネスモデルに手を出すほど、自分の技術に自信がないのだろうか……と僕は勘ぐってしまうのだ。

 僕には目指すところがある。今はまだ、その境地には達していない。もしかしたら死ぬまでその境地を目指して研鑽していくことになるかもしれない。
 それでも――
 僕は現時点であっても、同業他社にそうそう遅れをとるようなことはないと自負している。
 開業当初に決めたことの一つに「物販はしない。売るのは自分の腕のみ」というのがある。その気持ちは今でも変わっていないし、実践している。
 この手で炉火純青の一芸を紡ぐことを目指して、僕は今日も施術をするのだ。


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