ストーブリーグ その2 | 嗚呼 ソフトバンクホークス

嗚呼 ソフトバンクホークス

九州に本拠を置く唯一のプロ野球チーム・ソフトバンクホークスの試合結果を語る場。

 

工藤公康監督の退任が事実上決定し、後任人事が俄かに注目されている。7年間で5度の日本一、3度のリーグ制覇は文句のつけようがない。采配の失敗は所々あったが、指揮官の評価はチーム成績がすべて。4位転落の責任を取って身を引くのは順当である。

 

工藤時代で真っ先に思い浮かぶのは、采配や選手起用よりも、選手に対する「君付け」である。これはいまだに何の意図があって貫いたのかわからない。最初は遠慮からくるものかと思っていたが、7年間そのままだった。特に理由はないのだろうか。

 

決して選手を悪く言わないとの評価もあるが、腹ではそうでなかったと感じる。いまはマスクで表情をうかがえないが、2019年シーズンまでは、ベンチで無駄な四球や送りバントの失敗に対して露骨に嫌な顔をしていたのをカメラが捉えたことも少なくなかった。思うに、あの君付けは、平静を保ち、感情で采配しないための工夫ではなかったか。

 

今年で58歳。もう一度指揮を執るチャンスはある。ホークスではない可能性もある。監督の能力などというものは、尺度があるようでない。探すと見つからないものだ。継投でも代打でも、スタメンでも抜擢起用でも、昇降格でも、しょせんは駒次第。できない選手にやれと言っても無理なのだから。

 

名指揮者が中学生のオーケストラを指揮しても、ベルリンフィルやウイーンフィルにはできない。棒1本でできることは限界がある。工藤監督の場合、選手に恵まれた。しかし誰でもこの結果を出せたかといえば、イエスではないだろう。

 

スケープゴートを欲しがる愚民

誰かのせいにして留飲を下げたがる輩はどの世界にもいる。しかし、今回の小久保への非難中傷は酷い。小久保贔屓に言う資格はないが、「ベンチの空気が明らかに悪い」などとよく言えるものだ。マスクで表情はうかがい知ることはできないのに、どうして暗い顔などとといえるのだろう。

 

侍ジャパンの采配記事を見直した。9回表に4点取られて逆転負けした準決勝の韓国戦での采配。確かにおかしかった。しかしそれはそれである。今季は指揮官自ら攻撃はヘッドに任せると明言していたので、貧打の責任を取るなら取ればよい。今に始まった貧打ではないが、引き上げられなかったのは事実だから。指導方法は良かったとも言えない。

 

未練を残している秋山の再登板で2軍監督もいい。手塩にかけた選手とともに満を持して指揮官になるのも悪くない。オリックスの中島監督のように。

 

しかし、小久保は非難して平石は適任という理屈はあり得ない。しかも平石をどう評価しているかも不明である。当たり障りが良いという、当人が効いたらむしろ当惑するような解釈で推しているのだから、あきれてしまう。名選手は名監督にあらずというが、実績を残した人の指導は説得力がある。現場のトップが成績不振の責任を取るなら、1軍首脳は総辞職が適当ではある。しかしフロントの考えは想像できない。

 

素人が口を挟めるのがプロ野球の面白さである。誰を賞賛・非難しても構わない。我々は内部をうかがい知ることは難しく、報道などをもとに外面(そとづら)でしか判断できないから、表面的、一面的な評価になることは致し方ない。

 

しかし、小久保が入っておかしくなったという、漠とした素人の感想が後任人事に影響を及ぼすとしたら、担い手はいなくなる。SNSなどやらないからわからないが、そのようなものに僅かでも浸食されてしまうとしたら、プロ野球の将来はない。少なくとも観戦しようとは思わないし、ついて行けない。

 

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