第23旅序章:水上ダッシュ | もこ太郎の平成阿房列車

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No Train,No Life!
生粋の「乗り鉄」がブログを書くとこうなる!!
私が行った鉄道の旅をレポートさせて頂いています!
私のブログをお読み頂いて、鉄道の旅に興味を持って頂けたら幸いです!

私の勤める会社では、消費電力削減の一環として、毎年7月の平日の2日間程度を休業日としている。
2015年の今年も、例年通り平日の休業が決定した。
私は2012年以降、その休日を使用して18きっぷで阿房列車を走らせている。

2か月ほど前から、私は計画を練り始めた。
今年は、久しぶりに宿泊を伴った阿房列車を走らせようと思う。

しかし、今の私には「駅寝」ができない。

家庭を持ち、会社でも労働組合の役員という立場の私が、駅寝をするのはさすがに気がひける。
駅寝によるトラブルなぞに巻き込まれてしまったら、いろんな面で不安や迷惑をかけてしまうことになるから。

今の私は、身の安全を確保する為に、宿泊施設で寝泊りする必要がある。
かといって、極力宿泊に金はかけたくない。
私の旅の目的は、あくまで「乗る」ことであり、観光や美味しいものを食す事は眼中に無い。
雨風をしのげて寝れるのであれば、それ以上は何も望まない。

今回の阿房列車の旅は、宿泊施設の選定から行うことになった。

素泊まり5千円以下の格安の宿泊施設にこだわり、旅の計画を練ったのだが、これがなかなか難航した。

最初は、初めての旅 で乗車した、飯田線の6大秘境駅(千代、金野、田本、為栗、小和田、中井侍)巡りなど良いのではないか?と思っていた。
小和田駅 の今の状況も見てみたい事もある。
しかし飯田線沿線は観光地が多く、その近くの宿泊施設は結構値段が張る。
今回、飯田線は泣く泣く諦める事にした。

観光地には泊まり辛い。
かといって、ターミナル駅近辺のホテルも、決して安くは無い。
カプセルホテルと言っても、意外と割安なものが見つからない。

北陸、東海、近畿…
宿探しに少々疲れを感じてきたころだった。
東北のあるターミナル駅のすぐ側に、
「素泊まり1泊2,980円」
というビジネスホテルを見つけた。

予約は迷わず入れたが、今度はその宿を拠点にして、阿房列車の行程を立てなければいけない。
しかし、うまい具合に未乗車区間の乗り潰しが出来そうだ。

今回は、新潟から羽越本線に乗り、
山形、秋田、岩手、宮城、福島
と、東北を循環するルートになりそうだ。
しかも、羽越本線の気になる駅にも下車できそうだ。

我ながら、満足のいく運行予定ができた。



2015年7月23日
台風12号の影響により、天候は生憎の雨模様。

早朝の本庄駅。
今日も上り1番線ホームには、通勤のサラリーマンの姿が並ぶ。
本来であれば、このサラリーマンの列に私も含まれるのであるが、今日は下り3番線ホームで優雅に列車を待つ。

高崎線高崎行き列車に乗り込んでみると、18きっぷシーズンは開始されているのにもかかわらず、人はまばらであった。
平日・悪天候・学生は夏休み中という、いろんな要因が重なった結果かもしれない。


高崎駅からは馴染みの、湘南色115系、上越線水上行き列車に乗り込む。
その「1番前の車両」に乗るのはお約束である。

乗車率は6~7割程度で高崎を発車。
上越線の高崎~水上間の車窓、特に利根川の流れや、赤城の山々は見慣れているつもりである。
しかし今日は終始薄靄に包まれた状態で、これはこれで別の趣を感じ取れた。

水上から先、新潟方面に向かうには、水上で長岡行き列車へ乗り換えなければいけない。
私の乗っている車両は、水上駅1番線に到着する。
そして、水上から長岡へ向かう列車は、2番線から発車する。
1番線⇔2番線間の移動は、跨線橋を使う必要がある。
1番線の跨線橋は、停車する列車の一番先頭に位置する。
水上駅で乗り換える際は、一番前の車両に乗っていた方が乗り換えがスムーズにいく。
しかし、「長岡行きの列車で確実にシートに座る」には、それだけでは安心できない。
安心して席を取るには、跨線橋を、走って移動する事になる。
いわゆる「水上ダッシュ」だ。

もちろん私も、「水上ダッシュ」を敢行する。
水上の一つ手前の「上牧」で、私はシートから立ち上がり、1両目一番前の左側のドア前で、軽くストレッチを始める。
既に一人、私より早くドアの前でスタンバっている。

水上に着いた途端、私は手動式のドアを全開にして、右手に向かってダッシュする。
既にスタンバっていた先ほどの男に遅れを取りながらも、私はその男にくらい付いて行く。

結局2番手で、2番線に到着した。
まあ、この日は乗車率も高くなかったので、ダッシュを敢行する必要は必ずしも無かったのだが…
それを分かっていながらも、ダッシュを敢行してしまう私がいる。

こういう光景は、18きっぷシーズン、日本のいたるところで目にすることであろう。
例を挙げると、「大垣ダッシュ」「黒磯ダッシュ」「米原ダッシュ」といったところであろうか。
乗り鉄をする上での醍醐味のひとつではあるが、
くれぐれも、怪我と、周りの人に迷惑をかけないよう、注意して頂きたい。



本庄を発ってから約4時間半、曇天模様は一度も解かれることなく新津に到着した。





ここから、羽越本線の車両に乗り換える。



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