前回に引き続き、NHKの科学番組
「サイエンスZERO」で紹介されていた、
セルロースナノファイバーについて
拙ブログ「注目の新素材セルロースナノファイバーとは?(1)」
番組で取り上げていた特性は以下の3つ
1.軽くて強い
2.チクソ性
3.表面積が広い
まず、「1.軽くて強い」について
紙もセルロースナノファイバーも
同じパルプから作られるのに
どうして強度が全く違うのでしょうか?
紙はパルプの繊維を細かく分解しておらず
繊維同士の結合点が少なくて隙間が多く
強度が出せません
一方、セルロースナノファイバーは
繊維がナノサイズまで細かく分解されていて
結合点の数が数万倍も多くなるため
強度が増すのです
この軽くて強いセルロースナノファイバーの
特性を活かした産業応用の一つが、自動車
ボディに採用して、車の軽量化を図り、
燃費の向上につなげようというのですね
ただ、そのまま乾燥・固形化すると
大きさが1/10に収縮し、
形も歪んで変形してしまう欠点がありました
そこで、京都大学の 矢野浩之 教授は
収縮しづらいプラスチックを混ぜる方法に挑戦
これ、簡単ではないのです
なぜなら、
セルロースナノファイバーは水に溶けるけど
プラスチックは油の性質を持ちます
つまり、水と油で混ざりにくいのです
セルロースが水に溶けるのは
水酸基(OH基)があるから
そこで、この水酸基を
油に溶けやすい性質の物質に置換ことで
セルロースナノファイバーにプラスチックを
均一に混ぜられるようになったのです
また、
セルロースナノファイバー同士は水酸基で
くっついていたので
ファイバー同士もほぐれやすくなり
製造コストも抑えられたのでした
自動車のボディでは
ボンネットやドアへの導入が
検討されているようです
今後は、家電やスマホなどにも
利用されていくだろうとのこと
もう少し、続きます
(続く)
拙ブログ「注目の新素材セルロースナノファイバーとは?(1)」
拙ブログ「注目の新素材セルロースナノファイバーとは?(3)」
文:生塩研一
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