大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その7〉、骨描き完成!! | 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画・絵本便り

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後藤仁ブログ2~絵師(日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙)後藤仁の日本画・絵本・展覧会便り。東京藝大日本画卒,後藤純男門下。「アジア/日本の美人画」をテーマに描く。東京藝大,東京造形大講師。金唐革紙製作技術保持。日本美術家連盟,絵本学会,日中文化交流協会会員。

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN


  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、本画・骨描きの完成までの工程を、まとめています。)

                 

2021年9月27日(月)。本日は、大垣祭り「天井画」杉板絵「骨描き(こつがき/墨による最初の線描き)」を進め、『黒龍』の輪郭を全て描き終えました。今日、使用した墨は、残り少ない「瑞龍」に、「清風」を混ぜて使用しました。後は、龍の”鱗”を描いたら、骨描きは完了します。
 身辺での残念な出来事が多くて、なかなか集中しにくい今日この頃なのですが、それでも絵に向かえば、気合が入り、手先は動きます。悲しいかな、これが絵描きの性(さが)なのでしょうね・・・。  "(-""-)"



『黒龍』の輪郭部分の骨描き。


『黒龍』の輪郭部分の骨描き。


『黒龍』の輪郭部分の骨描き。


『黒龍』の顔以外の輪郭を描き終える。


『黒龍』の顔部分の骨描き。
近年ますます、髪が薄くなってきました~ 😭 。


今日、使用した画材と。


『黒龍』の輪郭部分の骨描き終了。


9月29日(水)。本日も、大垣祭り「天井画」杉板絵「骨描き(こつがき/墨による最初の線描き)」を進め、『黒龍』の鱗を描き、ひとまず「骨描き」の工程がほぼ完了しました。
 明日以降、全体を見直し、最後に ”画竜点睛” として、龍の目を古墨で描き入れようという計画です。
 予想していたのですが、やはり板の場合は、膠が和紙ほどはしみ込まないので、ドーサ(にじみ止め)のききが弱そうに感じます。その辺りも注意しながら、この後、彩色に入っていこうと思います。



『黒龍』の鱗の骨描き中。


『黒龍』の上半分の鱗の骨描き、完了!!


『黒龍』の鱗の骨描き中。


『黒龍』の鱗の骨描き中。


今日、使用した画材と。


『黒龍』の鱗の輪郭の骨描き、完了!!


10月1日(金)。本日も、『黒龍』の鱗の「骨描き」を進めました(鱗の中の年輪模様を、骨描き段階で描く事にしました)。ようやく、絵本関係の難解な交渉事も一段落したので、ここからは、やっと作画に集中できそうです ❣
 龍の鱗の中の年輪のような模様を、一枚一枚、丁寧に描き込んでいきました。やはり、この段階でも、鱗の並び方の辻褄を合わすのが難しくて、最後まで微修正を加えました。
 かなり疲労しましたが、何とか、身体の部分は描き終えました。後は、手足の鱗を完成させ、眼を入れたら、骨描きは完成となります。もう一息です~。



『黒龍』の上半身の鱗の骨描き、完了。


今日、使用した画材と。


『黒龍』の身体部分の鱗の骨描き、完了~❣


10月8日(金)。本日は、『黒龍』「骨描き(墨による最初の線描)」を進めました。
 最近、中国向け絵本原画制作の他、新たに始まった日本向け絵本制作の打ち合わせ事項も多くて、結構、多忙につき、なかなか作画が進みません・・・。(@_@)

 龍の手足の”鱗の年輪模様”の「骨描き」を終え、画竜点睛として、”龍の眼”を中国の古墨で入れ、薄墨を”龍の顔”と”姫君の髪”にほどこして、「骨描き」が完成しました!! ほんの数か所ですが、骨描きを修正する為に、僅かに板を削った箇所に、ドーサ(にじみ止めの液)を塗り直しました。

 今回使用した古墨は、私が東京藝術大学4年生の1995年8月~9月に「中国写生旅行(北京・西安)」をした時に、北京の画材店街・琉璃廠(るりしょう)で購入した大変貴重な墨です。当時は中国の物価は日本の5分の1位でしたが、この墨は確か6000円位したと記憶しています。台湾の国立故宮博物院に収蔵されている、本物の「乾隆御製詠墨詩墨」を模造した墨のようです。
 古墨をすりおろすのに用いたは、同じ旅の途中で、北京の王府井(ワンフーチン)の百貨店で購入したものです。端渓硯(たんけいけん/ただし新端渓)ですが、全体が葉っぱの形をしていて、2個の石眼(せきがん/端渓硯等に見られる緑色の斑紋)を蜘蛛に見立てた、面白い硯です。確か、日本円で1500円位はしたと記憶しています。

 9月3日から「骨描き」を開始して、1か月余りかかりましたが、なかなか迫力があって、良い感じに仕上がりました。
 この後、彩色に入ります。ますます、乞うご期待~❣❣



『黒龍』の足の鱗の年輪模様の骨描き。


古墨をする。


古墨「乾隆御製詠墨詩墨」(模造品)と「端渓硯」


古墨「乾隆御製詠墨詩墨」(模造品)と「端渓硯」


『黒龍』の眼を入れる。


『黒龍』の眼を入れる。


『黒龍』の眼を入れる。


『黒龍』の顔に、薄墨をほどこす。


「姫君」の髪に、薄墨をほどこす。


今日、使用した画材と。


”骨描き”が完成した、『黒龍と四つ姫の図』


”骨描き”が完成した、『黒龍と四つ姫の図』と、私・後藤 仁。