東京藝術大学デザイン科「後藤 仁 金唐革紙・絵本 特別講義2021」開催!! | 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画・絵本便り

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後藤仁ブログ2~絵師(日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙)後藤仁の日本画・絵本・展覧会便り。東京藝大日本画卒,後藤純男門下。「アジア/日本の美人画」をテーマに描く。東京藝大,東京造形大講師。金唐革紙製作技術保持。日本美術家連盟,絵本学会,日中文化交流協会会員。

 2021年11月10日(水)は、東京藝術大学 大学院(美術学部デザイン科・アート アンド デザイン/押元一敏 准教授)にて、『後藤 仁 金唐革紙・絵本 特別講義』(1時限目、金唐革紙講義/2時限目、絵本講義)を開催いたしました。

 早めに上野に着いたので、谷中霊園で昼食のおにぎり・パンを食べてから(講師業は人前に出る仕事なので、コロナ禍の余波に配慮して、まだ、外食は控えています)、谷中霊園内を散歩しました。色々な種類の竹垣を見物し、徳川慶喜の墓にお参りしました。秋の彩りが、霊園を美しく演出しています。
 その後、日本画画材専門店の「金開堂」と「得応軒」で、絵筆と岩絵の具と膠を買い足しました。この辺りの日本画画材店には、大学時代から通っていますので、30年以上のお付き合いになります。使ってみたい綺麗な岩絵の具は、まだまだ、たくさんありますが、予算に限界があります~。 (;''∀'')ノ
 


谷中霊園にて、後藤 仁。 昼食後の静かな一時・・・、すてきな時間だ・・・・。


谷中霊園、竹垣と石碑


谷中霊園、徳川慶喜の墓


日本画画材店・得応軒


日本画画材店・金開堂


 私の担当する講義は、午後の授業です。上野公園の東京藝術大学に到着し、美術学部 デザイン科の教官室に向かいます。昨年は、完全なリモート授業だったので、学生達の顔が見えずに・反応も分からずに講義がやりにくかったので、コロナ禍も考慮して、今回は、対面(教室)とリモート(オンライン)の複合形式(選択自由)で授業を行う事になりました。旧岩崎邸の見学には、まだ人数制限等があるので、昨年同様、今回も旧岩崎邸での見学は無しにして、1時限目は「金唐革紙 講義」、2時限目は「絵本 講義」という、二部構成にしました。
 今回の講義場所は、通常、学科の授業で使用する美術学部・共同講義室になりました。この教室は、私が大学時代に学科の授業でも使った事があるので、私がここで講義をする日が来るとは、懐かしく・妙な感じがしました・・・。
 
 アート アンド デザイン、受講学生は35名余り在籍しているそうですが、本日の対面授業には10名程が参加し、残りの人はリモートで授業を受けたようです。
 講義では、普段は、ほぼ一般公開する事のない、超貴重な、「金唐革紙(きんからかわし/国選定保存技術の手製高級壁紙)」や、「絵本」原画・ダミー・ラフスケッチ・スケッチブック・色校正 等の実物・画像をお見せしながら進めました。「金唐革紙」では、国重要文化財の入船山記念館(広島県呉市)、移情閣・孫文記念館(兵庫県神戸市)、旧岩崎邸(東京都台東区)のものを中心に講義をし、「絵本」では、私の作画絵本
『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)を中心に、制作過程を詳細に解説しました。



東京藝術大学 正門


東京藝術大学 正門



1時限目、金唐革紙講義。 金唐革紙の実物をお見せしている。(撮影: デザイン科 助手 安西佐織さん)


1時限目、金唐革紙講義


1時限目、金唐革紙講義。 押元一敏 デザイン科 准教授



2時限目、絵本講義。 絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)の、原画・ダミー・ラフスケッチ・スケッチブック・色校正 等をお見せしている。


2時限目、絵本講義


2時限目、絵本講義。 絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)の表紙原画を解説。


2時限目、絵本講義


絵本『犬になった王子 チベットの民話』
絵本『犬になった王子 チベットの民話』 (君島久子 文、後藤 仁 絵/岩波書店)

岩波書店 公式サイト ― 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html
○アマゾン Amazon ― 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/


 私の講義は内容が盛り沢山なので、いつもながら、最後は時間が押してしまう感じで、バタバタになってしまいます。それでも、お伝えしたい事は、だいたいお話できたと思います。中国や台湾からの留学生もいて、作品を熱心に見たり・質問をする学生もいて、やはり”教育・学問”とは、人と人とが同じ空間で、相手の熱量を感じながら行うのが一番なのだと、再認識しました。
 今の厳しき日本や世界の生活・経済状況においても、この若き学生達の中から、日本の将来の文化・芸術・経済を背負って立つ人材が出てくる事を願いつつ、今年も、私の拙い講義を終えました・・・。

 絵師(日本画家・絵本画家)後藤 仁