政策の哲学

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中野剛志さんの本だから読みやすいだろうと思ったら、哲学書で、非常に難解だった。(笑)

完成に30年もかかってしまったというから、それを2日間で理解できるはずもない。(笑)

哲学的思考ができる方にはお勧めするが、私のように哲学というものは「屁理屈を捏ねまわしているだけの学問」だと感じているものには理解しづらいであろう。

まあ、哲学も真理に到達するための学問と捉えれば、分からないものが分かるために思考を重ねていると考えれば可愛いものである。

哲学的思考のできない方でも第九章の財政哲学はおすすめである。

第九章の要点はこうである。

銀行は銀行預金を集めて貸している(貸付資金説)のではなく、家計や企業に貸し出すことで銀行預金を創造している(信用創造論)のである。

変動相場制における主権通貨国は自国通貨建て国債の償還に困ることはなく、債務不履行の可能性はない。

通貨発行権のある政府の財政が赤字か黒字かという問題はなく、国民経済が適切に発展しているかどうかが問題である。

アダム・スミスに淵源を持つ主流派経済学はありえないことを前提にしているので科学とは言えない。