【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

研究は戦争を止められない!!/廣瀬陽子(01/27) _学究達=465

2023-05-27 05:30:17 | 冒険記譜・挑戦者達

ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年05月27日<ⰧⰊⰧ
◆ 陸軍の軍人さんがこっそり黒竜江省へハイキングしていたところ、中国軍がスパイと認識し嬲り殺しにする(1931年=中村大尉事件)。◆ 練馬区の不動産屋が、不法に物件を占有している一家を血祭りに挙げて退去させることに成功(1983年)。◆ 松本智津夫が、ビートたけしの向こうを張って自分の名前と同じ都市で毒ガスパフォーマンス(1994年=松本サリン事件)。

本日記載附録(ブログ)

ロシアがウクライナに侵攻した背景とその行方を広厚に理解すべく、旧ソ連諸国紛争や「未承認国家」「ハイブリッド戦争」の著作

日本の政治学者=国際政治・比較政治学・コーカサス地域が研究テーマ

=黒海地域の国際関係・政治経済変動などが主な業績=

研究課題“ロシアのハイブリッド戦争とその影響”/‘14年12月以降 継続中

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

廣瀬陽子(01/nx)

◇◆ 第1回 旧ソ連諸国の紛争の専門家がみるウクライナ侵攻とその行方 =1/2= ◆◇

「2月24日、目覚めると世界が変わっていた」

 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)のメディアセンター所長/総合政策学部教授である廣瀬陽子さんは、今年4月、つまり、年度のはじめの時期に、大学ウェブサイトの「おかしら日記」記事の冒頭で、そう書いた。

 2022年2月24日とは、ロシアがウクライナに対する「特別軍事作戦」を宣言し、侵攻を開始した日である。日本に住む多くの人々は、その件を、2月24日の朝、新聞、テレビ、ネットなどのニュースで知り、「ロシアがウクライナに対して戦争をしかけた」と認識したことだろう。廣瀬さんは、同記事で「全く大義のない戦争が始まった」と端的に表現した。

 ロシアのプーチン大統領が国営テレビを通じて行った緊急演説(NHK訳)によると、その目的は、「ウクライナ政府によって虐げられ、ジェノサイドにさらされてきた人々を保護すること」や「ウクライナの非ナチ化と、非軍事化」だという。「流血のすべての責任は、全面的に、完全に、ウクライナの領土を統治する政権の良心にかかっている」とした上で、「ロシアは世界で最も強力な核保有国の一つ」であり、「我が国への直接攻撃は、どんな潜在的な侵略者に対しても、壊滅と悲惨な結果をもたらすであろう」と警告した。

 つまり、プーチン大統領は、単に隣国への攻撃を指示するだけでなく、世界に対して「核の脅し」を明示的に語ったのである。よく語られる「核抑止論」(核兵器は強力すぎ、使用すると破滅的な被害をもたらすので、核保有国が相互に使うことをためらい、むしろ戦争を抑止するという考え)が成り立たず、むしろ、核保有国であるがゆえの「脅し」をきかせながら、隣国へ侵攻する姿勢は世界を震撼させた。

 普段から国際関係に鋭敏なアンテナを張っている人でもない限り、なぜ、この時期に、こういったことが起きたのか、唐突感をいなめず、困惑することになっただろう。

 一方、ロシアとその周辺の旧ソ連国家の関係を専門とする廣瀬さんにとっては、さらに大きな衝撃だったという。「目覚めると世界が変わっていた」とまで語ったそのあとには、このように書き連ねた。

「その日、私は重要な研究対象の一つを失い、これまでの研究人生で構築してきたセオリーは水泡と化した」

「前夜まで、私は「侵攻はない」と自信を持って主張していたのだ。しかし、侵攻は起きてしまった。その時、「私が知っている」ロシアは消滅し、私が構築してきた議論も崩壊した。自分の長年の研究は何だったのだろうか、そして人間は戦争を防げないのか、という絶望的な気持ちに苛まれた」

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

【参考資料】 : ロシアとウクライナが「こじれた」複雑すぎる経緯(1/5)

Ω・Ω・Ω 歴史で紐解く「ウクライナは民族国家なのか」 Ω・Ω・Ω

=東洋経済ONLINE /政治・経済;ウクライナ侵攻、危機の本質= 的場昭弘: 哲学者、経済学者=

--- ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。一方で、これまでのロシアとウクライナの対立の起源はわかりにくい。日本を代表するマルクス研究者で欧州史、欧州思想にも詳しい神奈川大学副学長の的場昭弘氏が、今回の問題と対立の起源を歴史的文脈から解説する。 2022/02/25---

ウクライナに住む当事者の立場を見ること

今にもウクライナで戦争が起きそうだと大手メディアはかき立てている。残念ながら、すでに、ロシアは独立を求めるウクライナの親ロシアのドンバスの2つの共和国に侵攻してしまった。首都キエフなどでも戦闘が行われている。ロシアとウクライナの対立の小さな火を、扇で仰いでしまったようである。コロナ禍によって世界で多くの人が亡くなっている最中、むしろ世界の協力と平和を求めるべきなのに、第三次大戦になりそうな戦争の可能性をマスコミも大国の外交もあおってしまったのだ。いったい、世界はどうなってしまったのか。

ウクライナ問題は根の深い問題である。歴史をさかのぼればさかのぼるほど、一筋縄ではいかない問題であることが見えるはずだ。この問題を考える際に、まず考えねばならないのは、ロシアの主張は本当に不当なのかどうかである。思考停止は、最初から偏見を持つことにある。相手の立場に立って見ることも重要だ。さらにはウクライナの人々、ウクライナのロシア人、ポーランド人、そのほか普通の人々の立場に立って冷静に見ることも重要だ。

もちろん、ここでロシア政府とロシア人を同じものだと考えてはいけない。またウクライナ政府とウクライナ人(大半はロシア人だが)を同じものだと考えてはならない。ウクライナ問題の中でまったく見えてこないのは、ウクライナに住む人々の声だ。とりわけ問題のドンバス地域に住む人々の声だ。当事者抜きで、アメリカ、ロシア、ウクライナといった国家レベルだけで考えれば、住民の望むところは理解できない。

帝政ロシア時代の哲学者、作家で、『向こう岸から』を書いたアレクサンドル・ゲルツェン(1812~1870年)は、西欧の向こう岸から世界を見ればどうなるかについて書いた人物だが、彼のいう「向こう岸」は東欧にあるロシア政府ではなく、ロシアの農民であった。彼は当時のヨーロッパの良識の代表でもあった歴史家のミシュレによる、ロシア人は野蛮であるという一方的な評価に対して、彼への書簡の中でこう述べている。

「人がロシアについて語る場合にはもはや、その場にいないもの、答えることのできないもの、耳が聞こえないでかつ口がきけないものについてのように語るわけにはいかないのだということをヨーロッパに明かにするときがきたのである」(「ロシヤ民族と社会主義 ミシュレへの手紙」金子幸彦訳、世界大思想全集、哲学文芸思想篇、27巻、河出書房、1954年、155ページ)。

彼は、当事者であるロシア人の声を聞けといっているのだ。当事者とは、フランス政府でも、ロシア政府でもなく、そこに住むロシア人の農民のことである。

どこまで歴史をさかのぼるかによって、その国家も民族も、その存在を正当化することも、また否定することも可能だ。どの国家や民族も昔からずっと存在してきているわけではなく、想像されたものであることは、疑いない。国民国家とは「想像の共同体」にすぎない。

19世紀の半ばから歴史を始めれば、なるほどウクライナは独立した民族であり、独立した言語をもつ、国家である。しかし、それ以前にさかのぼれば、小ロシアにしかすぎない、いやさらにローマ帝国崩壊後、北方から侵入したルーシ族が創設したキエフ公国までさかのぼればロシア人の起源はウクライナだといえないこともない。

・・・・・・・・明日に続く

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森のなかえ

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