【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

めくるめく知のフロンティア・学究達 =160= /吉田憲司(01/15)

2021-04-10 06:13:43 | 浪漫紀行・漫遊之譜

仮面ライダー? 月光仮面? なまはげ? それともプリキュア?

連想ゲイムで並んだ語彙の共通点は、顔面に装着する仮面であろう……

アフリカの仮面に魅せられて、ザンビアの秘密結社に参加したレアでディープな体験から、

アフリカの仮面の魂と真実にたどりついた吉田憲司

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

吉田憲司(01) / ライダー、プリキュア、アフリカの仮面 =1/2= ◆◇

 仮面、と聞いて、何を想起するだろうか。

 1960年代生まれのぼくの世代だと、まずは「仮面ライダー」か。「仮面の忍者赤影」というのもあったっけ。いずれも、タイトルに「仮面」が入っていたことが強く印象に残っている。さらに、50年代生まれの知人に聞いたところ、回答は「月光仮面」だった。

 なぜか、ぼくたちの社会では、仮面は大抵、メディアの中で登場する。もちろん、能のような面(仮面)を使う伝統芸能はあるし、なまはげやら獅子舞やらお祭り中でも見られる。しかし、日常的に接するのはメディアの中で発展してきた「なんとか仮面」の末裔たちだ。

 なお、ぼくの知っている小学2年生女子に、仮面が出てくる話はどんなものを知っているかと聞いたら「プリキュア」と答えた。たしかに敵役に仮面めいた風貌の連中がいるのは知っている。でも、それよりも、変身してコスチュームに身を包むヒロインたちに「仮面」を感じたらしい。これは実に筋の良い回答だと、後々分かるのだが、このときは、「それ、仮面じゃないよ」と指摘してしまった。

 メディアの中ではなく、仮面が今もリアルに「生きている」社会があるという。

 とりわけ、「アフリカの仮面」は、「生きている」存在感を強烈に放っているように思える。ニューヨークに住んでいた時、知り合いにコレクターがいて、蒐集したアフリカ由来の仮面をひとつひとつ愛しげに語ってくれたことがある。文化人類学的な背景まで得々と語る、固執に似た愛情にたじたじになったっけ。博物館でも、壁にだーっと展示されているのを見て、それぞれが使われる局面を想像してみたり、もっと言えば、自分が被ってみたらどんな気分だろうと考えたりして、妙にそわそわした気分になったことも。

 そのような個人的背景もあって、「アフリカの仮面」研究の第一人者、国立民族学博物館の吉田憲司教授を訪ねる機会を得たのは、とても嬉しいことなのだった。

 国立民族学博物館は、1970年に大阪で開かれた日本万国博覧会の跡地、万博公園の中にある。異形の仮面を想起させる、かの「太陽の塔」を見つつ進むと、重厚なたたずまいの博物館が見えてきた。展示スペースには立ち寄らず、何はともあれ上階の研究室へ向かった。

 さて、いざ、吉田教授に会って、お話を伺おうとしたところ、自分が抱いている興味が実に曖昧模糊としていることに気づいた。それこそ、「仮面って、なんなんでしょうね」といった間抜けなことしか頭に浮かんでこなかった。そのため、吉田さんが、語ってくれる話をうかがいつつ、自分が「アフリカの仮面」にひっかかりを覚えた理由が、ゆるゆると焦点を結ぶのを待つよりなかった。

「仮面って、どこにでもあるわけじゃないんです」とまず吉田さんは言った。

「日本を見渡してみても、仮面をもったお祭りがある集落と、仮面を全然もたない集落があります。世界でも、社会によって仮面を使うところと使わないところと、はっきり区別があります。たとえば、太平洋の島々でも、ミクロネシア、ポリネシアには仮面をつくる習慣はなく、メラネシアでしか使われていないんです」

 新鮮な驚きだった。

・・・・・・明日に続く・・・

■□参考資料: みんぱく吉田館長インタビュー (1/5) □■

地球全体の民族学・文化人類学を網羅した、これだけユニークな組織はどこにもない。

世界中の文化人類学・民族学の展示をしている国立民族学博物館(みんぱく)。今年で会館40周年になるみんぱくは、約34万5千点の資料が収蔵されており、内1万2千点が展示されている世界最大級の民族学の博物館です。初代館長の梅棹忠夫氏からはじまり、2017年4月に就任された6代目の吉田憲司館長。吉田館長の視点から、みんぱく、そして博物館の未来をお話ししていただきました。…………

みんぱくは博物館を持った研究所。 / ここが他の博物館とは大きく異なるところです。

国立民族学博物館(以下、みんぱく)は、博物館という名前が付いていますが、難しく言うと国立大学法人法のもとにつくられた大学共同利用機関。簡単に言うと研究所です。何を研究しているのかというと文化人類学・民族学で、これらを大学の人たちと共同研究して、その成果を発表する場所として博物館の機能を持っています。

それと意外と知られていないもうひとつの側面があり、それは国立総合研究大学院大学文化科学研究科の2つの専攻、地域文化学と比較文化学の後期博士課程を教育する大学院大学であること。一般の人が入れるのは博物館だけなので、みんぱくがこのような組織であることはあまり知られていないのです。みんぱくの展示は研究成果の公開の場。ここがトーハク(東京国立博物館)やキョーハク(京都国立博物館)などの国立博物館との大きな違いです。

みんぱくは今年で開館40周年を迎えました。私が着任してもう少しで30年になります。実は、1977年に開館する前からアフリカに関する共同研究がスタートしていました。私の大学時代の先輩がみんぱくの助教授になって共同研究を主宰していた縁があり、見習いとして手伝い始めたのが私とみんぱくとの出会いです。なので、その頃を含めると私とみんぱくとの付き合いは40年になります。

みんぱくが保有している約34万5000点ものコレクションは、20世紀後半以降に築かれた民族誌資料のものとしては世界最大の規模を誇ります。研究者がフィールドワークを通じて持ち帰ったものや寄贈されたものが多いのですが、開館時に核となった古いコレクションがいくつかあります。そのひとつが、旧東京帝国大学の人類学教室(現東京大学理学部)の資料で、考古学系のものが東大に残り、民族学系のものがみんぱくに寄贈されました。・・・・・・明日に続く

国立民族学博物館の奇妙で不気味な人形達 

動画のURL: https://youtu.be/BEqVN0u--I8 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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