【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

めくるめく知のフロンティア・学究達 =163= /吉田憲司(04/15)

2021-04-17 06:42:56 | 浪漫紀行・漫遊之譜

仮面ライダー? 月光仮面? なまはげ? それともプリキュア?

連想ゲイムで並んだ語彙の共通点は、顔面に装着する仮面であろう……

アフリカの仮面に魅せられて、ザンビアの秘密結社に参加したレアでディープな体験から、

アフリカの仮面の魂と真実にたどりついた吉田憲司

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

吉田憲司(04) / 割礼か、むち打ちか =2/3= ◆◇

 1978年から79年、探検部を母体に調査隊を組織し、スーダン南部の仮面を作っている地域を目指してはじめてアフリカにわたった。その時、吉田さんは調査の途中で、マラリアにかかってしまい、結局、最初に入った牧畜社会の研究をしただけで帰らざるをえなかった。その分、仮面への思いはつのった。

「大学院で大阪大に移ってからも、ますます仮面への関心が強くなりました。本格的に仮面の研究をやりたいと。アフリカの場合は、西アフリカのほうが仮面の研究が進んでいたんですが、東に行くと、そもそも仮面をもっている社会がどれだけあるのかすらわかっていませんでした。だから、東アフリカのザンビアを選んで、2年間、妻と一緒に村に住み込んだんです」

 ちなみに、ザンビアで仮面をもつ民族集団には、選択肢として2つあったという。

「ザンビアの北西部仮面結社があるのは知られていたので、最初はそこへ行こうと思っていたんです。しかし現地に入ってみると、東部州にあるチェワというグループにも仮面があるらしい。仮面結社というのは、一種の秘密結社ですから、イニシエーションを受けて加入しないといけないんですが、北西部では割礼があるんです。チェワの場合は割礼ではなく、むち打ちなんで、切られるよりはまだ叩かれるほうがましだという、かなり現実的な理由で選んだというところがあります(笑)」

 もっとも外国人が突然やってきて、地元の「秘密結社」に入れてもらえるわけでもない。当初、吉田さんは貸してもらった畑で作物を作るばかりの日々が続いたという。

「いきなり日本の人類学者が来て、チェワの文化を学びたいと言っても現地の人はなんのことかよくわからないですよね。ザンビアではバイクがみんな──スズキであろうがカワサキであろうが──「ホンダ」と呼ばれていまして、日本から来たと言うと「おまえがホンダをつくってるのか」と言われるくらいで。まず村長と、地域を束ねるチーフに許可を得て村に住み込みました。その段階では言葉がわかりませんから、村人の中で英語がしゃべれる男性にアシスタントをやってもらって。彼の家族で空いていた家を1つ借りて……と、まあ、そんな形で暮らし始めたんです」

 この時点での吉田さんの立場は、こと仮面結社に関しては、「女性と子ども」と一緒だ。

「チェワの仮面結社は、主に葬儀の場面で、仮面舞踊を演じます。踊り手のことをニャウと言うんですが、「あれはなに?」と聞いても、「ニャウだ」としか教えてもらえません。あるとき、踊り手の仮面が外れそうになって、その後、森の方から平手打ちする音が聞こえてきたんです。「仮面を外しそうになって失敗した人が制裁されたのか」と聞いても、あくまで「ニャウは人間ではない」という……」

・・・・・・明日に続くに・・・

■□参考資料: みんぱく吉田館長インタビュー (4/5) □■

美術館と博物館にはそれぞれ役割があり、その区別をなくすべきと考えているわけではありません。その区別の上に、さらに“他の区別”が乗っかってきていることが問題だと感じています。“他の区別”とは、西洋のものは美術館へ、非西洋のものは博物館へ収蔵されることが多いということ。ヨーロッパに行くと日本のものは博物館にあります。つまり、西洋人にとって自分たちのものは美術館に、それ以外のものは博物館に展示しているのです。非西洋のものは、美術鑑賞としての対象ではなく、異文化を知るための知識としての対象でしかないということ。このような区別があるため、美術館、博物館のそれぞれの中では世界の半分しか見えないと感じるのです。ヨーロッパの作家がつくったものが博物館に入ってもいいし、アフリカでつくたられたものが美術館に収蔵されてもいいはず。美術館と博物館の違いは、コレクションの違いではなく対象物に対するアプローチの違いでしかないと思っています。

だから、私は博物館でつくった展示を美術館に持っていきます。1997年の大英博物館のコレクションによる『異文化へのまなざし』がその最初です。みんぱくの後に東京の世田谷美術館に持って行きました。2008年の『アジアとヨーロッパの肖像』は、アジアとヨーロッパの計18ヶ国のキュレーターと共同で企画したものですが、同一期間に同一タイトルで美術館と博物館で開催したもの。

関西ではみんぱくと国立国際美術館で、関東では神奈川県立近代美術館葉山館と神奈川県立歴史博物館で行いました。この企画は海外でもコンセプトを巡回させて、ロンドンとマニラで実施しています。2014年の『イメージの力―国立民族学博物館コレクションにさぐる』は、すべてみんぱくの収蔵品で構成されていますが、東京の国立新美術館で開催した後に、それを丸ごとみんぱくでも展示。こうした取り組みによって、美術館と博物館の区別を改めて考え直す機会になっているのではないかと思います。

展示作品から次の行動を生み出す力で、フォーラム型情報ミュージアムを目指したい。

2014年からスタートしたナレッジキャピタル(グランフロント大阪)での連続講座や、あべのハルカスでの講演『地球探検紀行』などの外部活動を通じて、新たなファンを獲得。みんぱくにも若い女性が多く来館してくれるようになりましたが、梅田や天王寺までは来てくれるものの、千里中央を超えて万博公園まで来てくれる人はまだまだ少ない状況です。潜在的にはどこにもないような情報がみんぱくには詰まっていて、その蓄積した内容は間違いなく世界第一級レベル。・・・・・・明日に続く

lumix 国立民族博物館 万博 大阪 DMC-GX1 

動画のURL: https://youtu.be/-yufeSY_Yvo 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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