お 前 は や っ ぱ り 見 ら れ て い る(御岳山&御岳渓谷) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

石砂山に登ったその次の日に、

昨年の4月に行きそこなった御岳山へ足を運びました。

標高は約929mと埼玉県県民の森とほぼ同じくらいであり

開花シーズンが思い切り前倒しされた本年であっても

4月4日の時点でまだ多数のカタクリが残っていました。

 

あまりに数が多いためか、園路にはみ出ている株も。(右写真)

歩く際には一応足元に注意した方がよさそうです。

 

 

 

 

 

山頂付近にマヒワの集団が現れました。

このあと、御嶽神社方面からいつものコースを歩いている間も

コンスタントにマヒワが現れましたので

今冬は本当に数が多かったんだなと改めて実感しました。

 

山頂にはバードウォッチャーの数も多く

皆様曰くやはり「多かった」とのことです。

 

 

 

 

 

キクザキイチゲ。でもこれは民家のすぐ近くの

法面で見かけたものなので、植栽されたものかも。

 

 

 

 

 

トルコ石のような謎の実。

 

 

 

 

 

 

御嶽神社から山道に入ると、沢に近づいていくに連れて

毒草 ハシリドコロの数が増えていきます。

ナス科の植物であり、花の形なんかがまさにソレ。

一昨年ここで群生しているのをUPしましたが

やはり今年も健在でした。 当たり前だが食ってはいけない

 

 

 

 

 

 

渓流沿いでは、またコツバメに会えないかなと期待していたのですが

残念ながらこの日は途中から雨が降るなど天候に恵まれず

昆虫はほとんど期待できそうになく……。

右のルリシジミは岩陰でジッとしており、微動だにしませんでした。

チョウにとってはとりわけ雨天は厳しいみたいですね。

 

 

 

 

 

山道で見かけたエンレイソウ

地味ですが、滅多に見る機会がないので嬉しいところ。

花は地味ですが株そのものは大きいので

この独特の葉の形を覚えていれば、識別もできるはずです。

 

 

 

 

 

岩の上でこれまたジッとしていた、大変地味な昆虫。

カゲロウとかの系統だろうとは予想していましたが

正体はタニガワトビケラ(の一種)。地味ですが新顔です。

 

遭遇率・・・2 (何とも判断し難いが清流でないと居ないっぽい)

インパクト・・・1 (地味&小型)

美しさ・・・2 (しつこい気がするが地味)

俊敏性・・・3 (この系統の昆虫は早く飛べない)

知名度・・・1 (マニアでないと恐らく知らない)

 

名前にもある通り「谷川」を好む模様。

トンボと同じく水中で幼虫期を過ごすのですが

そこいらにいるヤゴと違って環境変化にも相当敏感なのか

このような清流の流れる上流域にしかいないようです。

 

 

 

 

 

今度こそカゲロウの仲間……だとは思うのですが

こちらについては種名が判然としませんでした。

ただ、タニガワトビケラと同じく

清流でないと観察できない昆虫だろうとは思います。

 

 

 

 

 

遥か遠方に一瞬だけ現れたトラツグミ

暖かくなったので平地から戻ってきたのかもしれません。

口に咥えているのは何だろうか? ミミズ?

 

 

 

 

 

渓流の中腹付近にて遭遇した、

妙に人を恐れないミソサザイ

おかげさまで今までにない良い写りとなりました。

このあと、同じ渓流沿いで小刻みに居場所を変えながら

それでも逃げることはなく何度もシャッターチャンスがありました。

 

 

 

 

 

後ろ向きになってしまったのが残念ですが

囀っているシーンも撮影することができました。

でもメスは来ませんでした

 

 

 

 

 

巨大なカツラ(桂)の木。

根元にいる人との差が半端ないです。

 

 

 

 

 

 

山道で見かけたカタクリ(左)とアズマイチゲ(右)。

先日の埼玉県県民の森で自生のアズマイチゲを撮りましたが

御岳山ではあの時以上に株が多かった気がします。

カタクリは、タイミング的には「ドンピシャ」だったかも?

 

 

 

 

 

フデリンドウ。山道の一角で群落を作っていました。

このほかギンリョウソウやナガバノスミレサイシンなど

石砂山でも観察できた植物を複数確認しています。

 

 

 

 

 

!?

そこにいるのはイノシシか? それともKUMAか?

山道の上方にいきなり現れた巨大な哺乳類に

恐る恐るカメラを向けましたが……実はコレはカモシカ

前回と違って全身を捉えることは叶いませんでしたが

出合えること自体が嬉しい生きものです。

イノシシじゃなくてホッとしたようなガッカリしたような

 

 

 

 

 

上手いこと気づかれないように撮ろうと思いきや

あちらは既に私の存在に気づいていました。

遠距離且つ物陰からではありますが

それでも真顔で見られるというのは身が引き締まるもの。

やっぱ野生生物相手に「気づかれず」というのは難しい模様。

 

ちなみにKUMAやイノシシが現れた際には

変に目を逸らして逃げてはいけない……と聞きます。

カモシカは大人しく、積極的に人に向かってくることはないようですが

一応用心に越したことはないでしょう。

 

なお、御岳山では一番遭遇しやすい哺乳類みたいです。

 

 

 

 

 

山道からケーブルカーの駅まで戻ってきたところで

再びマヒワに遭遇しました。

鮮やかな黄色はオスの特徴。以前の秋ヶ瀬公園とは違い

この日はオスの方が多くエンカウントした気がします。

 

 

 

 

 

 

ケーブルカーで下山し、徒歩で御岳渓谷へ。

川沿いにはニリンソウが結構な数群生していました。

やはり川沿いのじめじめした環境を好むようです。

 

 

 

 

 

 

渓谷沿いのシダにて、イカリモンガを発見。

こんなところで何しているのか……と思いきや

どうやら卵を産んでいたようです。

 

食草としてのイメージがどうにも湧きにくいのですが

イカリモンガの幼虫はシダの葉を主食としているのだとか。

気になってWikiで検索し、この日初めて知りました。

 

 

 

 

 

産卵後と思われるイカリモンガをクローズアップ。

顔の形がテングチョウによく似ており

知らない人が見ればチョウと勘違いしそうです。

実際、一部のジャノメチョウ等よりも色が美しく

昼間活発に飛ぶこともあって誤認しやすいと聞きます。

 

 

 

 

 

岩場にはユキヤナギが多数確認できました。

公園などによく植栽されるこの植物ですが

こんな過酷な場所で自生していたのは初めて見ました。

園芸植物のように見えて、かなりタフなようです。

 

 

 

 

 

キセキレイのオス。喉元が黒いのが特徴。

普段はメスの方が圧倒的に遭遇率が高い気がします。

一瞬珍鳥かと思って連写してしまいました

 

 

 

 

 

で、最後は昨年同様に澤乃井園で木綿豆腐を食べ

御岳山&御岳渓谷を後にしました。

 

 

 

 

【4/4 御岳山&御岳渓谷で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、エナガ、カワウ、キジバト、キセキレイ、コガラ、シジュウカラ、ツグミ、ツバメ、トビ、トラツグミ、ハクセキレイ、ヒガラ、ヒヨドリ、ホオジロ、マヒワ、ミソサザイ、メジロ、ヤマガラ

昆虫類・・・アメンボ、イカリモンガ、カゲロウの一種、キタキチョウ、キタテハ、クシヒゲベニボタル、コガタルリハムシ、セグロアシナガバチ、タニガワトビゲラ、ツマグロオオヨコバイ、ヒシバッタ、ムラサキシジミ、モモブトカミキリモドキ、モンシロチョウ、ヤマトアシナガバチ、ルリシジミ、ルリタテハ

その他・・・ニホンカモシカ、ヤマメ(幼魚)

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年5月15日(土)16日(日)に開催いたします。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。