寸胴高速飛行体とハイパースリムボディ(埼玉県内某所) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

4月最終日、ちょうどよい晴天だったので

毎年足を運んでいる埼玉県内某所にて

毎年撮っているキバネツノトンボの撮影に臨みました。

駅ビルではチョウゲンボウに遭遇し

何となく幸先よさそうです。

(前にも会ったチョウゲンボウでしょうか?)

 

今回は小粒ながらも新顔も幾つか撮れて

写真点数も多いため、サクサク進めさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

撮影スポットまでは荒川沿いを徒歩で移動。

道中では水浴びするイワツバメに遭遇しました。

(泥浴びだったかもしれませんが)

 

 

 

 

 

草原と森林がちょうど半々くらいの割合で

広がっているこのスポット。キバネryはこういう森ではなく

開けた草原を好みますので、居場所さえ知っていれば

ぶっちゃけ撮影は簡単です。個体数も多いですしね。

 

 

 

 

 

この界隈はなぜか白藤が多い模様。

あまり嗅ぐ機会はないかもしれませんが

香りもよく、昆虫を呼ぶ効果も高いようです。

 

 

 

 

 

これはハッカハムシ

昨年、狭山丘陵で撮影したハムシですね。

数ある日本の昆虫の中でも数少ない

純然たる「銀色」というのが特徴。

あまり会う機会はないようですので

見かけたら忘れずに撮影を!

 

 

 

 

 

 

ツマキチョウ。左が♂、右が♀。

最近数が少なくなりつつあるようですが

こちらの公園では健在の様子。

 

 

 

 

 

翅を開いているのでわかりにくいかもしれませんが

これはギンイチモンジセセリですね。

前日が悪天候だった中で今回は陽が出ていたからか

ご開帳で日光浴中みたいです。

 

 

 

 

 

ここから新顔3連続です。

まずはバラルリツツハムシ

イタドリやサクラ、フジなどと食草が幅広く

ゆえに林縁部では大して珍しくないようです。

 

遭遇率・・・3 (自然度の高い林縁部では普通種)

インパクト・・・1 (かなり小型)

美しさ・・・4 (メタリックグリーンで美しい)

俊敏性・・・4 (飛ぶ時は早い模様)

知名度・・・2 (図鑑には掲載されています)

 

 

 

 

 

こちらはミカドトックリバチ

いわゆる狩りバチの一種ですね。

当初、スズバチかと思っていたので

あまり真剣に撮影しませんでした。残念……。

 

遭遇率・・・2 (トックリバチの系統では普通種)

インパクト・・・2 (特徴的な体型)

美しさ・・・2 (黄色いライン以外は地味)

俊敏性・・・4 (ハチなので)

知名度・・・2 (図鑑には掲載されています)

 

 

 

 

 

新顔3つ目。この日の新顔勢の中では

恐らく一番の「大物」です。

ホソミイトトンボといい、ただでさえ細長い

イトトンボの中でもとりわけスリムな体型。

何となく、腹部が他のイトトンボと比較して

長いような気がしますね。

 

遭遇率・・・1 (昆虫エクスプローラでは★1)

インパクト・・・3 (細長い腹部が特徴)

美しさ・・・4 (スリムな体型と青色が美しい)

俊敏性・・・3 (この系統のトンボの常で、あまり早くは飛ばない)

知名度・・・2 (図鑑には掲載されていますが……)

 

腹部の長さの比率で識別……というのは

他のイトトンボが近くにいないと難しいみたいなので

頭部の青い紋の形・大きさで判断しました。

 

 

 

 

 

 

 

これはコジャノメ……だと思いますが

色合いがちょっと独特といいますか……

こんなに内側の翅の黒色が濃いのは

ちょっと見たことなかったかもしれません。

 

 

 

 

 

 

ビロウドコガネ(左)と

交尾中のクロボシツツハムシ(右)。

この界隈では割とメジャーな甲虫です。

 

 

 

 

 

ハルジオン(外来種)で吸蜜する

マドガ(日本固有種)を撮影。

地味な蛾だけれど(模様は結構派手ですが)

日本にしかいないと思うと不思議と愛着が……。

 

 

 

 

 

ヨツボシトンボにも遭遇しました。

ここのところ毎年撮れていますね。

出現ポイントも前年までと同じです。

 

 

 

 

 

ハムシの仲間を捕食するアカヘリサシガメ

人の皮膚すらも貫く鋭い口吻の前には

ハムシの装甲も役に立たないようです。

 

 

 

 

 

で、最後に本命のキバネツノトンボです。

昨年訪問時より1週間弱遅かったのですが

まだ羽化したばかりと思われる個体も

結構見られ、最盛期一歩手前という印象。

やはり寒い日が続いたことで出現が遅れたのかも?

 

この写真の個体も羽化したて。

手に乗せてやるとしばし歩き回った後に

激しく羽ばたいて飛んでいきました。

 

 

 

 

 

指先から羽ばたく5秒前。

前翅を羽ばたかせているのがわかるでしょうか?

 

飛び回る際にはとかく俊敏で力強く、

耳元を飛ぶと羽音がハッキリと聞こえるのが

キバネツノトンボの特徴。

トンボのような素早さと獰猛さを有する捕食者です。

ガチのトンボであるホソミイトトンボが

繊細で折れそうなのとは対照的かもしれません。

(一応、ホソミryも立派な肉食昆虫です)

 

 

 

 

 

最後に1枚。

キバネツノトンボのいる風景2022

また来年も必ず会いに行きたいところです。

 

 

 

 

【4/30 埼玉県内某所で撮影した生きもの】

鳥類・・・イワツバメ、カワラヒワ、キジバト、コガモ、コサギ、チョウゲンボウ、ツバメ、トビ、ハクセキレイ、ヒバリ、ホオジロ、ムクドリ

昆虫類・・・アカヘリサシガメ、アワフキムシ、キバネツノトンボ、ギンイチモンジセセリ、キンケハラナガツチバチ、クロボシツツハムシ、コガタルリハムシ、コチャバネセセリ、コミスジ、サビキコリ、シオカラトンボ、シオヤトンボ、ジョウカイボン、スジコガネ、セイヨウミツバチ、センチコガネ、ツバメシジミ、ツマキチョウ、ツマグロヒョウモン、テングチョウ、ナナホシテントウ、ナミテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ、ハエトリグモの一種、ハグロケバエ、ハッカハムシ、バラルリツツハムシ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメギス(幼虫)、ヒメクロオトシブミ、ビロウドコガネ、ベニシジミ、ベニトゲアシガ、ホソオビヒゲナガ、ホソミイトトンボ、ホソメヒラタアブ、マドガ、ミカドトックリバチ、ムナキルリハムシ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤツボシツツハムシ、ヤブキリ(幼虫)、ヤマトシジミ、ヤマトシリアゲ、ヨツボシトンボ

その他・・・ヤマカガシ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年5月15日(日)に開催いたします。

 行先は「江の島(予定)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。