満潮で浮いてしまうシギ(三番瀬&葛西臨海公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

単に満潮時間というだけでなく、

とりわけ潮位の高い日に三番瀬に足を運ぶと

このような感じでほとんど陸地が水没します。

 

以前、4月に開催した講座では

シギ・チドリが波打ち際に近づいてくるのを狙い

敢えて満潮時間に訪れて見事成功しましたが

その時よりも60cmくらい水位が高いようです。

(時刻は8時頃です)

 

 

 

 

 

オオソリハシシギのような大型種であれば

ギリギリで足がつくところもありますが……。↓

 

 

 

 

 

小型のシギは足が届かず、

カモメかカモよろしく浮いてしまうことも。

写真は(恐らく)オバシギ

溺れることはなく、この後すぐ飛んでいきました。

 

全く観察できないわけではなかったのですが

こんな食事もままならない状態では

シギ・チドリは別の場所に避難してしまうため

バードウォッチングには適しません。

 

 

 

 

 

写りがイマイチで申し訳ありませんが

ハヤブサが一瞬上空に現れました。

都市へと順応しつつあるため

東京湾でもこうして上空に現れることは

決して珍しくないようです。

 

 

 

 

 

ダイゼン

こっち見んな。

 

 

 

 

 

その後、さらに潮が満ちてきたことにより

とうとうオオソリハシシギもポールに避難しました。

これ以外にも多くのポールがシギ・チドリの足場となり

それはそれでちょっとユニークな光景です。

 

 

 

 

 

 

干潟・砂浜で有名な三番瀬ですが

草原の面積もなかなかのものがあります。

くまなく探せばバッタの仲間も相当見つかると思いますが

それだけで時間が無くなってしまうので程々に(笑)。

右は、草原の近くにいたニホンカナヘビです。

 

さて、一旦ここで三番瀬を離れ

葛西臨海公園へと移動します。

後程、潮が引いてきたところで再度戻ってきましたので

そちらにつきましては本記事後半にて。

 

 

 

 

 

 

葛西臨海公園です。まだヒマワリが残っていますね。

開花後の種はカワラヒワ(右)やスズメなど

小鳥の餌となっていました。前月に訪問した際と比べ

開花しているヒマワリの品種が変わっていたのが特徴。

ここのヒマワリは長期間花を楽しめるよう

異なる品種のヒマワリを分けて植栽しています。

 

 

 

 

 

種類はわかりませんが、

カマキリを捕食するコガタスズメバチ

かなりの近距離から撮影しています。

 

カマキリとスズメバチの仁義なき戦いは

昆虫ファン界隈では割と有名な話ですが

今回はハチに軍配が上がった模様。

 

 

 

 

 

 

前月の訪問時に紹介した大花壇

花はまだまだ観賞できます(10月上旬まで?)。

基本的に晴天だったので昆虫の数も多かったのですが

まだホバリングする蛾(オオスカシバ、ホシホウジャク等)は

今年はあまり出ていないようです。開花期が全体的に

遅れているのと同じく、昆虫の発生も遅れているのかも?

 

 

 

 

 

 

鳥類園の方も見に行きましたが

残念ながら水位が高いせいもあり

シギ・チドリの姿は見られませんでした。

観察小屋からカワセミ(右)が見られたのみ。

 

 

 

 

 

カニは、いつも通りわんさかと見られます。

写真のアカガニが一番多いですが

脅かすとすぐに岩の隙間に隠れてしまいます。

かと言って穿り出そうとすると挟まれます(マジ)。

 

結局、開催ではシギ・チドリは全く見られず

少々消化不良気味かつ時間がまだ余っていたため

京葉線に乗り、再び三番瀬を目指すことに。

自家用車があったら楽なんだろうなと思いましたが、まあ割愛

 

 

 

 

 

14時頃に戻ってきた時の三番瀬

朝よりも明らかに「陸地」が増えています。

それに伴い、バードウォッチャーの数も増加。

撮影にはうってつけの状況と言えるでしょう。

 

 

 

 

 

角度を変えるとこんな感じ。

 

 

 

 

 

オオソリハシシギダイゼンのほか

左の方にはキアシシギが3羽写っています。

小型のシギ・チドリもようやく歩ける水位になり

三番瀬も賑わってまいりました。

 

 

 

 

 

左はオオソリハシシギ。右の2羽はソリハシシギ

サイズ差が歴然としていることがわかります。

 

 

 

 

 

ダッシュ(?)するオオソリハシシギ

ここで見られるシギの中では恐らく最大種です。

相変わらず絶滅危惧Ⅱ類のままですが

三番瀬では比較的安定して観察できます。

 

 

 

 

 

カモメやサギに比べればもちろん小さいですが

ミヤコドリなどの大型種であれば並んでも遜色ありません。

特に臆した様子もなく、カモメの近くを歩いていました。

 

 

 

 

 

ふと足下に目を向ければ、大量のコメツキガニが。

彼らも満潮で水没している間は出てこられないため

潮が引いて一斉に出てきたようです。

 

講座の時のように大量にシギ・チドリが

見られたわけではないですが、少なくとも午前中よりは

「撮れ高」が稼げたかな……という印象です。

 

 

 

 

 

歩き疲れたので、三番瀬内の売店で

トルコ風アイス(ストロベリー)を購入。

ここのは非常に「粘り」が強く、個人的に好みです。

(量も多く、何気に小腹も満たせます)

 

 

 

 

 

最後に、三番瀬から二俣新町駅に向かう途中

草むらでショウリョウバッタモドキを見かけました。

何てことはない車道沿いの植え込み脇でしたし

目の前は工場だったり倉庫だったりするわけですが

こんな所でも暮らせるのだなとちょっと安心。

他にも、念入りに探せばもっと色々見つかるかもしれません。

 

 

 

 

 

【9/3 三番瀬~葛西臨海公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、イソヒヨドリ、ウミネコ、オオソリハシシギ、オナガ、オバシギ、カルガモ、カワウ、カワセミ、カワラヒワ、ゴイサギ、コサギ、シジュウカラ、ソリハシシギ、ダイサギ、ダイゼン、トビ、ハクセキレイ、ハマシギ、ハヤブサ、ヒヨドリ、ミヤコドリ、ミユビシギ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アオドウガネ、アオバハゴロモ、アブラゼミ、イチモンジセセリ、ウスイロササキリ、オオカマキリ、オンブバッタ、キマダラカメムシ、キンケハラナガツチバチ、クマバチ、コガタスズメバチ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、シロテンハナムグリ、ツクツクホウシ、ツチイナゴ、ナナホシテントウ、フタモンアシナガバチ、ホシササキリ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ

その他・・・アカテガニ、アカミミガメ、アシハラガニ、クロベンケイガニ、コメツキガニ、ニホンカナヘビ、フナムシ、ヤマトオサガニ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年10月16日(日)に開催いたします。

 行先は「多摩川河口域 シギ・チドリ飛来地」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。