名古屋城との比較検証用にどうぞ(皇居周辺) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

先日紹介しました名古屋城での番外編に続きまして

その際に比較対象とさせていただきました

皇居のお濠の情報をお届けします。

と言っても、真新しい情報はあまりないんですが……。

 

少し前に、皇居のお濠にホオジロガモ

飛来したという情報もあったので

確かめに行ったのですが、もう抜けてしまった模様。

ただ、そういう(関東での)珍鳥が飛来するくらい

このお濠は水鳥たちに人気ということは確かなようです。

 

名古屋城との最大の差だと感じるのが

水面にカモやオオバンたちの「食事」が多いこと。

以前にも触れたように松の落ち葉や実が

そのまま水面に浮かんでおり、これが彼らにとっては

冬場の貴重な食糧となっています。

 

 

 

 

 

お濠で特に数が多いヨシガモオカヨシガモ

いずれも草食傾向が強く、マツの残渣をよく食べます。

 

 

 

 

 

ヨシガモオオバン

一緒に行動するわけではないようですが

食事を巡って争うことはあまりありません。

 

 

 

 

 

また、水草も繁茂しており

これもまた水鳥たちの食糧となります。

(底の方から生えてきている模様)

 

写真はハシビロガモ

よく水面に浮かぶ藻を食べていますが

こうした大きな植物も食糧にしているようです。

 

 

 

 

 

ヨシガモヒドリガモハシビロガモコガモ

そしてオオバンがまとまって羽を休めています。

人工的なものですが、こういう平坦で落ち着いた足場は

皇居のお濠にはあまりないため、重宝しているようです。

 

ちなみに「全くない」というわけではないのですが

名古屋城と違ってヨシ原のような場所は非常に少なめ。

と言っても、名古屋城もそこまで多いわけではないので

この環境の違いによる「差」はあまりないようです。

ただ、前にも書きましたように食事の量については

圧倒的に皇居の方が多いため、

カモ類の数もまた明らかに皇居が上です。

 

 

 

 

 

特に、人気の高いヨシガモ

名古屋城ではまったく姿を見ませんでした。

それ以外のカモ類についても

間違いなく皇居の方が多いでしょう。

 

また、キンクロハジロやカイツブリなど

潜水して魚や貝類などを捕らえる肉食の水鳥も

皇居の方が多いように窺えます。

水草や植物残渣が多くなれば、カモだけでなく

それを食べる魚や水生生物なども現れやすくなる……という

シンプルな食物連鎖の流れに起因するものと思われます。

 

 

 

 

 

 

過去、何気に一度も通ったことのなかった

千鳥ヶ淵緑道というお濠沿いの遊歩道。

サクラは当然まだ蕾もついていませんでしたが

プリムラ(右)などの冬の花が多数開花し

寂しくなりがちな冬場の林床に彩りを添えていました。

 

 

 

 

 

左はガーデンシクラメン、右はアリッサム

いずれも冬場に人気の高い園芸植物です。

シクラメンについては、こういう街中で

地植えされるケースはちょっと珍しいかも?

 

 

 

 

 

クリスマスローズもありましたが

2月初旬というこの時期はマダツボミ。

 

なお、今冬は早春期の植物が全体的に

開花期が遅れているらしいので

むしろ今(3月上旬)がクリスマスローズの

ピークシーズンとなっている感があります。

 

 

 

 

 

千鳥ヶ淵で見かけたカワセミ

恐らく結構な数が生息しているのでしょうが

広さの割に止まり木が少なく、

おまけに距離も遠くなりがちなので

カワセミ狙いで歩くにはあまり適していません。

(ただ、下の北の丸公園は割と撮りやすい)

 

 

 

 

 

 

北の丸公園には、オカヨシガモ(右)が

結構多く飛来していました。

数年前はヨシガモだったこともありますが

今冬はチェンジ(?)したのでしょうか。

 

 

 

 

 

ジョウビタキのオス。

名古屋城でも接写しましたが、こちらもなかなか。

ただ、名古屋城では複数個体が出現した一方

こちらでは1羽しか見かけませんでした。

 

数回の散策だけでは優劣などつけられないでしょうが

陸の小鳥については名古屋の方が恵まれていたかも?

 

 

 

 

 

最後に、国会議事堂上空付近を飛んでいたノスリです。

最近はコンスタントに見かける気がします。

通常立ち入ることはできませんが

皇居のあの巨大な森の中に巣があるのかもしれません。

 

 

 

 

 

【2/1 皇居周辺で撮影した生きもの】

アオサギ、オオバン、オカヨシガモ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、カワセミ、キンクロハジロ、ゴイサギ、コガモ、コサギ、コブハクチョウ、ジョウビタキ、ノスリ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ホシハジロ、ムクドリ、メジロ、ユリカモメ、ヨシガモ

 

 

 

 

 

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