もちろん“親子”というわけじゃないですが……(恩田川) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

とある珍鳥の飛来情報を元に訪れたのは

横浜市~町田市を流れる恩田川(おんだがわ)

以前にも2回ほど本ブログで紹介しましたが

一見何てことのない街中の河川でありつつ

毎冬色々な水鳥が飛来しますし

相当の頻度でカワセミが出没しますので

バーダーには人気の高いスポットとなっています。

 

この日は珍鳥情報ゆえか人の数が多かったですが

長い河川のどこに来ているのかまではハッキリせず

微かな情報を頼りに探して回りました。

 

 

 

 

 

 

カワセミは当たり前のように見られます。

長津田駅から川に出て、そこからずーっと

行けるところまで遡っていくと

恐らく5~6回はエンカウントするはずです。

 

止まる場所は人工物から桜並木まで幅広いですが

まあ、川面が見える場所にいるのは共通しているので

見つけるのはさして難しくありません。

この辺は、同じ横浜市内のいたち川にも共通しています。

 

 

 

 

 

で、目的の鳥ですが、前情報を参考にしつつ

「人の集まっている場所」を探したら

あっさり簡単に見つかりました。

 

到着直後はまだ朝早く寒かったためか

丸くなって物陰に隠れていましたので

しばらくジーッと出てくるのを待ちます……。↓

 

 

 

 

 

待つこと20分強。ようやく出てきてくれました。

カルガモ×2の後ろにくっついているのが件の珍鳥で

これはアカハジロ。全国的にも数の少ないカモですが

過去に浮間公園に飛来したのを撮影しています。

(なので新顔登録することはできません)

 

 

 

 

 

激流(?)を下るアカハジロ

右のカルガモの位置や向き、サイズ差の関係で

子どもの川下りを見守るお母さんに見えてしゃーない(笑)

 

この日、結局私が立ち去るまで

アカハジロは同じカルガモにくっついていましたが

一体どういう関係なのか? 特にカルガモの方は

何を思っていたのか? 謎は謎のままです(汗)

まあ、とりあえず仲良さげなのはちょっと和みます。

 

 

 

 

 

流れが結構速かったので撮りにくかったですが

ようやくちょっと静止してくれたので

可能な限りクローズアップしてみました。

(光の関係でやや補正しています)

 

ちなみに厳密にいうと、これは純粋なアカハジロではなく

メジロガモとの交雑種ではないかとされています。

無論、メジロガモも関東では珍しいカモですし

私個人としてはそれほど気にならなかったのですが

ガチ勢の方にはやはり物足りない様子でした。

 

ちなみに浮間公園で撮れた個体についても

交雑種だろうという話を聞いております。

 

 

 

 

 

アカハジロ(ってことでいいでしょう)に別れを告げ

そのまま上流方面へと歩を進めます。

サクラの開花期は今年遅れそうとのことですが

もうじきここも満開に彩られることでしょう。

 

 

 

 

 

 

護岸の縁に、コガモが固まっています。

やはり今冬もこのカモが一番多い模様。

サクラのシーズンまで残っているかどうかは

ちょっとわからないですね……。

 

 

 

 

 

高い人工護岸に挟まれている恩田川ですが

中洲にはヨシが茂っていますし

鳥の隠れる場所はたくさんあります。

一部、川面近くまで人が下りられる場所もありますが

歩ける場所は少ないので、鳥にとっては安心できそうです。

 

 

 

 

 

 

ジョウビタキ(左)とキセキレイ(右)。

こういう郊外の河原では珍しくない鳥です。

ほか、セグロセキレイも何度か出てきました。

もしかしたらハクセキレイよりも

キセキレイ&セグロセキレイの方が

ここでは遭遇率が高いかもしれません。

 

 

 

 

 

川底に布団籠のようなものが設置されています。

こういうものの「隙間」には

小魚や小動物が入り込みやすいほか

水草の類にとっても生育しやすい環境なので

恐らくはかなり生物多様性に貢献していると思われます。

 

 

 

 

 

川底にマットのようなものが敷かれた場所があり

そこにもコガモが集中していました。

コガモは草食傾向が強いですが

川底に藻などが付着しているのかもしれません。

 

 

 

 

 

こう見えて意外と脚が強靭なのか

流されることなく食事しているイソシギ

この鳥も結構数が多かった気がします。

 

イソヒヨドリが磯を離れて内陸部に進出している件は

各種メディアでもたまに耳にしますが

イソシギはある意味「先輩」のような立ち位置で

いち早く内陸の河川周辺に進出してきています。

(単に元からいたのかもしれませんが)

 

 

 

 

 

最後に、ちょっと珍しい出合いも。

ブロックの敷かれた凸凹の川面にいるのは

どうやらタシギのようです。

 

 

 

 

 

タシギといえば湿地や田んぼなどを好む鳥で

それなりの自然度がなければ見られないイメージでしたが

こんな人工護岸の川の中州に出てくるとは……。

 

 

 

 

 

しかしながら、この恩田川は中洲の面積も広く

上記の通り凸凹(でこぼこ)した環境ですので

隙間には結構な数の小動物が隠れている様子。

だとすれば、タシギのような鳥がいたとしても

決して不思議はないのかもしれません。

 

ちなみに後から知った話ではありますが

この恩田川、タシギは決して珍しくないみたいです。

私がここで撮ったのが今回初めてというだけで

どうやら毎年冬越しをしているようですね。

 

 

 

 

 

この日はずっと2羽で行動していました。

間もなく旅立ちの時期になるかと思いますので

陰ながら(?)無事を祈らせていただきます。

 

 

 

 

 

【2/9 恩田川周辺で撮影した生きもの】

アオサギ、アカハジロ(交雑種?)、イソシギ、カルガモ、カワウ、カワセミ、キジバト、キセキレイ、コガモ、コサギ、シジュウカラ、ジョウビタキ、セグロセキレイ、タシギ、ハクセキレイ、ヒドリガモ、ヒヨドリ、メジロ、モズ

 

 

 

 

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