過去形なのか現在完了なのか? 英語の時制の考え方 【完了相・完了形】 | Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

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ドイツ語は難しい?いえいえ、実は英語よりも簡単です。挨拶・発音・数字から、ドイツ語を簡単に分かりやすく解説します。単語の増やし方、動詞・前置詞の格支配や名詞の性の学び方も解説していきます。マルチリンガルの私が、外国語一般の学習方法についても紹介します。

学習する上で、外国語を日本語に訳すのはいいのですが、弊害も当然あります。

できることであれば、直接その言語を繰り返し読むことで文に慣れていって欲しいというのはあります。

 

ただ、日本の学習環境…特に英語の場合だと、こういう問題が出てきます。

 
 
英語の「時間」の考え方は、かなり細かいです。
 
「(単純)過去」なのか、「(現在)完了形」なのか、日本語に訳してしまうと、よく分からないということが起きるのです。

というのも、日本語だと、「過去」も「完了」も「~た・だ」で終わってしまうから。

英語で例文を出します。

 

A:Sakura read a book yesterday. (「過去形」・単純過去)

B:Sakura has just read a book. (現在完了)

 

この違い、わかりますでしょうか?

 

時間を指す副詞(yesterday・just)を抜けば、「さくらは、本を読んだ」で訳せてしまうのです。

訳せ、訳せとやるはいいのですが、元の言語の意味合いを意識しないと詰む内容です。

 

 

A:Sakura read a book yesterday. (「過去形」・単純過去)

 

「過去形」(単純過去)で表しているのは、過去の一点での出来事です。

 

「昨日は本を読んでいた」だけです。

今日は読んでいるのか、読んでいないのかは知りません。

「過去形」(単純過去)では今のことは一切触れません。

 

Karen went to London yesterday.

 

こんな文だと、カレンが昨日ロンドンに行ったことを言っているだけで、今はそこにいるとは限らないです。

おそらくカレンは、ロンドンにはいないでしょう。

今ロンドンにいるのであれば、この表現を使うとは考えにくいからです。

 

この形は、過去のある時点で起こったことしか喋っていません。

今どうなのかは関係ない話です。

 

「過去形」という呼び方を日本の英語学習では、よく使いますが、これはあまりよろしくないです。

この形のことを「単純過去」(Simple past) という呼び方をします。

英語圏で英語を学ぶ予定のある人であれば、「Simple past」という呼び方を知っていた方がいいです。

 

 

 

B:Sakura has just read a book. (現在完了)


これは、「現在時制の完了形」です。

過去ではない、今の時点で完了したことを表しています。

 

だから、「本を(ちょうど今)読み終わった」という意味合いになります。

今まで続いて終わったことを示しています。

 

Karen has been in London since yesterday.

 

昨日からずっとロンドンにいるのなら、現在完了を使った表現になりますね。

 

 

現在完了形で特徴的な表現がこれですね。

 

Sakura has lost her glasses.

She is still searching for them. 

 

「さくらはメガネを失くした」と訳しても、英文和訳の試験では通るかも知れません。

が、これ、メガネを失くしたままで今も見つかっていません。

今の時点から見て、過去に起こったことの連続性を見ている訳です。

 

英語では、「Present pefect」という言い方をします。

 

 

この使い分けが分かればいいかと思います。

 

文法の理論的な話をするのであれば、

 

厳密に時制の話をすれば、

単純過去が「過去時制」で、過去のことだけを話題にしている訳です。

 

それに対して、現在完了が「現在時制 (完了形・完了相)」です。

意識は過去には繋がっていますが、今の時点でどうなっていたのか、意識して話している訳です。

過去からの「継続」なのか、今まで「経験」したことなのか、今までやって「完了」したのか、といった表現に繋がっています。

 

 

 

ちなみに、ドイツ語だと、時制に関しては苦労はないんですけどね。

過去のことも、話し言葉だったら、ほぼ全部を現在完了で済ましますから。

例文と同じ内容をドイツ語だとこんな文になります。

 

Sakura hat gestern ein Buch gelesen.

Sakura hat gelade ein Buch gelesen.

 

下線部しか変わっていません。(笑)

副詞で時間軸を判断すればいいだけですから、楽です。

そのため、ドイツ語話者も、英語で「(単純)過去」なのか、「(現在)完了形」なのかは苦労するそうですよ。

参考:ドイツ語の時制


 

だから、元の言語の発想に戻って、学ぶことは大事なのです。

「訳す」だけでは、決して学びきれない内容は、外国語では多々ありますから。

 

 

 

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