悩める相談者たちをまずは一の刃で真っ二つ。
返す刀でもうひと太刀。
ばっさばっさと斬り捨てたそのあとで、
そっと両手をさしのべる……。
笑えて、泣けて、勇気が出る。
まさに浅田ワールドの「粋」を堪能できる、
ぶっちぎりの人生相談書となりました。
浅田次郎フリークを自認する人には、新たな発見と感動を。
浅田次郎の本を知らない人には、
豊かな人生を歩むための後押しと、
めくるめく世界への入り口を。
文壇を代表する大作家の含蓄に富んだ爽快な人生訓の数々は、
毎日に小さなくすぶりを感じているあなたの心に、
必ずやさざなみを残していくことでしょう――。
やっぱり浅田次郎さんは素晴らしいっ!
今の世の中ではこんな意見は受け入れられないだろうな、
というようなエッジのきいた言葉も、
浅田さんが言うなら・・と思わされる、
力量・度量・経験のなんたること!
いっぱい名言がありました。
「これも僕の持論なんだけれど、
「食べられないこと」「命の危険にさらされていること」、
このふたつに比べたら、
ほかのことなんて案外大したことではない。
この本の読者は、
少なくともこれを買うことができているのだから、
そのふたつには該当しないはずだ。」
強い。説得力がある。
あとは、男女系の名言もたくさん!
「もっとシンプルに男と女はそもそも違うわけだよ。
男だから似合うこと、
女だから絵になることというのが、
必ずあるはずなんだ。」
「世の中どんなに平等になろうが、
男と女はそもそもまず筋肉の量が違うんだよ。
殴り合ったら女が勝つ場合なんてありえないんだから。
その分だけ、男は女を保護しなければダメだろう。
それは男の務めだよ。」
いいですよね。
今の世間は、男は、女は、
とか表現するのを極端に避ける傾向にありますが、
でも、そういうトランスジェンダーの人はさておき、
普通は男女は違ってて当然。
甲子園で高校球児(男)を
チアリーダー(女)が応援するのが絵になる
のと同じ、やと思っています。
逆はないでしょ??
あとは結婚・家族系。
「男と女の関係というのはなりゆきでなっちゃったり、
口説いてなっちゃったりする場合もあるけれど、
結婚というのはそうじゃないんだ。
恋愛は、少なからず人為的な要素がある。
結婚は、運命的だね。
実はずっと前から
その人と結婚することが決まっていたんじゃないかって、
僕はそんなふうに考えている。だから、
「まだ早いんじゃないか」と思っていること自体、
その人とはそうなる運命じゃないんだ。」
「つらいと思ったことは一度もない。
親はみんなそうだよ。
多少グレたぐらいだってかわいいもんさ。
良かったことは数え切れない。
考えてごらん。
心から愛するものがひとつ増えるんだぜ?
これ以上ない喜びだよ。
不思議なもんでね、赤ん坊のころ・・・
これは当然かわいいよ。でも、
30歳になってもそのころの感覚と同じだから。
そんなこと自分の子には言えないけどな、
恥ずかしくて。」
親になることへの心構え、について。
素敵すぎる!
こう言い切れる浅田さんは素敵な人。
読んでいて元気になれて励まされる、
浅田さんのエッセイは大好きです!
あとは、作中でも著書について
いろいろ紹介してあったので、
次は小説の「プリズンホテル」を読みたいと思います。