反省の本質 | 元IBMerが語る現代文明論

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【反省の本質】


正しく「反省」出来てますか?

悔い改めるマグダラのマリア

【反省の表象】

何か問題が起きると「反省しろ」
とか「反省しています」とか聞く
ことが多いように思いますが、こ
の多くは謝罪と同じ意味で使われ
てます。

「反省」というよりは「後悔」に
なっています。


もちろん問題を発生させていたと
したら謝罪は必要です。

問題の原因を分析して、二度と同
じ問題が発生しないようにするこ
とも重要です。


「反省」の言葉に隠れて、やって
しまったことの現象だけを二度と
起こさないと約束しているだけと
いうことも非常に多くみられます。

本来「反省」とは、振り返って省
みることであって「謝罪」ではあ
りませんし、「後悔」だけでは不
十分です。

ましてや、その場限りの「反省」
など全く意味を持ちません。

昔流行った猿回しの猿のように、
「反省だけなら猿でもできる」
になっていることもあるようです。


【謝罪としての反省】

問題を発生させた場合、外向きに
謝罪の言葉を発してうなだれて見
せるのが重要であって、実は本質
的分析を求められることは少ない
ですね。

最近話題の食材偽装も、注目され
るのは「謝罪」であって、なぜそ
ういった偽装がまかり通っていた
かではありません。

あえて原因を問うなら、一般名詞
化した食材の名前と原材料の混同
と不用意な拡張表現でしょう。

「反省」の言葉を聞きたい多くの
人は、真の原因よりも、当事者の
うなだれている態度を見て「次は
起こさないであろう」という安心
感を得ようとしている。


実は、先日、ある方の反省の弁を
聞いたのですが、後悔はされてい
るようですが、十分な分析ができ
ていないようにも思えました。


【システム開発と反省】

コンピュータ関連の専門誌にシス
テム構築が失敗した記事が連載さ
れるくらい、システム構築の失敗
例は多い。

私自身、時間的制約で十分なテス
トを行えないまま、本番稼働を迎
えたことがあます。

当然のように特大のトラブル発生
です。

嵐の中、対処に追いまくられ、約
1か月ほど家にも帰れず、対応に
追われたことがある。

ひと段落すると、当然のように
「反省」ということになるわけだ
が、大抵の場合、「反省していま
す」といって通り一遍の分析と自
己否定の言葉で過ぎ去っていく。

これには、反省を求められる側と
して大いに疑問に思った。

当事者としては、二度とこういっ
たつらい目に遭いたいとは思わな
いので、反省しているフリをして、
真剣に分析にかかった。

そういったところで得た技術がD
OAや開発方法論です。

さらに、最深部まで確認しておく
周到さと厳密さを身に付けました。


【成功分析の重要性】

分析を行っている中で気が付いた
ことに、当時の先輩方を始め世の
中のほとんどの人が「うなだれて
見せている」だけで分析を行って
いないということです。

こういった人たちは、「反省して
います」といっておきながら、く
り返し同様の問題を発生させる。

また、本当に「反省」が必要なの
は成功したときなのです。

成功した時こそ、なぜ成功したか
を正確に分析することによって、
再現性を高めることが重要です。

失敗したときの原因は、絞り込ん
で特定できるが、成功した時の原
因は随所にちりばめられているた
め、特定が難しい。

だからこそ成功時の分析が重要と
言えます。



この分析を繰り返したことで、自
らプロジェクトリーダーを担う場
合は、ほとんど失敗しなくなりま
した。

成功のパターンが判ったからです。



秋山真之起草
「連合艦隊解散之辞」
では最後を以下のように結でいます。

「古人曰ク勝ツテ兜ノ緒ヲ締メヨト。」


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写真:「悔い改めるマグダラのマリア」
:ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
:ロサンゼルス・カウンティ美術館蔵
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