美容室経営では「メニューをイジる=ブレまくってる証拠」である

読者からの質問

こんにちは、齋藤です(プロフィールはこちら)

「高単価すぎる美容室で売上が上がらない場合の蘇生術」の続きです

この記事では「メニューをイジる=ブレまくってる証拠」であるという話をします

美容室を経営する時にもっとも最初期の段階で決めるべきものはいくつかありますが、その中の1つに「メニュー」があります

メニューとは「何を提供するのか」「それをどう表現するのか」「価格はいくらに設定するのか(=年収をいくらにしたいのかがほぼ決まる)」ということ

すなわち先程も言いましたが、「メニューとは店の顔であり宣言」なのです

あなたの信念、コンセプト、美容師としての姿勢、店のポジション、どういう人を対象にしているのか?などなどが表現される部分です

売れている店はメニューを見るだけでわかると言っても言い過ぎではありません。

 

そんな超絶に重要な部分をイジることは基本的にないんですよ

もちろん経営していく中でちょっとした改変はあるものですが、ちょっとしたもんなんでぶっちゃけどうでもいいレベルなんです

メニューの整理や名前の変更、多少の価格の変動などがちょっとした改変ですが、そんなもので店の数字がガラリと変わることはありません

これも先程言いましたが相談者の方の問題は集客とリピート、すなわち月間接客数です

ちょっとしたメニューの改変レベルでは月間接客数は何も変わらないし、今のビジネスレベルでは下手したら逆効果になることすらあります

今日はそんな話です。

メニューはシンプルイズベスト

メニューで重要なのは、

・シンプルでわかりやすいこと
・高単価に設定する(15000円が目安だがIさんの店は高すぎる)

この2点です。

 

ここでIさんの質問に答えますが、現状のメニューは「複雑でわかりにくい」+「高単価過ぎて知識、センスがないと経営が難しい」というのが率直な感想です

1:髪質改善トリートメント 20000円
2:髪質改善トリートメント+縮毛矯正 45000円
3:髪質改善トリートメント+ハイグレード版縮毛矯正 100000円
4:髪質改善トリートメント+ヘッドスパ 30000円

カットとカラーはオプションという形で、カットやカラーをやる場合は単品では行わず、他のコースと一緒にやれるという風にしてます

カット5000円 カラー5000円 カラーのハイグレード版10000円というラインナップです。

このメニュー構成のパッと見での問題点は3つ。さらに話を聞くと追加で1つです

1:カット、カラーという美容室の定番メニューがオプションになっておりわかりにくい
2:メニュー数が単純に多く、客が頭の中で暗算しなければならない
3:メニューに戦略がなく、あるものを載せているだけ
追加:美容室ではなくトリートメン屋になってしまっている(インフラビジネスの放棄)

このような印象を僕は持ちました。

 

まず今のメニューでメイン扱いになっているこの4つ

1:髪質改善トリートメント 20000円
2:髪質改善トリートメント+縮毛矯正 45000円
3:髪質改善トリートメント+ハイグレード版縮毛矯正 100000円
4:髪質改善トリートメント+ヘッドスパ 30000円

これらにカットやカラーが含まれていないのが非常にわかりにくい

美容室の定番メニューといえばカットとカラーです。統計的にカットは100%の人がしますし、カラーも少なくても50%の人がします

定番なんだからそれを含んだ金額を記載してわかりやすくするべきです

今だと1~4までのコースを選んで自分の頭の中で暗算しないと支払う金額がわかりません

客は超めんどくさがりなのでめんどくさいと思ったり、悩んだら予約しません。これ超重要です

メニューというのはあるものを載せるものではなく、新規客を予約させるためのものです。なので「すぐに予約という行動をする」ようにしておかなければいけません。

 

・カット+髪質改善トリートメント 25000円
・カット+カラー+髪質改善トリートメント 30000円
・カット+縮毛矯正+髪質改善トリートメント 50000円
・髪質改善トリートメント+ヘッドスパ 30000円

価格を変えないという前提であれば僕ならこうします(僕ならこの価格ではやらないが)

これでシンプルになりますし、わかりやすい

ここにないオーダー、例えばカット+カラー+縮毛矯正+髪質改善トリートメントなどは別にメニューに載せる必要ありません

顧客には聞かれれば金額を答えればいいし、新規客はドタキャンや無断キャンセルなどがありますから、このようなヘビーメニューを予約させたくはありません

そもそもヘビーメニューをする人が少ないですから、そんなもんは会計上こちらが金額を設定しておけばいいだけで、わざわざメニューに載せんでいいのです。

 

Iさんは「髪質改善をやってるところがふえたので差別化のためにこうした」とメールで言っていましたが、メニューをわかりにくくしてるだけでそれは差別化にはなりません

差別化とは小手先のテクニックでは絶対にできませんし、そもそも差別化という発想自体が大間違い

同じビジネスやってる限り世間が言う「差別化」なんてできないんですよ(これはまた後日記事にしたいなと思います)

やるべきはこういうことです

メニューをイジるとコンセプトも変わってくる

ここで相談に戻りますがIさんが悩んでいたのは、

「商材のコストが増えており、それに伴いメニューを増やして、値上げを検討するべきなのか?」を悩んでいました

しかし一度言いますが、問題はそこではないんですよね

そもそもの月間接客数が少ないのでそれをいかにふやすのが改善のクリティカルポイントです

メニューをいじってもそれは改善しなくて、メニューで改善するのは単価。そして単価が決まれば戦略が決まるんで、メニュー=コンセプトの表現とも言えるわけです

すなわちメニューをイジる=コンセプトをイジるということであり、相応の覚悟と戦略が必要なんですよ

その状態でメニューをイジると傷口を広げるだけ。という危険な状態が今です

Iさんはの問題の本質はメニュー云々ではないんです

・コンセプトがブレブレ
・戦略、目標とする数字がない
・コンセプトの表現ができていない=集客ができない、今更メニューで悩む

これらが問題の根っこであり、本質。

メニュー作成時の掟

メニューで重要なのは冒頭でも言いましたが、

・シンプルでわかりやすいこと
・高単価に設定する(15000円が目安だがIさんの店は高すぎる)

この2つです

そしてメニューの役割を具体的に上げると以下の4つ

・コンセプトを商品化して表現する
・やらないことの表明
・価格提示
・予約させる

メニューを作成する時はこの6つのことを意識するといいでしょう

美容室のコンサル的なことする時はまずメニューを僕は見ますが、これらを無視している店はだいたい「ビミョーな結果の店」です。

Iさんに伝えたメニュー改定案

それらを踏まえてIさんに伝えたメニュー改定案は2つです

Iさんの現在のメニューはこうでしたね

1:髪質改善トリートメント 20000円
2:髪質改善トリートメント+縮毛矯正 45000円
3:髪質改善トリートメント+ハイグレード版縮毛矯正 100000円
4:髪質改善トリートメント+ヘッドスパ 30000円
上記のメニューにオプションでカット5000円 カラー5000円 カラーのハイグレード版10000円

そして悩みは「商材のコストが増えており、それに伴いメニューを増やして、値上げを検討するべきなのか?」

メニュー改善案その1「ビジネスモデル維持プラン」

1つ目の改定案は上でも上げた現在のメニューをそのままにわかりやすくする形のもの

・カット+髪質改善トリートメント 25000円
・カット+カラー+髪質改善トリートメント 30000円
・カット+縮毛矯正+髪質改善トリートメント 50000円
・髪質改善トリートメント+ヘッドスパ 30000円

カット、カラーは美容師の定番メニューなんですからわざわざ価格を別に見せる必要はありません

トリートメントに力を入れていて、トリートメントのみの客数が多い、増やしたいならトリートメント単品のコースを明記しておけばいいだけです

現状のメニューは美容室に見えないんですよね。「トリートメント屋」になっちゃってます

トリートメント屋なんて世間に認知されていませんから「トリートメント専門店?美容室なの?あれ・・・一応カットとカラーもやってるみたい。なんかよくわかんないな」でスルーとなります

美容室という歴史があり、世間に認知されていて「誰もが必ず利用するビジネスモデル」なのに、わざわざ自分からそのポジションを外れちゃってるのです

ビジネス難易度上げてるだけなんですよね。これは差別化ではありません

差別化っていうのは変なポジションになることではないです

同じことやってんのに「あの人は違うと言われる存在」が差別化であり、独自化であり、コンセプトがある状態です。

 

値上げも検討すらしません

なぜならすでに高単価すぎるのでこれ以上の価格にすると「ビジネスの難易度が高くなりすぎる」からです

やれるならいいんだけど、単価3万以上の美容室経営をできる人なんて相当少ないですよ

単価3万の美容室やるなら単価1,5万くらいで雇用したほうが楽だと思います

ずっと1人でやりたくて実力が超高くて美容師超好きで年収は2000万くらいでいいなら全然ありですが。そんな人まあかなり少ないよねっていう・・・。そもそもそれくらいのレベルなら独立して困ることもありません

単価1,5万で年収1000万ちょいを楽に狙うか、雇用して拡大して2~3000万狙うでええやんと思います。後は僕みたいに美容師やめるも選択肢になりますね。

 

よくある矯正や、カラーのアップグレード版もいりません

松竹梅方式で料金を分けるのは単価アップでよく用いられる方法ですが、メニューが汚くなるし、客が悩みます

客は悩んだら予約しないと思ってください。悩ましたら負け

Iさんは矯正を5万円と10万円の2種類用意していましたが、どっちかでいいんですよ

しかもそもそも全てが高単価すぎるので5万の方だけでいいです(5000円と1万円なら1万円の方だけにする)

Iさんの店は「1日3人×1日売上9万×営業日数22日=月売上198万円」がゴールですから10万の矯正がなくてもこれは達成できます(そもそも単価が高いので1日9万売り上げるのに値上げする必要がない)

10万の矯正なんて、ぶっちゃけ邪魔なだけ

Iさんは高単価にするリスクを無視しすぎです。まあ高単価にするのは今の美容室経営の流行りだから仕方ないんですが、流行りに乗るとタピオカのようなビジネスになってしまいます(苦笑)

 

この1つ目の改定案は、

・現状のビジネスモデルを変えない前提
・トリートメント屋から美容室に見えるように

というのをベースにしています

現状のビジネスモデルで売上のアッパーに到達しているなら、この1つ目の案はなんの意味もないんですが、Iさんの店は現在月間売上80万ほど

単価3万で80万ということは1日1人とかなわけです、予約スカスカですからまずは予約いっぱいにしましょうプランですね

これで「1日3人×1日売上9万×営業日数22日=月売上198万円」を目指しましょうと。

ビジネスモデルに変更を加えないのでやることが多くないのも利点ですね

ビジネス知識のない人が売上が上がっていない状況でそんなことやりだすと、リソースと知識足りなくて死んじゃいます。

 

僕の本音を言うと「高単価すぎるのが問題になっている」状況なので価格を思いっきり変更=ビジネスモデルを変更したいんですが、今それをすると多分死ぬ(笑)

価格を単価1,5万にしたとすると既存客で売り上がっている80万の売上が減るだけの事態になってしまいます

そもそも現在の単価で上手く行けば何も問題ないわけですしね。

 

厳しいことを言うとIさんは単価3万の器では現在ではないわけです。だから想定できる売上が上がっていないのですね

なので本音を言うと単価を落としてビジネスの難易度を下げるべき。しかし今それをすると売上が下がるだけ(集客できていないので)

じゃあ現状のモデルで頑張るしかないじゃない。ということです

やることはコンセプトの明確化、表現、発信して集客、リピート率の上昇、コスト削減、キャラの確立などです

メニューのことなんてぶっちゃけ枝葉の部分なんですよね(今のメニューはわかりくく、コンセプトもブレているので修正は必須ではありますがたいして考えることない)

実は今、正念場なんですよ。

メニュー改善案その2「ビジネスモデル変更プラン」

次に「ビジネスモデルを変更してしまう」のを前提としたメニュー変更です

僕であれば創業時からこっちの戦略で行きます

Iさんの場合はもう店やっちゃってるんでこのプラン2を採用するのであれば「リニューアルオープン」という気持ちでやり直すことになります

かなり大変なので現状ではオススメはしませんでしたが、今後のビジネス難易度を考えるとこっちにシフトしていくほうが個人的にはいいんじゃないのかなあ・・・とは思います

・髪質改善トリートメント 5000~7000円
・カット+髪質改善 10000円
・カット+カラー+髪質改善 15000~20000円
・カット+矯正+髪質改善 30000~40000円
・ヘッドスパ オプションメニューとして+5000円~10000円

金額は若干テキトーですがこれくらいの価格帯を目安にします。これで単価15000近くはでるでしょう

1日4人やったとして1日売上60000円。22日営業で月売上132000。経費が40万として920000円が利益

92万×12ヶ月=1104万円が年収

プラン1と比べるとかなり年収は下がりますが、ビジネスの難易度は全く高くありません(もちろん美容師力は高いものが求められるが)

単価3万となると美容室としてはかなり高額なので難しいんですよね。なんにでも相場というものがあり、それから乖離しすぎると特殊なビジネスになってしまいます

特殊なビジネスで成功するには相応の実力(美容力、ビジネス力、集客力など)が求められるわけでして。単価3万の現状で結果が出ていないのがその証拠。

個人美容師は年収1000万をベースにビジネスを考える

このプランって実は「個人美容室をやる場合のベースとなる単価」なのです

個人美容師は年収1000万ちょいくらいになればいいんです

それ以上は雇用したりとかしないといけなくて、個人で1000万を大きく超えるとかなり特殊なビジネスモデルにしないといけません

万人向けではないんですよね。もちろんそういうのができる人はやれば良いし、やると稼げるし、そもそもそれが楽しいはず

しかし独立するといっても、そこまでシャカリキに美容師したい人、やれる人なんて僕はほとんど見たことがないんですよ

パンピー美容師は年収1000万くらいで我慢しなさい(笑)

ちなみに変態美容師でも年収1500万くらいで着地が多いです。そんなもんですよ個人の美容師って。

 

次の記事では「高単価すぎるとビジネスは難しくなる」って話をもうちょっとします

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齋藤慶太

齋藤慶太

27歳で美容室で起業し、年収200万から1000万へ。しかし美容師がおもんない&自分の思っていた人生ではないと感じ、情報発信で起業し直すことに。美容室経営、情報発信ビジネス、メディア構築など、「個人で稼ぐ」ためのスキルやマインドセットを発信しています。

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齋藤慶太

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27歳で美容室で起業し、年収200万から1000万へ。しかし美容師がおもんない&自分の思っていた人生ではないと感じ、情報発信で起業し直すことに。美容室経営・情報発信ビジネス・メディア構築など「個人で稼ぐ」ためのスキルやマインドセットを発信しています。

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