銀座検定第34問  銀座で右から左に商号を表記している会社は次のどれでしょうか。 | 銀座大好き ギンタロー。の銀座検定

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銀座検定第33問の正解
 
日本語表記の縦書き、横書きに関して、
(2)
元来、日本語は縦書きで右から書くものであり、
  漢字を縦書きすることから平仮名の発明があった

が正解です。  


やらと か とらや か
 

銀座中央通りの銀座7丁目辺りを歩いていると
自ずと目に入ってくるのが、こののれんです。
言わずと知れた室町時代に京都で創業した羊羹の
老舗の銀座店(本社は赤坂です)。

隣を歩くのが、小学1年生の愛ちゃんなら、
覚えたての平仮名を見つけて、
「あっ、『やらと 』って書いてあるんだよね。」って、
嬉しそうに
言うでしょう。
その時、あなたは、どう答えるでしょうか。

「よく読めたね。えらい、えらい。
でもね、あれは『 とらや 』って読むんだよ。
昔は今と違って横に書くときは右から書いたんだよ。」
って、つい説明してしまいそうですね。

果たしてそれは、正しい説明なのでしょうか。


素朴な疑問

つい、「戦前は横書きは右から左に書いた」というように
思い込みがちですね。

ギンタロー。も実は、そう思ってました。

だって、戦後まで至るところに右から左に書く横書き表記が
溢れていたらしくって、
ギンタロー。が小さい頃には、まだそのような広告や看板を
たくさん目にしましたし、

その一方で、学校で使う算数や理科の教科書は横書きで
左から右に文章が書いてあるし、街で見かける看板や
広告やお店の名前も、左から右に書くようになっていたの
ですから・・・。

きっと、昔は右から、今は左から、なんだろうって。

漢字文化は縦書き、行は右から左に

元来日本語は漢文に倣い、文字を上から下に、行を右から
左に進める表記法を行ってきました。

最近は「美文字」や「筆順クイズ」ブームですが、確かに
漢字と仮名の筆順も縦書きを前提としています。

どうやら、戦前は横一列の文字が右から左に書かれ
ましたが、これは「縦書き」の範疇ということのようです。

「一行一文字の縦書き」、
縦書きだから右から左に書いていく


日本語の縦書きは、行は右から左に進みますから、
額やのれんや篇額(寺社の門に掲げられる横長の額)等
の横長のスペースに書くときも、一行一文字の縦書き
するように、右から左に書いたというわけです。
 

ただし、右から左に書くのは、文字をあくまで横長の
スペースに収める都合からであり、長い本文自体を
右から左に複数行に亘って横書きする習慣はなかった
というわけです。

だから、「戦前は横書きは右から書いた」というのは、
誤りということになります。


欧米の言語の影響

では、横書きを現在のように左から右に書くようになった
背景には何があったのでしょう。

最大の理由は、欧米の言語の影響です。

実は、戦前も、左から右に書く横書きがなかったわけでは
なく、左横書きと右横書きの両方が使用されていたようです。

確かに、英語の辞書や教科書など、英文と和訳を並べて
書くときには左横書きのほうが都合がいいですし、
他にも算術や音楽の教科書、数式や外来語の多い技術書
などでは左横書きが見られました。

しかし、戦時下で国粋主義的な論調が高まる中で、「米英
崇拝」であるとして、左横書き排除を唱える声も大きくなり、
新聞社の中には、左横書きの広告を拒否する新聞社も
あったということのようです。

GHQ、文部省、公用文書

戦後、GHQ/SCAPによるアメリカ教育使節団報告書中に
ローマ字採用勧告があり、漢字廃止運動(国語国字問題/
漢字廃止論)などの社会運動もありましたが、GHQが
日本語の横書きを左からと定めたということはありません。

また、文部省が日本語教育において、横書きは左からと
決めたわけでもありません。

西欧の記法に倣う左横書きが革新的というというイメージが
だんだん拡がり、保守的なイメージを持つ「1行1文字の縦
書き」は次第に日常生活の中で衰退していったということの
ようです。

新聞も、読売報知新聞が1946年(昭和21年)1月1日に
新聞の見出しを左横書きに切り替えたのを皮切りに、
各社が切り替え、最後に日本経済新聞が、1950年(昭和
25年)9月に切り替えました。

また、諸官庁の作成する文書は、『公用文作成の要領』
(1951年(昭和26年))』によって「執務能率を増進する目的を
もって・・・なるべく広い範囲にわたって左横書きとする」という
ガイドラインが示され、行政機関で多くの文書で横書きが
用いられるようになりました。
しかし、法律案に関する文書や閣議に関する文書等は今も
依然縦書きの文書として存続しています。

また、裁判所では長らくすべての文書が縦書きでしたが、
2001年(平成13年)1月1日からは、すべて横書きになり
ました。

日本は縦書きの文書と横書きの文書が混在します。
欧米は、左横書きが主流で、縦書きはほとんどありません。
アラビア語、ヘブライ語は、逆に右横書きで文字が綴られます。

それらも、さらに調べてみれば、面白いのだろうなと思ったの
だけど、
それ以上に、ギンタロー。が気になったのは・・・。

山本山 横書きするならどっちから?

『上から読んでも山本山、下から読んでも山本山』
これは、山本山海苔店(本店:日本橋)の大ヒットCMですが、

では、山本山海苔店ののれんには、
『山本山 』が右から書かれているのでしょうか、
左から書かれているのでしょうか、

それがとても気になったギンタロー。は、早速見に行ってきま
した。 それが、下の写真です。

 
 

うーん、分からないや。

濃紺生地ののれんに、白抜き文字の「山本山」
右から読んでも「山本山」、左から読んでも「山本山」

あっ、ヒントは、一番右の文字 「創業元禄三年」


それでは、
銀座検定 第34問です。
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銀座検定(GINKEN) 34問

虎屋さんのように、
銀座で右から左書きに商号を表記している会社は
次のどれでしょうか。

(1)松崎煎餅
(2)資生堂
(3)鳩居堂
(4)木村屋

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正解は、銀座検定第 35 問と一緒にお届けします。