どもりって不可解で不思議なもの
どもりというものは、とても不思議で不可解なものです。
同じ単語でも、あるときは全然どもらなかったのが、突然激しくどもったりするし、
またいつもどもっていたのに、ある日突然、まったくどもらなくなったりします。
季節によっても、どもりは激しくなったり、軽くなったりします。
春先、木の芽時に、どもりが激しくなることは多いようです。
理由としては、人間も動物ですから、木の芽時には本能が騒ぎ、興奮するから
かもしれません。
あるいは、春先は入学式や終業式や、会社でもいろいろ行事が多くて、
緊張する場面が多いからかもしれません。
それから、ふつう緊張すると、どもるだろうと思われているようですが、
必ずしもそうとか限らないのです。
吃音者によっては、緊張しているくらいのほうが、慎重にしゃべろうとする
ためか、どもらないことが多い人もいます。
反対に、酒なんか飲んでリラックスしていると、やたらにどもる人もいます。
安心しているからこそ、どもってしまうんですね。
はっきり言えることは吃音者は話し方がよくない
このように実に吃音というものは不可解なものなのですが、
ひとつだけはっきり言えることは、吃音者はみな、どもっていないときも、
話し方が悪いということです。
リズムが壊れ、不安定で、必要以上に早口で、どこかつっかかるように
話しているんですね。
この悪い話し方というのは、吃音者すべてに共通して言えることです。
この不可解な吃音という現象の中で、これだけは確かなことだと言って
いいでしょう。
でも、この吃音者は、誰でも、話し方が悪いという事実は、ある意味良い知らせ
でもあるんです。
この悪い話し方を少しでもいい話し方に変えれば、どもらなくなるのかもしれないのですから。