吃音者は自分の話し方がない
吃音者の中で気づいている人もいるだろうし、気づいていない人も
多いかもしれないけど、吃音者にはとても不思議な性質があります。
その一つは吃音者は自分の話し方が確立していないのです。
話すとき、自分のしっかりしたリズム感がないとも言っていいかもしれません。
どういうことかと言うと、吃音者は自分の話し方が確立していないし、自分の
リズム感がしっかりしていないので、状況に応じて簡単に自分の話し方や話す
テンポが乱れてしまうのです。
周りの人の話し方にすぐにまどわされてしまう
たとえば、あるとき、自分に合った話し方をしていて、どもることなく安定して
話していても、突然誰かに早口で話しかけられると、吃音者はすぐにその人の
話し方につられて、早口になってしまって、自分のリズムを失って、話し方が
不安定になり、どもり始めてしまうのですね。
周りの人の話し方や話すスペースにとても影響されやすく、すぐに自分固有のペースを
見失ってしまうところがあるのです。
この性質は幼いころから強くて、だいたいどもりになるきっかけが、幼いころ
近くで話していた人の不安定な話し方を聞いていたということが多いのです。
いい話し方を聞いていれば治る?
ということは誰かが静かで安定した話し方を日常的に指導してやれば、
どもりは治るということでもあるのです。
でも、これも理論上は簡単そうなのですが、周囲の話し方や話すテンポにとても影響
されやすいという性質上、誰か違う人と話したりすると、すぐにまた自分の安定した
話し方を失って、どもり始めてしまうというやっかいなことがあるのです。
どもりとは本当にやっかいなもの
冗談でなく、どもりというものは本当にやっかいなものです。
とても一筋縄では行かない代物です。