昨年の話になりますが、川崎市の空き家対策に少し動きがありました。
たまたまですが、先日見ていたテレビ番組で、放置され続けている川崎市の空き家が取り上げられていまして、
これも何かの縁だろうと思いましたので、本日は空き家対策の現況についてご報告させていただきます。
川崎市のいわゆる空き家(その他の住宅)は、他都市よりもそれほど多くないという事情もあって、それほど即応性のある対応が行われてこなかった側面があります。
それでも、隣の家が今にも壊れそうな市民にとっては、一刻を争う問題です。
市もこれまでの対応で十分だと考えてきたわけではないでしょうが、私有財産への介入ということになりますから、かなり慎重に検討を進めてきたように思います。
この間、市議会でも、「明らかに人の迷惑になっていそうな家が一定期間放置されていても「特定空家」と判断されていない!」といった議論が何度もありました。
(特定空家…適切な管理が行われておらず、周辺の生活環境保全のために、放置することが不適切である空家)
そして昨年11月、新たに示された空き家対策計画で少し前進した方向性が示されました。
具体的な話はまだまだこれからですが、新たに示された方向性の1つが「固定資産税の住宅用地特例解除の検討」です。
川崎市だけの話ではありませんが、空き家問題の根幹の一つとして、どんなにボロボロな家でも壊さずにそのまま置いておけば、その土地は住宅用地として、固定資産税が安くなるという税制度があります。
現在でも特定空家と判断されて手続きが進むと、この特例は認められないのですが、川崎市では今のところ特定空家と判断された空き家が一軒もありません。
では特定空家じゃないからといって、明らかに人が住む予定のない家なのに、その土地が住宅用地として認められ、固定資産税が安くなるのはアリなのか。という話です。
すでに他都市では、特定空家でなくとも、人が住むための管理が行われておらず、将来的に人が住む見込みがない場合に、固定資産税の特例を解除している自治体があります。
もちろん、この判断自体も非常に難しく、しっかりと基準を作って、担当者によって判断が変わるようなことがないように運用する必要があります。
なので、すぐに制度が出来上がるわけではありませんが、外部不経済(隣人の迷惑)になるような状態をつくらないため、または、解消していくために、
行政の介入が一定程度必要なケースがこれから増えていくと思いますので、適切に判断ができるような基準や制度変更について引き続き勉強していきたいと思います。