多磨霊園に行ってきました(後編)<大平正芳、大川博、菊池寛> | ゲイムマンの日本縦断紀行 + ご当地ゲーム制作・配信

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ゲーセンでゲームをプレイし、1面クリア毎に増える“ゲーム路銀”を交通費にして日本縦断を目指す「ゲーセン紀行」でしたが、ゲーセン巡りよりも、普通の観光旅行の方が主になってしまいました。

現在このブログ上でゲーム『香川県からの脱出』を制作・配信中。

ゲームブック風アドベンチャーゲーム『脱出ゲーム 香川県からの脱出』はこちらから。

 

3月12日、『香川県からの脱出』第2期公開分のゲームデータを追加アップロードしました。
綾川町の天満宮に向かい、ある人物の願いを聞きましょう。
 

 

引き続き、香川県にゆかりのある人物にご報告するため、多磨霊園へ行ってきたときの話です。前回はこちら。
 

 

 多磨霊園('23.3.12)



名誉霊域の中にそびえ立つ塔。もとは噴水塔だったらしいです。

 

名誉霊域に埋葬されたのは3人だけですが、その周りには首相経験者などの大物政治家が幾人も眠っています。

 


その中から、香川県出身の、大平正芳元首相のお墓にお参り。
大平首相はクリスチャンと聞いていたので、手を合わせずに黙祷を行ないました。

 

大平氏の首相在任中、私はまだ小学生でしたので、大平首相といえば、答弁のときに多用し、当時の流行語となった間投詞「アー」「ウー」の印象が強いです。
漫画『ゲームセンターあらし』に、大平首相をモデルとしたキャラクター「総統ギャラクシアン」が登場したり、アニメ『タイムパトロール隊オタスケマン』(タイムボカンシリーズ)のエンディングテーマ『アーウー・オジャママン』のタイトルや歌詞に「アーウー」が使われたりと、当時の子供向け作品でよくネタにされていました。

 

実際の大平首相は、大の読書家で知性派だったそうです。しかし首相在任中は自民党を二分するほどの派閥争いに巻き込まれ、内閣不信任案を可決されたため衆議院を解散。
さらに、その選挙戦の序盤で突然倒れ、選挙期間中の1980年6月12日に亡くなられました。

 

後から知ったのですが、向かって右にある黒いお墓は、大平首相の長男・正樹氏のもの。
1964年(昭和39年)、ベーチェット病により26歳の若さで亡くなられました。

 


さらに北へ進むと現れるのが、「萬霊」「供養」と刻まれている、巨大な石灯籠。
東武鉄道の社長として同社を発展させるなど、実業家として活躍した根津嘉一郎が寄贈したそうです。
この近くに根津嘉一郎のお墓もあるのですが、五輪塔などさまざまな形をした墓石が並んでいて、刻まれている名前が読みづらく、「歴史が眠る多磨霊園」というサイトを見て、初めてあれが根津家の墓だと知りました。

 

近くには、東映の大川博社長のお墓もありました。
もとは東急の副社長で、五島慶太社長に東急傘下の各映画会社の再建を託され、各社の合併により誕生した、東映の初代社長に就任。その期待に応えました。
また、プロ野球の東急フライヤーズ→東映フライヤーズ(日拓ホームフライヤーズを経て現・北海道日本ハムファイターズ)のオーナーを務め、アニメーション制作を行なっていた日動映画を買収して東映動画(現・東映アニメーション)を設立し、テレビ局の日本教育テレビ(NET/現・テレビ朝日)の開局にも関わっています。

 

ここから西へ移動して、もう1人、香川県にゆかりのある人物のお墓へ。

 


作家・菊池寛です。墓碑銘を揮毫したのは川端康成。
代表作『父帰る』『恩讐の彼方に』『真珠夫人』など。
ことでん(高松琴平電気鉄道)瓦町駅から西へ延びる道路は、かつて菊池寛の実家があった場所の前を通ることから、「菊池寛通り」と名づけられ、『父帰る』の像が建っています。近くの中央公園には本人の銅像もあります。

 

菊池寛は、日本文藝家協会の初代会長として、文芸家の地位向上に努めました。
映画会社・大映の初代社長でもあります。
趣味は競馬、将棋、麻雀。競馬では、多くの競走馬を所有していた馬主でした。

 

 

菊池寛といえば、文藝春秋を作った人物でもあり、また芥川賞・直木賞を創設したことでも知られています。
この人がいなかったら、文春砲はなかったかもしれませんし、羽田圭介さんが『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』のレギュラーになって、バス停まで猛ダッシュすることもなかったかもしれません。

 

もっとも、最近でこそ週刊文春はちゃんと裏を取ってから記事を出すようになりましたけど、20年くらい前はなかなか酷い記事もありまして。
それこそ香川県のゲームバッシングの、もともとのきっかけになった疑似科学の「ゲーム脳」を、「テレビゲームのやりすぎで子どもが若年性痴呆症になる!」というセンセーショナルなタイトルで大々的に、かつ無批判で3週にわたって喧伝しています。これ以降、テレビのワイドショーから大手新聞まで各マスコミが追随し、「ゲーム脳」仮説が広まっていってしまいました。(ただし、最初に「ゲーム脳」仮説を取り上げたのは毎日新聞と、NHK出版の単行本)

 

この件について、墓前で菊池寛さんに問いただしたかったのですが、菊池寛さんが悪いわけじゃないので、
「週刊文春が、今後もう二度とこういういい加減なゲームバッシング記事を出しませんように」
とお願いしました。

 

「ゲーム脳」とは何か? ~「日本人として非常に恥ずかしい」
(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)『テレビゲームのちょっといいおはなし・3』より)

 


菊池寛のお墓の手前に建っていたこの碑。
後で調べたら、曾孫にあたる作家・菊池勇生(ゆうき)氏の『螺旋に回転する世界』という作品の碑でした。
2005年にこの作品で作家デビューを果たしたものの、残念ながらそのわずか2年後の2007年、心不全により36歳の若さで亡くなられたそうです。
私と年齢が1歳しか違いません。

 

 

このページでは、「歴史が眠る多磨霊園」というサイトの記述を参考にしました。

 

 

帰りは霊園内にあるバス停「霊園中央二十号地」からバスに乗り、京王線の多磨霊園駅まで戻りました。
前にも書いた通り、多磨霊園はあまりにも広いので、園内に路線バスのルートがあり、バス停が2つあるのです。
(あとの1つは「霊園南七号地」)

 

これで安心して、『香川県からの脱出』第3期更新分に、菊池寛さんを登場させられ……ればいいなあ。

 

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※これまでの「日本縦断紀行」はこちら。

 

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