【第六部】推しが突然先発することになったから、万障お繰り合わせて応援しに行きます【古の丑の民】 | 硝子姫が見てきたやきうと二次元イベント。

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第一部:推しの誕生日
第二部:赤い街と青い姫
第三部:先発・国吉
第四部:ビジパフォ
第五部:万障

…からの続きです。

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新神戸を過ぎたあたりで、山田ニキへのお土産…あのイケメンふせんその他をカープ坊やの小分け袋に取り分けた。会ったら即渡すんだ。そんでウケてもらえたらいいな。山田ニキなら絶対わかってくれるわこの気持ち。
ゆっくりと減速。定刻通りに新幹線は新大阪へ着いた。

『姫を広島へかっ飛ばした帰りに甲子園へ送り込んだ民たちの会』のLINEでは「中央口」という大きな改札を待ち合わせ場所に指定されていた。
案内板どおり、中央口へ向かう。

別の案内板を見かけた。

「JR各線へお乗換えのお客様は反対側の『乗換口』をご利用ください。
中央口では新幹線の乗車券は回収されます」

…ん、待てよ。甲子園まではどうやって行くのかルートも調べてないけども無暗に乗車券回収されちゃうのは勿体ないな、乗換口へまわろう。
そんで山田ニキに「乗換口にいる」と連絡すればいいか。

踵を返して乗換口を出た。さて山田にLINEを、とスマホを取り出したところでヌッ、と人影。

■以下、青文字=山田ニキ 桃文字=姫 といたします

「おまえというやつは」
「あれっ」
「なんで!」
「いや、中央口だと乗車券回収されちゃうからこっちだなって今LINEを」
「俺もここについてそうだ切符だと思って先にこっちに回って、今おまえに乗換口に来いって飛ばそうとしたとこやってんで!!」
「…そかwww」
「まぁほんと、おまえってやつは…マジ…おもしれえわここ三日www」
「きのう、東京駅で見送りの民にも同じこと言われたわwwww」
「こんな面白いこと早々ないってマジwww今年いちばんおもしれぇw」
「…え、繁の引退試合のが」
「あれとこれはベクトルが違うから比較にならんのや」
「あぁ、そうだね、ベクトル違うね。あ、これ、お土産」
「うわ、なんだよ気ぃ使うなや」
「だって今回散々煽、いや、お世話になりましたので…」
「ええんか、ありがとな」
「半分はまともなお土産、半分はイヤゲモノですやで。全部赤いけど」
「…なんやと」

コインロッカーへ向かいながら山田ニキとそんな話をした。

「…最近のロッカーってもう鍵じゃないんだな」
「せやで、あ、そのレシートみたいな紙失くすなよ」
「把握」

コインロッカーなんて滅多に使わない。今は鍵じゃないことに驚いた。
しかもSuicaで支払えるとか。すげなICカード。

「雨がなー」
「ちょっと降ってるねぇ。どうかねぇ。でもこれ以上過密日程にはしたくないんじゃないの、阪神さんサイドも」
「そうなんや、そこや。まぁ、行ってみようや」
「ルート全く調べてないからついてくだけやで」
「えーとな、確かこっちや。俺も普段こっちのルートやないしな」
「OKついてく」

梅田から阪神電車に乗る。もちろん初めて乗る。きょろきょろしてしまう。
普段のらない路線の中吊り広告、すごくおもしろい。

「しかしまぁ、おまえを甲子園に連れてくことになるとはwwww」
「…ほんと、なんか、一昨日から別の世界線に飛ばされた気がしている」
「めちゃくちゃおもしれぇもんwwwおまえの人徳ほんとすげえよw」
「申し訳ない気分でいっぱい…ほんとみんなどうかしてるわと正直」
「確かに最初は俺らがクラウドファンディングだーいうたけど、でも集まったんはマジでおまえの人徳だからな、それは素直に尊敬するわ」
「面白がってるだけかもしらんけど、でもありがたいわ、ほんとに」
「それでええのや、流れに乗るって大事やで」
「乗っからせてもらったら超いい試合を見られました」
「ばっちり抜かれてて俺超笑ったわwwwwww」
「えぇ…(困惑)」
「あぁ、俺まだズムスタ童貞やから、来年アテンドよろしくな」
「えぇぇ(困惑)」

姫が渡したお土産袋を覗く山田ニキ

「赤いな」
「ほんとに赤いものしかない店、圧巻だった」
「そりゃそうやろなぁ…」
「ハマスタのさ、ベイストアの青さとはちがうね。なんか、強い」
「…な ん や こ れ は」

なんやって、付箋である。

「ぶふっ」
「どうしろと、これを」
「すまんなwwあの赤い店の中ウロウロしてて全部赤くて発狂しそうになってたところにこいつと目が合ってしまってwwもうそっから何見ててもこれが離れなくてwww」
「イケメンてwwwwいやこっちの鈴木誠也はまだわかるけどもwww」
「ほかにキクマルがあって、そっちは見送りの民に渡そうと思うwww」
「おまえとwwwwいうやつはwwww」
「この付箋を理解してくれるのはニキらしかいないとwwww思ってww」
「広島すげえなwwwwほんとwwwすげえわwww」
「だてに赤い街ではなかったよwww広島wwww面白かったよwwww」
「は~ww付箋でウケてたらもう次やで甲子園」
「はえ、もう着くんか」

甲子園駅に降り立つ。梅田から15分。東京駅から水道橋駅までと大差ないくらいか(こっちは乗り換えが1回あるけれども)

梅田駅でチャージしたSuicaを自動改札へタッチ…えっ何これ
自動改札があのタテジマである。ええ…そっからですか…甲子園…
(でも考えたら関内駅も日本大通り駅も駅全体が青い☆デザインか)

「おまえとここに立ってるの不思議な気分や」

そう言う山田ニキについていく。いきなり虎のオフィシャルショップ。
さっきまで赤い店に居たのに黄色い店、そして黄色い街。タテジマ。

「さっきまで赤い店にいて、今黄色い店の前にいるのすごい不思議」
「雨やし、発券したらあっちのショップいってみようや」

高速道路をくぐると、NHK高校野球で見たあの「阪神甲子園球場」が出現。
これが…甲子園かぁ…高速際ってなんか風情ねぇなぁ…
発券を終えた山田ニキが謎の問いかけを発する。

「金本と鳥谷どっちがええか?」
「ファ??????」
「金本と鳥谷www」
「ファ????」
「ええわ、くじ引きにしよww」

まったく理解していない姫の前に、裏返されたチケットが2枚出される。

「好きな方引きや」
「…お、おう、じゃぁこっち」

チケットを見て理解した。金本監督がプリントされている。


山田ニキに渡ったチケットは鳥谷選手のプリントが。
どうやら監督・選手のランダムプリントのようである。

「開門見合わせやって」
「やっぱりか。しかたないねぇ」
「ほな先にショップみよか」

あぁ、黄色い。店が黄色い。1日で赤い店と黄色い店を回っている。
うっかり藤浪選手のタオルとか欲しくなってしまう。
当然だが赤い店では店内BGMが空を泳げと天もまた胸を開いていたし、ここでは六甲颪に颯爽と蒼天翔ける日輪の青春の覇気が麗しい。

でもこれって、横浜に「遠征」してくる民、それもビジター側の民になら
「青い店」「青い街」「店内BGMが熱き星」って感想になるんだよな…
でも、熱き星たちよはDeNAになってから毎年選手が歌っているから…
(姫はアレ、完全にキャラソンのノリで聞いています)

「去年のアレみたいな泥んこ試合になるんだろうか、今日」
「あれはな…あれ俺現地やったし、ココいたけどアレ見ちゃったらもう大概の雨試合平気になるでww」
「なんで強くなってんだよwww」
「あ、中止や」
「あ、中止だね」

「払い戻しがあるだろうからチケット返しとくわ」

さよなら、金本監督。手元に10分いたかどうかの金本監督。

「じゃぁ姫は新幹線早めて帰rセラドいくぞ」
「えっ」
「京セラドームに、行くぞ!」
「えっっ」
「よし、そうときまれば即移動だ、ついてこい姫!」
「あわわわわ待て、ちょっ、待ってくれぇマジかよ」
「おまえは!近鉄民だろが!」
「!いかにも」
「聖地巡礼やろがい!」
「せやな」
「そして!俺としても!今日のセラドはハム戦!!」
「なんだよ中止になっても楽しいかよ」
「どこで乗換やったかな…地下鉄で行けるんや」
「ふたたび、ついてゆきます」

流れと勢いというものは本当に怖い。ともかく京セラドームへ行くことに。
古の丑の民、どうしても大阪ドームと言ってしまう。
移動しながら国吉くんの抹消を知った。

そっか…抹消か…リリーフ待機するかと思ったんだけどな…ううん、でも昨日あんだけいいピッチングしてたしお疲れさまかな…ってことは朝の広島駅に居たのかもな~…あーーマジでグダグダしてなきゃよかった姫のバカバカ

「国吉くん落ちてる」
「マジか、しゃーないわな」
「どうせ中止だし、よかったというかダメージはさほどない」
「きのうあんだけいいピッチングしたんや、お役御免ってとこだろ」
「ほんとそれな。…でも神宮で見られない…」
「ええもん見たんやし、そこはしゃぁないって」

地下鉄に揺られる山田ニキと姫。

「…甲子園どころか京セラにおまえを連れて行くことになるとはwww」
「まさか2日間で3球場まわることになるとはwwなんかのラリーかよw」
「すげぇよな、ほんとww昨日の今頃広島にいてなww」
「一昨日の今頃はチケットもまだ確保できてなかったし」
「俺が一番焦ってた時間帯やw煽るだけ煽っといてチケット!て」
「ところでさ、…ついこないだ『よいお年を!』って言いませんでしたか」
「…言うたなwwwwwwwwwwww」
「言うたよな俺らwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


===
話は再び4日前、9月22日に遡る。加賀繁とゴメスの引退試合を見て、関内で飲んだ山田ニキと姫の別れ際のことであった。

「もしかしてしばらく会わない感じか俺ら」
「ファンフェスがまだ詳細わからんしな」
「そもそも抽選だろうしね」
「ってことでフェンフェス次第や」
「じゃぁ、場合によってはこれで良いお年を!か」
「せやな、ほな良いお年を!ほんと世話になったわありがとな」
「何言ってんのこっちこそよ、ありがとな、ほなまたなー!」
===

「何があるかわからんっちゅうことやでwwwww」
「良いお年をもなにも4日後に会うとかなんなんだよwwwww」
「俺4日前の俺にあの直後に姫が広島でカープうどん食ったとか言っても絶対信じない自信あるわwwww」
「姫だってwwwあんときカメラの民にうわぁ広島行くんか羨ましいわーって言うたわwwww」
「まさかwwwwおまえ自身が行ってるとかwwwww」
「ほんとまじwwwwwwなんでだよwwwwwww」
「なんでってwwwww国吉が先発したからだろうがwwwww」
「アアアアアアアアアwwwwwいい、いい試合でしたァァァァァァ」

もう吐きそうな姫ではない。ありがとう国吉くん。カッコ良かったよ!
…そんなバカ話をしているうちに、ドーム前駅についた。
 

「こっちのが雨降ってるな」
「ドームでよかったな」
「…甲子園の前にもイオンあったしここにもイオンあるけど何なの、大阪は球場のとなりにイオン作らないといけない規則でもあんの」
「俺が知るかwwww」

己が大阪ドームに来ているという実感がさっぱりわかない。雨脚がやや強まる中、そうか大阪ドームかぁ…とうろうろしていたら山田ニキにチケットを渡された。

「自由席、三塁側でええか」
「ハム檻ならもう完全にどこでも」
「一塁ベンチ見えるとこにしよか、白崎見られるかもやで」
「わー!白崎ヒーロー今上に居るんだったわね、見たい見たい」
「あとハム側のいいケツ見たいやろ」
「えっ」
「わかってるって^^」

わかられましても…

 

 

散々、録画で、スポーツニュースで、Sky-Aで見たあの大阪ドームに、居る。
うわぁ…と思った。まさに、丑の民の聖地である。
昨日、マツダスタジアムに「来ちゃった速報」だしたのも17時ジャスト
偶然にも大阪ドームの速報も17時ジャスト。デステネイ。

「白崎や」
「あっいいケツしてるやっぱり!ケツナンバーワン!」
「…おまえと言うやつは…」

己が大阪ドームで野球を見ていることも(まだ練習だが)白崎選手がバファローズのユニフォームを来ていることも俄かに信じ難い。
ほんとうに別の世界線、パラレルワールドに居るような感覚である。

ハム戦、最後に見たのいつだっけ。去年の4月に弊社の民たちと東京ドームで見たな…ってあれもオリ戦だったな。でもアレ以来だ。

ハっと目を引くイケメンが居るなと思ったらおーたたいしであった。
この人もまた、別の世界線を生きている雰囲気がすごい。

投げてる感じとか、いつかジャイアンツ球場でみたのと変わらないのに
姫の知ってるおーたたいしじゃない… 魔改造されてる…
 

「いてまえドッグ買いに行こうぜ」
「おうよ」
 

ケチャップを始めとするシーズニングがセルフ方式。
浮かれてマスタードもケチャップもかけ過ぎてしまった。

ブルベルを見ながらいてまえドッグを齧る。辛い!マスタード多いわ。
(自業自得です)
球団マスコットにさほどウェーイ、となる姫ではないけれどこのときのブルベルはカワイイと思って見ていた。動きがかわいい。あぁ、これは生で見ないとわからないな、と思った。

試合展開が早くテンポ良い。山田ニキは大城選手の出場にはしゃぐ。

「アアアアアアア俺今日来てよかったわ!!!!!!」
「結果オーライやな甲子園残念だけど」
「ほんとおまえ、持ってるな!」
「え、姫かよwww」

ハムに先制点が入る。さすが清宮選手。山田ニキとハイタッチ。
中立の立場で見てるとは言え点が入るのはうれしいものである。
いや清宮くんすごいわ…持ってるわ…タイムリー3ベースて。
 

「ハムのお勧め選手は誰かいないの」
「おまえにお勧めするとなると尻中心になるよな」
「えっ…」
「尻か顔だろwww」

ぐうの音もでない。

「横尾くんとかお勧めや、おにぎりくんや。サードやで、見とき」
「よこおくん。鎌ケ谷でも会えたりすんのかな」
「あー俺鎌ケ谷行きそびれたのやっぱり悔しいわ」

そうだった、9月上旬のの鎌ケ谷に行く計画を立てていて、台風が直撃しそうでやめたんだった。来季また行けたらいいな。

ハムの選手ほんとうにわからない。わからないけれどさっきからちょこまか出てきてキャッチボールしてゆく背番号12番の子が気になる。いいケツ。

「背番号12番ってだれ」
「12はえーっと、まつべり」
「まつべり」
「松本剛。あぁ、まつべりいいケツしてるよ」
「うん、いいケツしてるなと思ったから聞いた」
「ほんとうに、ほんとうにおまえって奴は」
「姫が自発的に聞くなんてそこしかないじゃないですかw」

背番号12番、松本選手。通称まつべり。覚えた。これだけでも収穫。
 

試合は2回にハムが先制してから淡々と両チーム0点が続いている。
そうだ、せっかく来たんだから白崎タオルと高城タオル買おう。
地下のショップへ向かう。ドーム内にエスカレーターってすごいな。コンコースも全体的に広いし、なんかデパートみたいな明るさだし。
しかも地下のショップ広い…広くて空いてる…

「選手名タオル:完売選手一覧<入荷未定です>」とかかれたPOP、
2・白崎浩之選手 22・高城俊人選手 の名前があった。残念。

「タオル、ヒーローもジョーも完売だった」
「まじか、残念やったな」
「まぁ、しょうがないよ、来られただけでありがたいよ」
「マジおまえがここにいるの面白くてしょうがないわwww」
「面白がってもらえるんならなによりよwww」
「俺さ、わかったわ。おまえはさ、存在自体がエンターテイメントだわ」
「どういうwwwことwwwww」
「存在そのものがエンターテイメントなんだよwwwエンターテイナーじゃなくてwwwエンターテイメントwwwww」
「ちょっとまってwwまってwwwそれなに、姫の存在がコンテンツってことなのwwww」
「そうwwwwおまえの存在がもうコンテンツとして成り立ってるwwwおれこの3日でよくわかったわwww」
「まぁwwwいいよそれでwwww面白がってもらえるならwwwww」

試合は展開が速く7回裏。バファローズがチャンスを迎えている。
白崎ヒーローが代打に出る気配があったものの、ベンチ裏に引っ込んでしまった。
そしてマウンドには宮西投手。山田ニキが今日イチの顔をしている。
時刻は20時15分。山田ニキのルート計算によればここを20時35分に出れば新幹線には間に合うらしいが、なにより雨である。雨と、慣れないルートの乗り換えである。早めの行動にこしたことはない。

「ちょっと早いけど、そろそろ行くわ」
「お、早くないか大丈夫か」
「雨脚強そうだし、早めに動くわ。いいよ、一人でいくから。みゃーにし応援して!」
「お、おうすまんな」
「いいっていいって、こちらこそありがとうね色々、マジで」
「ほな、また。念のため良いお年を!www」
「そだね、念のため良いお年を!!」

コンコースに出たところでLINEが入る。

「丑!河内のオッサン!!!聞こえてるか!なんなら戻ってこい!」

聞こえてる。ありがとう。大阪ドームで。河内のオッサンの丑聞いてる。
ちょっと泣きそう。向こうから近鉄ユニのおっさんが歩いてきた。
しかも背番号5、村上ユニ。うわぁ…うわぁ…!!!
あれっ、河内のオッサンの丑ってことはみゃーにしこと宮西投手もしかしてピンチなんじゃないの…?

鳴り響く河内のオッサンの丑を背に大阪ドームを出た。後ろ髪引かれまくりである。しかしタイムリミットが迫っている、しかたない。

 

 


『推しが突然先発することになったから、万障お繰り合わせて応援しに行きます』【第七部:やきうの神様】へ続く