「最高裁」をテーマにラップを書いてみた話 | 弁護士明石順平の小話

弁護士明石順平の小話

弁護士法人鳳法律事務所に勤務する弁護士明石順平が小話を綴っていきます。

【大・逆・転】

一審棄却,二審も棄却,納得いかねえ即上告
年末年始に書いた書面 熟読しろやJの面々

まさかの展開 弁論開催 
そして舞台は大法廷
憲法違反?判例変更?
原判決破棄マジ期待

来たぜ最高裁判所
東京都千代田区隼町
隼いねえぞ隼町
これが世に言う奇岩城
やけに高えぞこの天井

傍聴希望が超えたぜ定員 
席を埋め尽くす傍聴人
緊張Max大法廷
滅多に見れねえこの光景

そして登場裁判官
司法トップのフィフティーン
J・P官僚計10名
Bと学者で計5名
保守的なのはこの構成のせい?頼むぜ裁判長
大法廷にしか来ねえ人

さあ弁論かますぜマイリリック
耳かっぽじって聞けこのロジック
これぞ正に立て板に水
この弁舌はコミカドを超す

燃え尽きろヒート
ふるえろやハート
刻みこめビート

ヒートなハートでビートinコート

後日判決言い渡し
原判決破棄差し戻し
二度目の二審は和解で終了
内容的には勝訴と同様

俺を信じた依頼人に感謝
ご唱和下さいご一緒に

大・逆・転! ア ソレ  
大・逆・転! ア ヨイショ
大・逆・転! ア ソレ  
大・逆・転! ア ヨイショ
大・逆・転! ア ソレ  
大・逆・転! ア ヨイショ
大・逆・転! ア ソレ 
大・逆・転! ア ヨイショ

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※J=裁判官,P=検察官,B=弁護士。法曹界での略語。
※最高裁において二審の結論を変更する場合は口頭弁論が開催される。滅多に無い。
※憲法違反の判断や最高裁の判例変更をするときは大法廷(最高裁判事15人全員で構成)で審理を開催。
※奇岩城=最高裁の建物の外見等々からつけられた異名。
※最高裁の天井はマジで高い。
※隼町に隼がいたのは多分江戸時代まで。
※最高裁判事の構成は,裁判官出身6名,検察官出身2名,官僚出身2名,弁護士出身4名,学者出身1名。つまり,国家公務員出身が10名。
※大法廷の裁判長は最高裁長官。長官は小法廷(5名で構成)にも所属しているが,慣例として基本的に小法廷には出席しない。したがって,最高裁長官を見ることができるのは原則として大法廷のみ。
※リリック=歌詞という意味。
※立て板に水=弁舌が達者で、よどみなく流れるようにしゃべること。
※コミカド=古美門研介。ドラマ「リーガル・ハイ」で堺雅人演じる主人公(弁護士)。異常な長台詞を異常な速さと滑舌の良さで喋り倒す男。

※「燃え尽きろヒート」「ふるえろやハート」「刻みこめビート」⇒ジョジョの奇妙な冒険第4巻参照。
※コート=法廷。裁判長の名を冠して●●コートなどと言う。例えば,最高裁大法廷の場合,寺田最高裁長官が裁判長なので寺田コート。
※原判決破棄差し戻し=二審でもう一回やりなおせという意味。差し戻さずに最高裁が自分で最終的な結論を出すのは破棄自判。
※ア ソレ ア ヨイショ ⇒ from IKZOパイセン。

※私は最高裁で逆転した経験はありません。