無事に歳をとって、どんどん生きやすくなる。毎年破滅の年だった20代は去年あたりから様子がおかしくなり、今ではすっかり穏やかだ。健康と料理にハマっている。乳酸菌を毎日とり塩分に気をつけている。自分でつまみを作ってうまい酒を飲むのが楽しい。好きな人のことをどんどん好きになる。うっすらと一緒に住んだら、という、たらればのふわりとした話をするようになって嬉しい。
 


初めて姿を見たときのことを何度も反芻してきた。




いつまでも懲りなく小山田壮平の話をするけれど、なんでこんなに好きなのかと考えると、「キザな言葉も変態的な衝動もその時君にやってきた運命なんだ」「誤解されないように生きるなんて無理な話 そんな気持ちも全て流れていくのだから 面倒くさい奴も爽やかな人もいい 誰が現れたって真っ直ぐに見つめよう」ということを言う人だからだ。自分の中の人並みの穢れからとことん潔癖に向かおうとするところ、快楽を否定しないところ、嘘じゃない本当を求め続けるところ。今までのライブ映像見ていると2011年以前は死んだ目をしていて2012年から顔が変わって2014年には笑いながら幸せそうに歌うようになった。そして私も歳を取り、バンド時代よりソロの歌の方が生活に合っていて、今までも素敵だったけれど今が一番素敵なんだ。一緒に歳をとっているようで嬉しい。





歳を取ることが、穏やかな気持ちで生きれることが、こんなに嬉しいということ、10代の頃の私は知っていたはずで、しかしこんなに早く楽になれるとは意外だった。若さが辛くて早く老人になりたいと思っていた。





心の大事な部分はわざわざ口に出していうものではなく、そうやって無口になっていったあの子も私には色々話してくれる。





ハンサム食堂の思い出があるよ。