小父さんから

毎日新聞　2023/5/28　東京朝刊 有料記事

■脳トレ川柳（☆は川島指南役選　★は昇段者）

☆老いの知恵スマホに出ない答えあり　　　神戸　　郡孝夫　　　★初段　86歳

☆80年使えばゆるむそこかしこ　　　　　　　宮崎　　　　　はなのママ　　　　　80歳

☆名前あり後からひとり杖（つえ）帰る　　　　和歌山　　　　婆やん　　　　　　　96歳

　第5類もうかからんぞ金かかる　　桜川　　青空散歩　　　初段　69歳

　旬と言い初物嚙（か）む歯二十本　　　　　　奈良・広陵　　跳躍姫　　　　　　　71歳

　定年か見かけぬ人が散歩道　　川西　　　　　多川義一　　　五段　83歳

　無位無冠心意気なら金メダル　　　　　　　　周南　　　　　生涯乙女　　　二段　70歳

　ツラの皮厚いのになぜシワが寄る　　　　　　高槻　　　　　極楽とんぼ　　　　　82歳

　ねぇ今日は腕組み歩こうおしゃれして　　　　東京・世田谷　とみちゃん　　　　　75歳

　花を買う笑顔のためとメモをして　　　　　　浦安　　　　　のぶはる　　　　　　89歳

　スマホなど無かった時こそゆとりです　大阪　　真知子　　　　初段　71歳

　寿命延び健康寿命追いつけず　　仙台　　　　　林功　　　　　初段　85歳

　横文字を調べ翌日また調べ　北九州　　　　四葉苦労婆　　　　　74歳

　同窓会肩書捨てぬ奴（やつ）がいる　　　　　平塚　　　　　浦島駄郎　　　　　　83歳

　針に糸無理だが入る鼻に指　　　　　　　　　大阪　　　　　すこやか　　　　　　88歳

　エアコンも暑い寒いで忙しい　前橋　　白井しげみ　90歳

　年金と歩幅合わずに今日もゆく　　津　　イカ好き娘　　八段　78歳

　流し目で注意されたよ視野検査　　　　　　　守口　　　　　瀧信夫　　　　　　　86歳

　特売日となりの夕餉（ゆうげ）も同メニュー　東大阪　　　　うさぎ　　　　　　　48歳

　目の手術しみじみ見つめた妻の顔　　　　　　福岡　　　　　晩成　　　　　二段　79歳

指南役講評
　郡孝夫さん、人工知能たちが恐るべき速さで進化してきており、知識量という点では我ら人類は足元にも及ばなくなりつつあります。人工知能の膨大な知識でもたどり着くことができない、人類だけの知恵とはいったい何になるのでしょうか。ぜひとも、老いの知恵で教示願います

▼はなのママさん、こころはゆるゆるのほうが幸せで、ええじゃないか。体もゆるゆるだって他人に迷惑かかるわけでなし、ええじゃないか。財布のひももゆるゆるのほうが経済ぐるぐるまわって、ええじゃないか。ということで、このままゆるみ続けてください

▼婆やんさん、忘れ物が戻ってきて良かったです。じゃなくて、名前だけでどこに住んでいるのかわかってしまうなんて超有名人なんですか？って、そこじゃなくて、杖（つえ）なしで歩いて帰れたのですね。もしかして、転ばぬ先の、ではなくて、護身用の仕込み杖だったりして。


　いいね　今の私は脳が衰えていくばかり。脳トレこそが必要に思われて来た。水色字に変えたのは、自分に大きく共感できる川柳です。中でも「スマホ」、「横文字」、「エヤコン」なんて日々難儀しているところです。川島教授有難うございました。