大学生の感想 | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

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 今月の初め

 私ごときが無謀にも大学の教壇でお話しをさせていただきまして

 その感想が届きました

 

 (読むのが怖いよー)

 

 ちゃんと聞いてくれたんだな

 というのもあれば

 オレ、そんなこと一言も言ってねえぞ

 というのもけっこうあり(笑)

 

 そういう文は血が通っていないというか、無機質というか

 漁業やESDに関する一般論が羅列されているだけ

 たぶんAIが書いたんだな、これ

 

 真崎わかめの塩分の話なんぞ一言も言わなかったんですが

 「ふつう塩蔵ワカメは塩分量が40~50%なのに対し、真崎わかめは25%・・・・」

 どっから聞いたの???

 たぶんHPから拾ったんですかね

 

 今はいろんなやり方があるのね(笑)

 

 

 なんて言うんでしょう

 心の底から出た言葉は、文字になってもそれが伝わるような気がします

 言葉に言霊が宿るように

 文章になっても想いは伝わる

 (ような気がします)

 

 AIが生成した画像って、ものすごくキレイで非の打ち所がないじゃないですか

 けど、ただキレイなだけのような気がします

 アラーキーの写真って雑然としてて全然キレイじゃない

 けど、なにかが伝わってくるような気がする。その場の温度とか匂いとか

 この違いは何なんですかね

 やはり、想いというか情念というか魂というか

 そういったものが乗り移るんでしょうか?

 

 

 漁業後継者のことを話す際に

 成績優秀な生徒が家業の漁業に就業すると言ったら、学校の先生が

 「良い大学に進学した方が絶対に幸せ」

 そう言って漁業に就業することに反対したというエピソードを紹介しました

 

 漁業そのものじゃなく、それに対する意見が多かったです

 なんだかんだ言っても、結局は先生の言うとおり

 私が親だったら先生と同じ事を言うと思う

 といった意見もあれば

 収入の多さ=幸せとは限らない

 先生がそんなこと言っちゃダメだと思う

 という意見もあり

 

 まあ、社会人になれば、否が応でも日々の暮らしと直面しなくちゃなりませんから、社会に出たあとは意見も変わるかも知れませんね

 やはりお金はたくさんあるに越したことはないって思うかも知れませんし

 

 結果的には、その子は大学に進学せず漁業者になりました

 田老町漁協の組合員じゃないから解りませんけど

 去年は塩蔵ワカメも乾コンブもウニも値段が良かったので

 養殖の規模から察するに、おそらく優に1千万円以上の水揚げはあったんじゃないでしょうかね

 

 漁業は経費も係るので、収入がそのまま手元に残るわけじゃないんですけど

 大学生の皆さんに

 「その子は去年1千万円以上の収入がありましたよ」

 なんて話したら、反応はどうだったでしょうね

 言っておくんだった~

 

 

 

 あと

 会社で働く人は鬱病など精神病で働けなくなる人がたくさんいますが、漁業者で鬱病って聞いたことがない

 という話をしましたら

 

 漁師町出身の生徒さんだそうですが

 思えば私の地元の漁師も鬱病とか聞いたことがありません。私は将来教師になろうと思っているんですが、教員は精神病になる人が多く、心の健康を不安に思ってきました。教員になったら、誰もが安全に働く環境を作っていきたいです

 

 先生って本当に大変な仕事だと思いますけど、先生がいなかったら学校は成り立ちませんから、ぜひ、心身共に元気な先生になってください。がんばりすぎると疲弊しますし、周りとの軋轢も生まれるので、がんばりすぎないようにがんばって(笑)

 

 今回の講義を聞き、幸福や労働の価値を経済的なところに求めすぎている現代人(若者)の有様を突きつけられたような気がした

 あのー、突きつけたつもりはないのですが・・・

 私も同じように思いますよ。若い人は

 「年収は?」

 「給料は?」

 「手当は?」

 って聞きますもの

 お金以外の所に価値観を見いだせないので、お金で判断するしかないんですかね

 大谷選手の通訳のようにならないでくださいね

 

 

 

 純粋に水産に関する部分では閉鎖循環によるウニの陸上養殖に関する反応が多かったです

 私は漁業者個人ができることを目標にしてるんですけど、全く進んでいません

 本当にそんなことができるのか、本当に儲かるのか

 漁業者が懐疑的なんですよね、当然ですけど

 学生さんが実際にやってみて「こうやればできますよ」とか「こうやれば利益が出ますよ」とか漁業者に伝えてくれると一気に普及するんじゃないかと思うんですけどねえ

 漁業者って意外と学歴に弱いところがありまして

 私が言うよりも学歴がある人が言ったことの方を聞く

 

 

 

 そこは盛岡にある大学なんですけど、生徒さん達、岩手の漁業のことをほとんど知らないんですよ

 岩手の大学なんだから学生さんにもっと岩手の漁業のことを知ってもらって、漁業の後押しをしてもらいたいんです

 力を貸して欲しい

 知らなかったら何も始まらないので、漁業に携わっている人間が直接生徒さんにリアルな話をする場は必要だと思いましたよ

 話だけじゃなく、食べさせれば良かったかも知れませんね

 間引きのワカメとか生きてるウニとか鮮度抜群のイカとか

 コンビニの弁当ばっか食べてる子らには衝撃を与えることができたでしょう

 

 

 

 正直なところ、クソ忙しい中、資料を作るの大変だったですけど

 今となれば、話をさせてもらって良かったなあと思います

 (生徒さん達にはご迷惑だったかも知れませんがw)

 

 今年でこの授業は終わりなんだそうで

 もう二度と大学の門をくぐるとこはないでしょう

 良い経験をさせてもらいました

 ありがとうございました

 

 

 私が大学の教壇に立ったなんて言っても、中学・高校の時の先生は誰も信じないだろうなあ

 

 友人らは・・・・

 笑うな

 「オメーが大学の生徒さんに何を教えんのや?」

 って

 爆笑でしょう