死刑にいたる病

2022年 日本

監督:白石和彌
出演:阿部サダヲ / 岡田健史 / 岩田剛典 / 宮崎優 / 鈴木卓爾 / 佐藤玲 / 中山美穂

 

 

ーーーーネタバレを含みますーーーー

 

 

きつい。

 

想像以上にグロかった。トラウマのオンパレードで倫理観が麻痺した。

僕ダメなんですよ、グロいの。特に拷問がダメなんです。痛いのが苦手なんです。あまりにグロくて目を背けてしまった。拷問シーンが怖すぎて薄目にして恐る恐る見た。僕、ホラーは全く平気なんですけど。映画を見て目を背けるなんてよっぽどです。それくらい無理だった。

阿部サダヲが怖かったんです。拷問されて爪を剥がされたあと阿部サダヲになにされるのか分かんなくて怖くて目をつぶってしまった。阿部サダヲが何考えてるのかわかんない目をしていて本当に怖かった。あの目が笑ってない目が怖い。目に光がなくて生気の無い真っ黒な目が怖い。あの黒すぎる黒目は映像をいじってるんでしょうか?黒く修正してんの?

 

とにかく阿部サダヲが怖かった。

とにかく阿部サダヲサイコパスだった。

 

いや、でもね、この映画を見てて、本当にきつかったのは、後ろの席のカップルが呑気にポップコーン食ってて、その咀嚼音がずっとボリボリうるさかったのが一番きつかった。

後ろの両サイドから耳元にドルビーサラウンドのように最初から最後まで永遠ポリポリ聞こえるのが本当に苦痛だった。よくもまあこんなハードでグロい胸糞な内容でポップコーンなんか食えるなと。神経疑いましたよ。よりによってだよ。

お前のそのポップコーンにコーラぶっかけて床にぶちまけて踏みつけるぞクソが!!ってずっとイライラしてたんだけど。ひょっとしたら自分もこの映画の猟奇性に影響されてしまって良く無い思考になっていたのかもしれない。そんな暴力的なことを考えてしまうなんて…僕はとうとう頭が変になってしまったのかもしれない。

主人公の岡田健史演じる筧井雅也がどんどん深い闇に落ちて狂ってしまうように。自分もサイコパスな思考に陥ってしまったのだろうか。血に染まったポップコーンが映画館の宙を舞う絵がスローモーションにフラッシュバックして僕は頭を抱えた。

 

「ポップコーンうるせえ…!!!!」

(映画館でポップコーン売るのもうやめません? )

 

どんなに劇中の阿部サダヲサイコパスで、それをとりまく周りの人間が阿部サダヲの猟奇性に影響を受けて事件が複雑になっても。

爪を剥がされる拷問シーンや、惨殺された死体が出てくるシーンでも、ポップコーンをボリボリ食ってるカップルのほうが誰よりもサイコパスだと感じてしまってダメだった。

 

正常な精神状態で見れなかったので、ちゃんとした感想が書けなくて残念です。

いや、それほど嫌悪感がすごい映画だったってことなんだろう。精神的な繊細な箇所をずっとチクチクと刺されている嫌悪感。

 

阿部サダヲがとにかく圧巻で、今後阿部サダヲを直視できなくなってしまうかもしれない。阿部サダヲのことが嫌いになってしまうかもしれないくらいの怪演でした。

そして、岡田健史も素晴らしかった。この二人の面会室のシーンが見所だった。