心と身体は表裏一体って言葉を聞いたことありますか・・・?

心の問題が体に何らかの影響を与え、またその逆に体の問題が心に何らかの影響を与えるって意味です。

長年に渡り、どこに行っても症状が良くならない患者さんには本人が自覚しているかしていないかにかかわらず必ずこの問題が深く関わっています。

子供の頃に学校に行くのが嫌だな〜って日は急にお腹が痛くなった経験はないですか・・・?

大勢の人の前で話をしないといけない時など心臓がバクバク、手には汗って事ありますよね・・・。

あれも心の問題が体に変化を起こしている一つの症状です。

これらの問題が病的になったものがパニック障害なんです。

電車で移動中に急に胸が苦しくなり過呼吸になり頭がクラクラ吐き気を催しパニックを発症・・・。
その日を堺に一人で電車に乗れなくなった30代女性が母親に連れられてやっとのことで当院に来院されました。

その女性は、元々うつ傾向もあり抗不安薬や睡眠導入剤なども日常的に服用していました。

体を調べるとやはり交感神経優位の体で体全体が過緊張状態で相当疲弊していました。

一通り体の緊張を緩和する治療と問題のある箇所を軽めに治療した後、パニック障害の治療を始めました。

パニック障害の治療は心に働きかける治療で、簡単に説明すると本人に気づかせる治療になります。

この女性の場合はパニック障害を発症してからの期間が短かった事もあり、その際の治療がすんなり受け入れられたようで次回来院時には一人で電車に乗って当院に来ることが出来るほどまでに回復していました。

中々この女性のように一度の治療で改善するケースはそんなに多くはありませんが決して無いわけでもありません。

精神的な問題が多くを占めている症状ほど、うまくいけば症状は劇的に改善する可能性が高いのです。

嘘のような話ですが本人の気持ちや思考が変われば、それに応じて症状は簡単に変化してしまいます。

逆に、それ程気持ちの問題や思考が体を悪くする原因にもなっていることになります。

一番厄介な問題は、気持ちや思考の問題が長期に及び体を悪くしている場合です。

何年もの間どこへ行っても症状が良くならない人は精神的にも肉体的にも弱ってしまっているので治療の効果が出るのに時間がかかります。

すると途中で疑心暗鬼になり治療を中断してしまう人がおられます。

せっかく改善傾向を示しているのに本人がそれを自覚することが出来ない・・・自覚したくない為に悪い所ばかりに意識が行ってしまい体の調子が良くなっている実感が持てない状態になっています。

その結果何か他に良くなるものは無いのかと色々探し求め、さまよい歩くハメになります(ドクターショッピング)

何年にも及ぶ体の不調ほど体だけの問題ではなく心の問題が大きく関わってきます。

そこの所をしっかり考えながら治療する事で時間は少し余分にかかりますが症状は寛解していきます。