座席表
H奥田愛美

・E―5 奥田愛美さんの実験

奥田「……できた」ボコボコボコ
※奥田愛美=E-5 理科なら学年一位も取る実践派の眼鏡っ子。将来発見したいもの"友達を幸せにする化学式"
奥田「これを人が飲んだらたちまち筋肉が活性化してムッハー状態になるはず」

奥田「その上副作用もなく中毒性もない優れもの……」

奥田「皆の役に立てるかなぁ……えへへ」

奥田「あ、でもその前に実験しなくちゃ。人が飲んでも大丈夫かどうか……」

奥田「友達で試すわけにもいかないし、殺せんせーは毒でも違った反応がでちゃうし……」

奥田「……」 スッ

奥田「えいっ」クイッ ゴクッ ゴクツ ゴクッ ゴクッ ゴクッ......

奥田「んん……んんっ……んーっ!」ムッハー

奥田「!?」ドックン....ドックン.......ドックン.......!

 

烏間「」カタカタカタカタカタ
※烏間惟臣=副担任 暗殺訓練担当、精鋭部隊所属、六巻時点人類最強
烏間「よし。テストはこの形式でいいだろう」

烏間「……」

烏間(これでいいのか。このままで本当にあいつを殺せるのか)

烏間(子供ならではの大胆な発想でなんとかやつをあそこまで追い詰めたものの完全防御形態という代物まで出てきてしまった)

烏間(これは確実に彼らの功績だが……しかしこのままでは……)

烏間(無力だな、大人は。不甲斐ない)

烏間(例え精鋭部隊の人間がクラスメイトとなりやつを取り囲み観察したとしてもああ上手くいっただろうか)

烏間(……しかし同時に胸に込み上げるこの気持ちは、教職のそれか。悪くない)

フエェェェェェン

烏間(なんだ?)

 

烏間「泣き声はこっちか」カッ カッ カッ カッ カッ ガララララ
フェェェェェン
烏間「……子供?」

幼女「ふぇぇぇぇぇん……ひぐっ……ぐすっ」

烏間「なぜこんなところに子供が……服も着ていない。事件か?」スッ

幼女「ひっ……びぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"んっ」

烏間「……君、両親は」スッ

幼女「びぇぇぇぇぇびぇびぇびぇ"え"え"え"え"え"んっ!!」

烏間「困った……子供は苦手だというのに」
ガラガラガラ
片岡「あ」
※片岡メグ=E-6 通称でイケメグとまで呼ばれるイケメン女子。共依存ルート脱却済み。
烏間「丁度いいところに来た。片岡、この子供なんだが――」

片岡「烏間先生が女の子に悪戯してるー!?」
 シテルー シテルー シテルー シテルー シテルー(エコー)
烏間「ま、待て! そうじゃない!」

片岡「裸の女の子泣かせてなにを言い訳するつもりですか!?」

烏間「違うんだ! 話を聞いてくれ!」

片岡「言い訳が既に犯罪者です!!」

 

ザワザワ ザワザワ

村松「烏間先生が?」
※村松拓哉E―24 寺坂グループの一人。放課後ぬるぬる強化合宿でぬるぬるにぬるぬるしたことにより成績向上。なにげに男子一の料理上手であり、女子一の料理上手原さん(暗殺教室きってのぽっちゃり系女子)と火花を散らす程である。
吉田「泣き叫ぶ幼女を?」
※吉田大成E―26 寺坂グループの一人。バイク好きにより殺せんせーと語り合い友情が芽生えたのかもしれない。
狭間「シャッターチャァーンス」ニタァ... パシャッ
※狭間綺羅々E―18 オカルトなビジュアルと不気味な雰囲気を漂わせるわかめ髪のサブカル女子。自他共に認めるミス肝試し日本代表(お化け側)。

烏間「だ……これは……ち……」冷や汗タラー

片岡「ビッチ先生が可哀想」

烏間「せいれぇーつ!」

四人「っ!」ビシッ ビシッ ビシッ ビシッ

烏間「だからこれは突然のことでだな」ペラペラペラペラペラペラ

吉田(こんなうろたえる烏間ン見るの初めてだ)

狭間(弱味げーっと……)キヒヒ

 

片岡「はぁ……知らない女の子でいきなり現れた、ですか」

村松「ちっ、つまんねーの。かいさーん」

吉田「だなー」

狭間「今度何を買ってもらおうかな……」クスクスクス

烏間「」ゾォッ...

烏間「ああ、そうだ片岡。それでこの子供なんだが、誰かの妹だったりしないか?」

片岡「妹だとしても裸なのはおかしいですよ」

烏間「ああ、事件性も考慮している」

幼女「びぇぇぇぇぇえん!」烏間スーツ羽織り済み

片岡「どうしたのー、大丈夫だよー」ナデナデ

片岡(なんか見覚えあるんだけどなぁ……このお下げとか、眼鏡とか……)

 

片岡「とりあえずこのままじゃまた誤解を受けてしまいますから、教室で待っててください。次の授業は移動教室で行われるので人はいないはずです。私がみんなに聞いてみます」

烏間「ああ、助かる」

片岡「では」タッタッタッ

烏間「……ということは五十分、子守りか?」

幼女「ひっぐ……ぐすっ」

烏間「放っておくわけにもいかんしな……」

 

烏間「そこの席に座っていてくれ」

幼女「あい」スッ

烏間「片岡のお陰か静かになってくれた。このままでいてくれるといいんだが」

幼女「……」足ブラブラブラーン

烏間「……」PCカタカタカタ

幼女「せんせー」

烏間「なんだ?」
烏間(……先生?)

幼女「うっ」ビクッ

烏間「待て、泣くな、なんで泣くんだ」

幼女「だって……だって……ぐすっ」

烏間(ああ、くそ、どうすれば……こういうのは鷹岡の得意分野だ。……最悪の子供が育ちそうだな)

幼女「うっ、うっ、うっ……びぇぇ……え」

 

烏間「べろべろばー(棒読み)」
烏間(確か子供はこれをすれば泣き止むはず)

烏間の思いも虚しく幼女は戦慄していた。
産まれて初めて見る"あやす気の皆無なべろべろばー"の背後に死神の鎌を見たのだ。
鬼兵士の"べろべろばー"には泣く子も黙る威圧感しかないのだった。

烏間「べろ」

幼女「っ」

烏間「べろ」

幼女「!」

烏間「ばー」

幼女「ひ、ひ、ひんぎゃびぇぇぇぇぇぇん!」

烏間(……なにがいけないんだ)

 

烏間(こうなったら)

どこからともなく烏間はガラガラを取り出したッ!

烏間「ふっ」ガラガラ ガラガラ ガラガラッ

幼女「?」

烏間のガラガラ振りは短刀で行う対人格闘術の高速版であったッ!

幼女「わー」

烏間の演舞は意外と受け入れられたのだったッ!

烏間「ふんっ」ガラガラ ガラガラッ ガラッガラガラ

幼女「あはは」パチパチ パチパチ

烏間「……ふう」ツー

烏間(戦場ではかかなかった類の汗だな)

烏間「それで、どうしたんだ?」

 

幼女「あの、えっと、あのね……どうしたら、ともだちを、しあわせにできるの?」

烏間(最近の子供はませてるというが、そういうことなのか? やけに深い問いかけな気もするが)

幼女「せんせー?」

烏間「友達を幸せに、か。そうだな……」

烏間「そう思ってあげられるだけで、充分に幸せなんじゃないか? その友達は」

幼女「そんなのじゃなくて、もっとぐたいてきなのー」

烏間(こんな幼い子に具体性を求められるとは……)

幼女「せんせーは、どうやってともだちをしあわせにしてきたの?」

烏間「友達を……幸せに?」

 

烏間(考えたこともなかったな。友達を幸せにしようという発想すら考えてみれば普通ないだろう。それはなぜだ?)

烏間(俺は友人とどういった付き合いをしてきただろう。友人……戦友とも呼べるが、しかし戦友と友人は別物であるはずだ)

烏間(戦友であるなら幸せを求め合うよりも力の信頼が不可欠だ。背中を任せられない奴と戦場は歩けない)

烏間(ならば友人とはなんだ。戦場を介さない友人……俺の、友人)

烏間「そうだな。俺は友達を幸せにしてこなかったのかもしれない」

幼女「……ふぇ?」

 

烏間「俺にとっての友達とは幸せを与えるものではなく、共有するものだった」

烏間「だから、厳密には幸せを与えたわけではない。与えられたわけでもない」

烏間「友達と一緒に幸せを作ったのか、産むのかは知らないが……その場にできた幸せを共有する。それが俺にとっての友達だ」

幼女「……」

烏間「友達を幸せにしたい。その気持ちはいいことだ。だけどな、幸せってのは一人で作るんじゃなく、誰かと一緒に作るものかもしれないぞ」

幼女「……うんっ」

烏間(考えたこともなかったな、こんなこと……子供に教えられるか)

幼女「せんせー、ありがとっ!」ギュッ

烏間(……悪くないな)ナデナデ

片岡「烏間先生、みんなにも聞いてみたんですけど誰かの妹ではなさそうです」ガラガラ

ザワザワ ザワザワ ザワザワ

    ぼふぅっ

 

烏間「あ」

奥田「あ」全裸の上から烏間のスーツ着用(ズボンは無し)で烏間に抱きつき

片岡「あ」

クラスメイト全員「あ」

ビッチ「ああああああああああああ!?」

奥田「きゃああああああああああああ!」パッ

ビッチ「あんた! 私に欲情しないと思ったら! この! クズ野郎!」バチンッ

烏間(ぐ……なぜか避けれなかった)ヨロ

ビッチ「生徒に手を出すなんて最低よ!」

片岡「そっち!? その前に私達中学生ですよ!?」

ビッチ「そんなのは日本の成人が遅いだけだからいいのよ。外国では十四で元服よ」

片岡「江戸なんですか!?」

 

奥田「あ、あの、その、すみません!」

烏間「ま、待て、事情を説明してくれ」

奥田「すみません!」タッタッタッタッタ

片岡(事情が解るような解らないような……)

ビッチ「※☆×○▽■~ッ!」

片岡(説明しなきゃいけないのはこの人と……)

杉野「おいおい業、奥田さんと烏間先生のスキャンダルだぜー」

業「別にどうでもいいけど杉野を潰したい」

杉野「ごめんなさい」

片岡(クラスのみんなだよね)

烏間(……なぜ俺がこんな目に)

 

殺先「ぬるふふふ、なんだかとっても面白いものを見てしまいました」←最初から最後まで分身して授業をしながら見ていた

殺先「烏間先生の意外な一面も見れましたし、満足ですね」

殺先「……しかしこうなると余計にあのエロトラップが気になりますね。実はなにも理由がなかったりするんでしょうか」

殺先「だとしたら得体の知れない角度から怒られそうです……」

殺先「ま、まあなにかあるのでしょう。期待しましょう」アセアセ

殺先「さて、次は誰の一面を覗きに行きましょうかね!」←既に体裁を保たなくなったゲス