福聚講

今日1944年10月25日はレイテ沖海戦で日本海軍が事実上消滅した日です。今朝何の気なくYouTubeを開くと
名もなき兵士たちの軍歌というページが突然現れました。暫く聞いていましたが涙が出てきました。この名もなき兵士たちの供養は本当にできているのだろうかと思ったのです。そしてさらに戦後の様々な大災害(注1)はこうした名もなき戦争犠牲者の供養が出来てないからではないかとも思いました。調べてみるとやはり同じことを考えている論文がありました敗戦国となった日本は過去を見ないようにしているというのです（注２）。
今生かされている我々はこうした戦争犠牲者・災害犠牲者に心からの廻向に日々努めるべきと思いをあたらにしました。自分もいままでの緊張感の欠けた修法を改めなくてはと思いました。


注1）1943年9月10日　鳥取大震災死者M 7.2 死者1083人
1944年12月７日東南海地震M7.9死者行方不明者1,223 人
1945年1月13日 三河地震 M6.8死者・行方不明者2,306人
1946年12月21日昭和南海地震 M8.0死者1330人。
1947年9月カスリーン台風死者行方不明者1930人。
1948年6月28日福井地震M7.1死者3769人。
1948年9月16日アイオン台風死者行方不明者838人。
1952年3月4日十勝沖地震M8.2死者行方不明３３人
1953年6月25日西日本水害、死者行方不明100０人1953年7月16日南紀豪雨死者行方不明１１２４人、
1954年9月21日洞爺丸台風死者1361人。
1957年7月15日諫早豪雨死者行方不明者992人。
1958年9月27日狩野川台風死者行方不明者1269人。
1959年9月伊勢湾台風死者4697人。
1995年1月17日兵庫県南部地震M7.3死者6433名。
2011年3月11日東日本大震災M9.0死者・行方不明者1万8429人
2011年9月2日～3日台風12号死者・不明者92人。
2013年10月16日台風26号死者行方不明者39人。
2014年8月20日広島市土砂災害死者74人
2014年9月27日御嶽山噴火死者57人。
2018年7月上旬西日本豪雨死者271人。
2019年10月12日令和元年台風19号死者行方不明93名。

注2）戦後日本における戦没者の「慰霊」と追悼 という論文がありました。ここには私が日ごろ感じていることが以下の様に書かれていました。「・・・国民の中に共同の「英 雄物語」を形成できない敗戦国の場合には、戦争犠牲者や戦死者はまるごと忘 れられる傾向にあった。 敗戦直後の時期には、軍部と軍隊に対する大衆的な反感は、単に軍部指導者 に向けられただけでなく、往々にして一般の復員兵や戦没者遺族に対しても向けられるものであった。そして占領軍によって軍人恩給が停止されたこともあ って、戦死は「死に損」との意識が広まっていくことになる。こうした意識は、 戦死者を追憶したりその死の意味を考えるという方向とは逆のものであった。 この戦争とその犠牲者・戦死者を忘却する傾向は、高度経済成長後になると さらに加速する。これにはむろん戦争の時代から遠ざかったという時間の経過 や、歴史教育で過去の戦争について十分取り上げていないためでもあるが、そ れだけでなく、総じて高度経済成長以降の日本人には、現在とは異質の過去へ の関心が稀薄なのである。これは、日本人が現世主義的な生活態度を持してい る（現に目の前に存在しない死者の問題を考えることが少ない）ためでもある が、ともあれそこでは、現在の自分の「豊かな」生活と、それと異質の戦争や 戦争犠牲者・戦死者を積極的に結びつけて考えようとする意識が萎んでしまっ ているのである。」