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『安倍晋三と菅直人』非常時態のリーダーシップー尾中香麻里著

毎日新聞社に入社し、野党や国会を中心に取材していた著者が、同部副部長として東日本大震災と福島第一原発事故における菅直人政権を取材。

その後、2019年に退社し、47NWS、週刊金曜日、に記事を執筆しているしている尾中香麻里氏が、首相として 東日本大震災と福島第一原発事故に対応した菅直人首相とコロナ禍の対応にあたった安倍首相の対応を比較して書いています。

どちらも未曾有の出来事であり、多くの死者を出したことには違いがありませんが、慣れない対応ながら、菅直人官邸とその周りの人たちの本気度を詳細に書いています。

東日本大震災からコロナ禍まで約10年、政治に対する興味は10年前は今ほどなく、ネット情報も見ていず、テレビ放映が主でしたが、私にもその対応は雲泥の差があるように感じられました。

コロナ禍で私は悪夢の安倍政権と呼びたい

安倍首相はことあるごとに悪夢の民主党政権と10年近くも言い続けてきたが、私はずっと悪夢の安倍政権と思って国会答弁を見てきました。

東日本大震災と福島第一原発事故 がもし、安倍政権の時に起こっていたら、日本は今よりもずっと大きな被災を受けていたのではないかと思うと背筋が寒くなるように感じます。

東電さえ逃げようと思ったようですが、それを押しとどめ手探りながらできたのは、菅総理が技術者であったことも大きいと思うと、日本は本当に救われたと感じました。

その当時は、東京まで被害が及ぶのではないかとみられていたことをこの本を読んで知り、とても驚きました。

情報が入ってこない中で、懸命に対応に当たった官邸

12日の水素爆発、しかし官邸には詳しいことは入ってこず、14日に3号機の水素爆発、東電は撤退したいと言っていると言うが、菅 首相 は撤退はあり得ないという態度を貫き通します。

官邸に情報が届かないことに業を煮やした菅総理はヘリコプターで原発の視察に向かったときは「危機の際に首相が官邸を離れるべきべきではない」との批判が起こったことはニュースでも大きく取り上げられました。

しかし、最近になるまで、東電が隠していたことも明るみに出て、 菅首相 が行ったことが無駄だったとは思わないというような書き方もしています。

官邸は真っ先に住民の避難をしたが、その範囲が広がっていき、住民の不安や不満は膨らむばかりでした。

安倍政権との大きな違いは、原発法を使い倒す覚悟で菅直人政権は原発事故に対してかなり強権発動を行ったことのようです。

原子力緊急事態宣言はいまだに解除されていないのです。

その時の官房長官として夜も寝ずに働いたのが、立憲民主党を立ち上げた枝野代表であり、副官房長官は、枝野代表を支えた福山が幹事長でした。

ことあるごとに悪夢の民主党政権とやじる安倍首相のコロナ対策

安倍政権は国会を開いても際だったコロナ対策の方針は緩く、PCR検査も行われない状態で、受診の目安は「37.5度以上の発熱が4日以上続く」、「強いだるさや息苦しさがある」が条件で、そのような状態になっても保健所への電話が繋がらず、亡くなっていく人が出るなどの不手際が続きました。

その他、「大規模イベントの自粛」、全国一斉休業」などの法的根拠のない「要請」が出され、多くの国民に戸惑いを与えたのです。

緊急事態の時は国会を開いておくべしと言う、野党の要求にも応えず、

国会開催の要請にも応じないまま、突如健康を理由に総理を辞任し、その後管総理になったが、管もコロナ対策で失敗し、総理を辞めることになります。

何という対応の違いだろうと私は思いました。

まとめ

このように見てきたとき、東日本大震災が、自民党政権だったと思うだけで寒気がするようですし、日本はどのようになっっていたのだろうと思います。

ジャーナリストの靑木理氏が推薦文に「両政権を見つめ直す。誰もやらなかった仕事を著者は試みた。」と書いているように歴史に残る政権の差だと感じました。

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