中国の新学年は、9月から始まります。

よって、大学受験「高考」(gao1 kao3/ガオカオ)は、毎年、67日、8日に行われます。

もっとも、上海(shang4 hai3/シャンハイ)は、新型コロナの騒動のために、今年は7月に行うことになりました。

試験問題は、統一の問題を使っているところもありますが、原則、各省で独自に作っています。
よって、上海が日程を変えても、他の省は特に困りません。

大学受験の時期ということは、大学4年生にとっては、卒業シーズンとなります。
卒業論文などを提出するのでしょう。

そして、最近、何じゃコリア?な事件が起こりました。

西安(xi1 an1/シアン)に、西安科技大学という大学があります。
一応、中国の重点大学になっています。

簡単に言うと、雷(lei2/レイ)さんと盧()(lu2/)さんという2人の女子学生が、提出しなければならない卒業設計を、お金を払って誰かに作ってもらったのだそうです。

原文では「畢業設計(毕业设计)(bi4 ye4 she4 ji4/ビイェシャジ)となっていました。

卒業は、中国語では「畢業(
毕业)(bi4 ye4/ビイェ)と言います。
卒業研究のようなものなのだと思います。

また、代わりに作ってくれる人のことを「槍手()(qing1 shou3/チアンショウ)と言います。
替え玉受験の際の替え玉も「槍手」です。

正直、中国には、宿題請負業とか、卒論請負業とかの人たちは、たくさんいるようです。

中国の大学生にもピンからキリまであり、ちゃんと論文を書く人もいれば、そうじゃない人もいて、こういう職業が成り立っています。

それで、研究職に就こうとするのであれば、何じゃコリア?ですが、卒業するためであれば、まあ、しょうがないね、ということで、許されているのでしょう。

よって、この2人のように、卒業設計を「槍手」に依頼するのも、よくあることなのだと思います。

で、値段の交渉も終わり、お金を払うと「槍手」が作品を提出しました。

ただ、2人は、先生から言われたので、ここ直せ!とか、ここをこうしろ!などと要求したようです。

「槍手」は言われる通り修正しましたが、それでもできない部分があると、この2人は「槍手」に対し、支払った代金を返金しろ!と迫りました。

そして、さもないと訴える!と脅します。

さすがの「槍手」も、頭に来たのか、この2人とのやり取りをSNSでネット上に曝したところ、案の定、何じゃコリア?になりました。

その後、西安科技大学の知るところとなり、調査する!と発表します。

もっとも、雷さんと盧さんのうちのどちらかは、修士課程に行くことが決まっていて、どうも「背景」のある人のようです。

コメント欄では、どうせうやむやにするのだろう!という声が出ていました。

ただ、何じゃコリア?という声が多くなれば、大学としても、放校という処罰をするのかもしれません。

卒業設計を人に作ってもらうというのも問題ですが、それよりも、払うと言ったお金を払わない、約束を守らないことの方が、人として問題だと思いました。

約束を守らないのは、本当にイヤです。

おっと、どこかの国を思い浮かべてしまいました。