本日、8月4日は、旧暦では七月初七(qi1 yue4 chu1 qi1/チユエチュチ)です。
中国では「七夕」(qi1 xi1/チシ)と呼ばれます。
本来は、旧暦の7月7日が七夕なのでしょうが、日本では旧暦を廃してしまったため、新暦の7月7日を、七夕にしてしまいました。
ただ、中国人にとっては、新暦の7月7日は、七夕でも何でもありません。
「七七事変紀念日(七七事变纪念日)」と言い、盧溝橋(卢沟桥)(lu2
gou1 qiao2/ルゴウチャオ)で起こった事件を記念するやっかいな日になっています。
1年に何度もある「抗日」(kang4 ri4/カンリ)の日で、国の恥は絶対に忘れない「勿忘国恥(勿忘国耻)!」(wu4 wang4
guo2 chi3/ウワングオチ)という言葉が飛び交います。
よって、個人の自由なので構いませんが、喧嘩上等!という人以外は、この日に「七夕おめでとう!」や「七夕最高!」なんて、やらない方が無難かもしれません。
で、毎年恒例ですが、七夕についての話です。
もともとは「織女(织女)」(zhi1 nv3/ジニュ)と呼ばれる星を祭るイベントでした。
別名「七姐」(qi1 jie2/チジエ)とも呼ばれます。
よって、本来は、旧暦7月7日の夜を「七夕」と呼んだのでしょう。
この日は「七姐」の誕生日だ!ということで「七姐誕(七姐诞)」(qi1 jie2 dan4/チジエダン)と呼ぶところもあるようです。
この「七姐」は「織女」ですから、裁縫が上手であったと言われます。
よって「乞巧」(qi3 qiao3/チチャオ)と言い、女性が針仕事の上達を願う日とされました。
巧(たく)みを乞(こ)う、ということです。
「七七」(qi1 qi1/チチ)と「乞巧」(qi3 qiao3/チチャオ)で、何となく発音が似ていることから、こういう発想が出て来たのかもしれません。
七夕と言えば、牽牛(けんぎゅう)と織女(しょくじょ)です。
中国語では「牛郎織女(牛郎织女)」(niu2 lang2 zhi1 nv3/ニウランジニュ)と言います。
離れ離れになった牽牛と織女は、年に1度だけ会うことができるとされました。
そのとき、天の川に、カササギが翼を並べて作ってくれる橋を「鵲橋(鹊桥)」(que4 qiao2/チュエチャオ)と言います。
これも「七七(チチ)」と「鵲橋(チュエチャオ)」の発音が似ていることから生まれた発想のような気がします。
日本の七夕のメインイベントと言えば、短冊に願いを書いて、笹の葉につるすことではないでしょうか。
これが巨大化して、仙台の七夕祭り!などになりました。
これは、針仕事の上達を祈る「乞巧」の精神を、今でも受け継ぐものと言えます。
ただ、中国では「乞巧」なんて、すっかり忘れてしまいました。
今、中国で七夕は「情人節(情人节)」(qing2 ren2 jie2/チンレンジエ)と言われます。
「情人節」とは、バレンタインデーのことで、すっかり、恋人たちの日になってしまいました。
ただ、七夕の伝説は、牽牛と織女が、年に1回しか会うことができないという残酷なお話しです。
ちょっと、恋人たちの日とは違うような気もします。
なお、夫婦が別々の土地で生活していることを「牛郎織女」と言います。
また、遠距離恋愛は「鞭長莫及(鞭长莫及)」(bian1 chang2 mo4 ji2/ビェンチャンモジ)などとも言われます。
鞭は長くても届かない!という意味で、どんなに伸びても届かないのでした。
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8月
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