アルバム感想記vol.3 「愛を継ぐもの」 | ももクロちゃん応援日記 〜おとぎの国の少女たちへ〜

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ももクロちゃんとの物語は、まるでおとぎ話のよう。溢れ出る感情を心踊る想いを感謝の気持ちを綴った「ももいろクローバーZ」の応援Blogです。
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【 ももいろクローバーZ 】百田夏菜子、高城れに、玉井詩織、有安杏果、佐々木彩夏


この春、素晴らしいニューアルバムを経て、ドームトレックツアーに全通してきました。人生で最高とも言えるような感激をももクロちゃんからは贈ってもらいました。

強烈過ぎたドームトレックの後は、二度と味わうことの出来ないであろう満足な燃え尽き感と、想像を遥かに超えた熱風を浴び幸せな喪失感に包まれた日々でした。

明日からの真夏の大一番で復帰するにあたり、書きかけで放置していた「アルバム感想記vol.3」を今さらながら更新して、新たな一歩を踏み出したいと思います。



◾️コンプレックス
ももクロちゃんと出会って4年以上の時が経ちました。彼女たちと共有してきた思い出の全てが宝物です。

でも、自分にはモノノフとしてのコンプレックスがあります。それは「バトル アンド ロマンス」というモンスターアルバム誕生の瞬間に間に合わなかった事。

だから、2ndアルバム「 5thDIMENSION 」のリリースをリアルタイムで体感できた時は高揚しました。

2ndアルバムは賛否両論あった問題作と評価されがちですが…、Neo STARGATE仮想ディストピア、灰とダイヤモンド、月と銀紙飛行船、上球物語 など独特の世界観を放つ名曲たちが煌めく傑作だったと個人的には思います。

それなのに…
どこかに残った不完全燃焼感。

傑作であったはずの「5thDIMENSION」は、自分の中にあった「バトルアンドロマンス」へのコンプレックスを拭い去ってはくれなかった。
それどころか、1stアルバムの怪物ぶりが今まで以上に浮かび上がった。それはまるで呪縛のように重くのしかかりました。



◾️ バトル アンド ロマンスの呪縛 
…それは僕個人だけにある想いではなく、ももクロ自身が背負い続けねばならぬ永遠の十字架のような印象を持っていました。ももクロの未来へと続くキャリアの中で、過去の自分が創り出した " 怪物 "と常に対峙し、超えていかねばならない宿命…そんな事を感じていました。

2ndアルバムの中の、"舞い上がって 舞い上がって 囚われを全部解除して"という歌詞は、自らが創造してしまった怪物ともがきながら対峙する悲痛な叫びにすら思えた。

あれから三年を経て発表された、ももクロちゃんの新章はAMARANTHUS」そして「白金の夜明け」と名付けられました。2枚の強烈な新作を体感したその瞬間、僕は目の前を覆う「バトル アンド ロマンス」という名の怪物の呪縛から解き放たれたかのような衝動を抱いています。

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◾️ すべてを飲み込む力
どちらが優れているという "勝ち負けの問題" ではない。「バトル アンド ロマンス」を "超えたのではなく飲み込んだ "…そんな衝動を新作からは感じました。

"ももクロの強さとは、全てを飲みこむ力" 

ずっとそう思っている。

決して止まる事なく転がり続ける石。
小さかったはずの石コロが全てを吸引し、やがてどこまでも大きく膨らみ続けていく。

ももクロというアイドルグループからは、そんなとてつもない懐の広さと無限にも思える許容力を感じてしまいます。

2ndアルバムから三年。
その間にはさまざまなドラマがありました。 

極寒のクリスマスの歓喜、灼熱のスタジアムでの宴、聖火台での熱い誓い、ZEPPでの原点回帰、銀幕と舞台で演じた青春賦、天神様への歌の奉納、紅白からの卒業…

その道程で吸い込んだであろう全ての空気は、彼女たちの懐の中で大きく膨らんでいった。まるで全てを飲み込むブラックホールのように。

生き急ぐかのように、色とりどりの景色を走り抜けた彼女たちは…いつしか素敵な大人の女性へと育っていました。

新作における摩訶不思議な世界観…時空を、生命の始まりと終わりを、そして夢の中を駆け巡る、複雑な情景を比類なき説得力で奏でる五人。その圧倒的な表現力は、彼女たちの生き様が育んだ宝物なんだと思います。

かつてリーダーが語っていた「 無駄な事なんて一つもなかった 」という言葉。あらゆる経験を、さまざまな出会いを、すべて自らの血肉として飲み込み成長した少女たち。

リーダーのあの言葉は言霊となり、新作の多彩なる表現力へと見事に昇華していたように思えます。



◾️ GOUNN
自らが創り上げた怪物デビューアルバムと対峙し、大いなる未来を夢見ながら、もがき続けた日々。そこで発表した傑作シングルGOUNN」。

その当時は感じなかったけれど、今このシングル曲を聴き返すと、その時間に漠然と漂っていた"苦闘"のようなニュアンスを感じてしまいます。

ももクロらしさという十字架。
自らの成長とファンが望むものとの乖離。

紅白の向こう側で自分たちが何者としてどんなメッセージを贈り続けるべきなのか?

商業的な成功という観点ではなく自らのアイデンティティという意味で、己の存在する意味と真正面から対峙する五人の少女たちの "もがきの声"が、GOUNNからは聴こえるようになりました。

あなたに会いたいよ…
…私は私の化身になりたい

1stアルバムにして頂を極めてしまったが故の苦闘。それは、バトル アンド ロマンス の呪縛でもあり、怪盗少女という十字架でもあり、ヒャダインへの望郷であったのかもしれない。

それらの囚われはモノノフの心も蝕んだ。 
"ももクロは変わった " 
そんな常套句を残し去っていった人もいた。

だけどももクロちゃんは歌い続けた。
もがきながら。
あの自分にもう一度会いたい!…と。

本物の奇跡は良い因果応報の果て。
GOUNNという名の輪廻の果て、転生を待ちわびるかのように子宮の中で脈打つ鼓動。

激しい雄叫びと共に「AMARANTHUS」が生誕した。

WE ARE BORN NOW
彼女たちは歌う。過去形ではない。
BORN NOW
新しいももクロが、たった今産まれた。

2ndアルバムのNeo STARGATE天高く指を突き上げ、背伸びをするかのように広げようとした己の器。あの時点ではその器を満たせなかった細胞が、この三年間でたっぷりと満ち溢れたような印象を新作からは抱きます。

紅白の向こう側でも、
国立の向こう側でも、
去っていった同志もいた。

でも、僕は彼女たちを信じていた。
「今のももクロが一番のももクロ」
そう信じていた。同じ言葉を口にする仲間の声に涙が出た日もありました。

だけどそんな僕らの中にも、
バトル アンド ロマンスの呪縛は間違いなくあったんだと思う。

「今のももクロが一番のももクロ」…その響きは呪縛から逃れるために、救いを求める呪文だったのかもしれない。重くのしかかる何かを解き放つ為の祈りの言葉だったのかもしれない。

ももクロちゃんの"本当の新章"を体験した今、そんな救いを求める言葉は要らない。

「今のももクロが一番のももクロ」
今はそう言い切れる。
一点の曇りもなく。

二枚のアルバムに収録された楽曲たちは、どれもが異なる景色を魅せてくれる。難解なコンセプトの中で様々な色彩を持ち浮遊する楽曲たちは、ともすれば「散漫」な印象を与えかねないけれど、あの五人が表現する事で全てがももクロという核に見事なまでに集約されていく。

ここにあるのは、紛れもなく「ももクロ」という絶対的な個性。

百田夏菜子が、高城れにが、有安杏果が、玉井詩織が、佐々木彩夏が…五人が奏でるマジックからしか産まれ得ない「ももクロという名のデッサン」を新作は彩ってくれていました。



◾️ 愛を継ぐもの
コードは愛だ!
2ndアルバムのPVで「次のミッションは愛?大きく出たねぇ」と、博士に扮した川上マネージャーがつぶやく場面があった。

商業主義の象徴と言える「アイドル」という名を冠する五人の少女が愛を贈ろうとする。「大きく出たねぇ」とも苦笑したくもなる。失笑する人もいるだろう。

だけど僕らは知っている。信じている。
あの五人が贈り続けてくれる本物の愛を。 
この五つの色が描き続けてくれる愛の景色を。

「AMARANTHUS」「白金の夜明け」には、2ndアルバムでは表現しきれなかった愛の形が結実している。

2010年。
少女時代の彼女たちは、「笑顔と歌声で世界を照らし出せ」と歌った。何の懐疑心もなく真っ直ぐな瞳でそう歌う少女たちに僕らの心は揺れ動かされた。

2016年。
日の出づる国で5つの魂は愛を歌う。

幼かった少女たちは真っ直ぐな瞳で「笑顔で世界を照らし出せ」と歌いました。大きく成長した彼女たちは「愛を命恥じぬように護り続けよ」と歌います。

ももクロちゃんが贈ってくれるもの…
それは一体何なんだろう?ずっと考えてきた。

何故こんなにも僕の心を揺さぶるのだろう?
ずっとわからなかった。

愛?
そう…ももクロちゃんは、愛という蜃気楼のように虚しく切ない情動を教えてくれた。先天性のものか後天性のものかはわからない。

でも、僕が生きている中で本当に感じることが出来なかった「愛」をももクロちゃんからはずっと感じていたんだと、新作を聴いて気づかされた想いがします。

ももクロちゃんに触れる度に、
止めどなく零れてしまう涙。

今の僕の中では、彼女たちは「アイドルとかタレントだとか」の枠組みは飛び越えている。「好きだとか可愛いだとか」の形容のしようもない。

彼女たちが発信する愛に、ただただひれ伏し憧れ尊敬し、僕の感情は無抵抗に揺さぶられ、涙となって溢れだす。…そんな感じです。

生きている中で必要な「打算」「折り合い」「保身」…生きていく中で捨ててきた「たいせつな何か」を彼女たちと触れるひと時だけは思い出させてくれるよう。

彼女たちの魅力「笑顔」から感じていたのは、蜃気楼のように儚い「本物の愛」の形だったのかもしれない。

この世界を 包み込む
揺るぎのない 強さ
時代は 移りゆけど
愛は 愛で 愛のまま


嗚呼(悠久のぬくもり)
届けたい(永久のやさしさ)
憎しみさえも 消し去る
先天性の 情動

鼓動続く限り 灯し続けよ


通念さえも 覆す
後天性の 感傷

命 恥じぬように 護り続けよ



今春、ニューアルバムをひっさげたドームトレックツアー全9公演に参戦する事ができました。そこで感じたもの…それは紛れもなく愛の姿だった。

その熱風は、激しかった。重かった。

理屈では表現できないような、摩訶不思議な感情が僕の心を覆い尽くした。

ドームトレックで確信できた。
天も地もなく愛する境地へ翔んでいけた…と。

アルバムを聴き、ツアーを観て、
ももクロちゃんが贈ってくれる「悠久のぬくもり」の姿に気づけたから。


ももクロちゃんが、僕らに贈ってくれるもの。
ももクロちゃんが、繋がり絆(つな)げてくれるもの
それは…
たった 一つの感情

It's Love.

愛を 信じてる
ももクロちゃんを信じてる

そこには限りない強さがあります。
そこには限りない優しさがあります。
そこにはかけがえのない笑顔があります。

そして…2016年桃神祭前夜。
灼熱の日産スタジアムで、ももクロちゃんはどんな新しい「愛」を魅せてくれるのでしょうか?

頂と思えたバトルアンドロマンスを飲み込みんだニューアルバム。比類なき感動を魅せてくれたドームトレック。

でも、ももクロちゃんは止まらない。
だって、今のももクロが最高のももクロだから!

昔々…幼かった怪盗少女たちは真っ直ぐな瞳で「笑顔で世界を照らし出せ!」と歌いました。少女たちは時は経て"愛を継ぐもの"へと成長し「悠久のぬくもりを命恥じぬように護り続けよ!」と歌い鬼退治に旅立ちます。


いざ!
灼熱の鬼ヶ島へ!!

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