久しぶりの記事のアップになります。

 

今回は、親族の親子達と「現代的なツール」であるゲームとの付き合いについて、書いてみます。ゲーム、とはいえ、それをきっかけに理解が深まったり発見があったりすることもあります。最近で言うと「オンラインゲーム」と子どもの関係性について、たくさんの発見がありました。

 

ゲームなんてダメ。

 

スマホやタブレットなんて早い。

 

と言うのは簡単ですが、そうもいかないのが世の流れです。

 

休校した時に「オンライン授業」を受けた子も多く、つまり「タブレットやスマホが使いこなせている子」と、初めての子では大きな差がつきました。授業後も子ども達が画面に集って会話したり、オンラインでつながったまま勉強する、なんていう次元になっています。それで勉強がはかどり遅れがなくなるのですからすごいものです。

 

田舎ほど、もしかしたらオンラインはすすんでいるのかもしれません。自然災害や大雨洪水警報、土砂災害などで学校に通えない機会は多くあるので、自然と市区町村の応援もあって学校がタブレットを使っていたり、連絡事項がスマホなどで確認できるようになってきています。

 

こうした流れの中で、さて、アプリなどをダウンロードして遊ぶオンラインゲームは子供に必要か?ということですが、

 

・家庭で、親子でルールを設定できる(子供がごり押しして約束を踏み倒すような現状はない)

 

・親が冷静に、ルール違反の時の約束を履行できる(怒らずさっとアプリをアンインストールする、など)

 

・親子ともに日々のスケジュールにあわせて「柔軟に」時間を設定しなおしができる

 

・課金の勧誘にのらない、自分の名前、学校、住所、年齢は言わず「まあいいじゃん」とかわすことができる、疑似恋愛を本当の現実世界と一緒にしない(ゲームはゲーム内だけのこととわりきれる)

 

 

この辺りがパスできるようなら、ゲームは親子の間で問題にならないことが多いです。この上の4つは、最ももめる材料なので、我が子が、自分がこの4つに対応できないレベルにいるとしたら、最初からゲームは「まだ無理ね、親も子もお互いに」ということで見送ります。その代わりにボードゲームや好きな習い事を増やす感じでしょうか。

 

もめるのは、親子で線引きができない時です。ルールを設定したのに、いつのまにか子供が「大声で不平不満を言えば親は折れる」と親を威嚇して上に立つ時、親が「面倒だから」とルールをどんどん変更させて子供に主導権を渡してしまった時、後から困ることになります。子供に忠告も、最初の約束も通用しなくなるのです。

 

また親側の私達の課題もあります。子供はあくまで「子供」ですので、欲に弱く、特にゲームなど快感のあるものはのめりこむのは当然です。それがわかっていて、「今なら与えて大丈夫」と最初に判断したのは「親」なのですから、与えた責任も最終的には「親の自分にある」と考え、子どもの「子供らしい未熟さ」のせいにはできない部分があります。

 

ですので、子どもがルール違反をして時間をずいぶんと延長したとき、泣き喚いてやらせろ、とでも交渉してきたとき、冷静に「ルールを守れる条件でゲームを許したのだから、また守れる、冷静になれると自分で行動で証明できる時まで一回、ゲームをお休みしよう。大丈夫、データはそのまま保存しておくから。」と、目の前にゲームのアイコンがあるとやりたくなるので、目の前から抹消してしまうと諦めることも多いので、さらっとアンインストールします。

 

その後、どんなにごねても「大丈夫、また落ち着いて、ルールも守る、と自信が持てたら言いなさい。またアプリを入れてあげるから。でもダメだったらまたアプリをアンインストールされるよ。約束を守ればゲームはできる。簡単なことだよ。」と、これを繰り返しているような感じです。スマホのアプリそれぞれに個別に1日の使用上限時間や、使えない時間、休憩の時間の長さを設定して制限をかけられるアプリも無料であるので、それを使用しています。制限アプリに入るのにパスワードがかかるので、子どもでは制限が解除できません。かなり便利です。

 

さてもう一つ、ゲームをやりはじめると、そのゲームが「1日の中心」になりがちな子どもが親族の子の中では多いです。ですので「先にやること」が終わってからゲーム、という順番は必須なのですが、もう一つ「スケジュールに合わせて柔軟に」行動できるか、が親子の大きな課題です。

 

例えば、ゲームの途中で習い事へ行く時間になったら?

 

子供が習い事へ行く時間までに終了できるよう計算してゲームをはじめる、というのが親の理想でしょうが、ゲーム自体がそうできていませんので、これは「ゲームの終了時間も計算してやりなさい」と要求すると、子供に酷な話です。まとまった「ゲーム時間」が宿題終了と塾や習い事までの「すきま時間」におさまるかというと、そうでもないですし、車で送っていく間はOKとする、その間に「最中の回を終了して。中の仲間にちょっと落ちる(ログアウトする)と挨拶して出てくる」猶予を与えたりします。

 

また中高生だとテスト期間が終わると、「頑張ったご褒美」としてゲームをしたがる子も、それが楽しみでテスト勉強を最低限やる子もいたりします。その子に「テスト後も1日1時間だけ」といつものルールを適用すると、がっかりするのではないでしょうか。ご褒美、というのは「いつもよりプラスアルファ」の楽しみがあるんじゃないか、と解釈しますので、2時間とか、ご飯、お風呂、次の日の用意が終わったら寝る時間まで解禁!と「特別感」を提供する、など、折り合いをつけていく必要があります。

 

案外、上記が上手くいくと、「親子の関係性」がぐっと深まりますし、信頼性も増します。逆にゲーム、というものを親子で扱い損ねると、親子の仲が不仲になったり、信頼関係をお互いに損ねることにもなりますから、そこは親も子も、上記のような内容を吟味して、自分達、親と子の性格も吟味して、いつもの生活の中で見られるダメダメパターンなども吟味して、「できる範囲」の現実的な約束をはじき出し、親子でお互いにそれを無理なく守っていく、というのが私達、特性のある親子同士では特に大事になってきます。親も子も理想に傾かない、背伸びをしない、現実に合うレベルがちょうどです。

 

最後に、子どもにとってゲームとは、親がおもうほど「ただのゲームじゃない」のを、この6月から7月の間、親族の親達は実験をして理解しました。子供が参加しているオンラインゲームに親も参加し、つぶさに「中はどんなものか」を実際に体験し、「現実」のデータ取りしたわけです。親達の感想は様々でした。

 

・ゲーム内で設定されている、レベルアップのための「日課」だけで、軽く30分はかかる。

 

・課金をせずにゲームしている子達は、毎日ログインしないと、もらえないものが出てきて、課金勢と戦えない(子供がゲームしてはいけない期間は親がログインして無料特典をゲットしておいてあげる家庭もありました!)

 

・ゲーム内チャットで、仲良くなった子と時間を合わせると、現実の生活時間に支障がでることがある。

 

・ゲーム内チャットでマナーを学んでいたりする。大人もいるから子供が好き勝手にふるまっているわけではない。逆に横柄な人もいるので、そういう人達のスルーの仕方も色んなゲーム仲間から学んでいる。

 

・現実の学校生活の中では無理な、「会話の楽しさ」を疑似体験している。子供のコミュニケーション能力でも、チャットではスタンプや短い言葉で楽しい会話ができている。これはデメリットとは言えない。むしろゲーム内での療育のようにも思えるぐらいのコミュニケーション力を発揮している。

 

・一度ゲーム内でチームやギルドに入ると、人間関係ができていて、それを子供が大事にしているのがわかる。だから約束違反をしたときもいきなりアプリをアンインストールするのではなく「しばらくログインできなくなる」とか、「テスト期間中でスマホ使えない」とか、説明するチャンスや時間を与えないと「親が子供の大事な人間関係を破壊する人」になる可能性がある。それは親子の信頼関係を損ねるし、子どもの大切にしているものへの理解をないがしろにしているサインにもなるので、そうしたリスクは避けるべき。

 

などなど、他にも意見がたくさん出たのですが、「たかがゲーム」一つ、それが内在する可能性は大きく、またリスクもありということです。

 

子供にとってゲームが礼儀を学ぶところだったり、コミュニケーションを育てる場所でもあるわけですが、そこを大事にする親子がいてもいいかと思います。一方で、親が子供に教えられることもありますので、疑似恋愛的要素が含まれるのであれば「ゲーム内だから相手が男でも女キャラかもしれない、老若男女問わずゲームしているから、高校生と思っていたら小学生だったり・・・するからゲーム内だけの設定と割り切って、幻想で終わらせる」というリアル面も、何回か口頭できちんと説明したりもします。

 

課金は親がパスワードを入れないといけない仕様にしていたり、ご褒美で課金するのであればプリペイドでコードをコンビニなどで1000円とか、2000円とか購入して与える、ということも可能です。これだと使いすぎないので今の所、うまくいっています。学校のテストを全部受けて、間違えてもいいから答案の最後まであきらめずに書き込んでいたら、ご褒美に1000円のプリペイドをプレゼント、という技で中学の中間・期末テストを乗り越えた子もいます。

 

ゲームはだめ、というより、この世の中は白黒テレビからカラーになり、携帯電話からスマホに代わり、それが「当たり前」になる時の流れがありますから、親の世代の古さが子供の世代の新しい世界を縛る・制限するのも、生きていく手段を奪うことにもつながったりしますので、時期をみて、親子の自分達の性質をよく知って、タイミングの良い時に「使いこなしていく」のが、現実的なのかなと感じています。

 

久しぶりの記事なのに長くなりましたが、最近の親族の新しい動き、ということでご紹介してみました。

 

 

 

*私や親族の家庭の狭い世界での出来事ですので、大勢の定型のご家庭や親子の方々のケースと多々違う方針や考えが書かれていることがありますが、ごく少数派の変わった一例、ということで流し読みしていただければ幸いです。

 

 

 

 

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